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減量のための「コーヒーダイエット」、痩せられるって本当?
「コーヒーダイエット」におけるプランの多くには、「1日3杯かそれ以上飲めば、脂肪燃焼効果が期待できるだろう」と提唱されています。これは最近の研究によって報告された結果に基づいているようですが…でも、実際このことは本当なのでしょうか?
「コーヒーを飲むことは、身体に悪いのでは?」と思っている人も、実際にはそう少なくないでしょう。例えば、「コーヒーを飲むと心臓に悪影響を与えたり、糖尿病の原因のひとつになってしまう」と警鐘を鳴らす研究者もいます。さらには「神経を高ぶらせ、興奮状態へと誘発される」などといったことも挙げられています。
そんなことをサイトやSNSで目にすれば、コーヒーに若干の不安を感じてしまう人々はとってはコーヒーに対してますます不安を感じてしまうことでしょう。実際、1970年代や80年代には多くの科学者が「コーヒーが健康問題を引き起こす可能性がある」と懸念していました。しかしその時代の科学者たちはまだ、「コーヒーに含まれる抗酸化物質に関して深く理解する以前のことだったから」とも言えるのです。
◇抗酸化物質を含むコーヒーのメリット
淹れたてのブラックコーヒーには、「コーヒーポリフェノール(クロロゲン酸)」といった抗酸化作用があることがわかっている成分が多く含まれていることが、研究によって報告されています。そこで明らかになった利点とは、病気の予防が期待できると同時に多くの効果をもたらせてくれるというものです。
意識を高めて記憶力もサポートし、トレーニングの質も上げてくれるという報告もあります。さらには、私たちの体内では、さまざまな代謝によって活性酸素が発生します。その活性酸素はがんの一因になったり、生活習慣病の引き金になるとも言われています。そこでコーヒーポリフェノールの強い抗酸化作用によって、活性酸素の発生と働きを抑制してくれると報告されています。日本の国立がん研究センターの公式サイトにも、「コーヒー摂取と肝がんの発生率との関係について」というページが設けられています。関連記事:「筋トレ効果を上げる」コーヒーの飲み方
◇コーヒーは、仕事に集中するエネルギーを与えてくれるだけだとは思っていませんか?
仕事に集中するエネルギーを与えてくれるのも、コーヒーを飲むメリットの中に含まれている…とも言わています。コーヒーは、元気と活力の源とも言えれています。
しかも、それだけではありません。
現代版の哲学者と言える俳優ジェリー・サインフェルドの言葉を借りれば、「コーヒーは全ての問題を、たった1杯で全部解決してくれる」と言いたくなるほど、魅力のある飲み物です。
今ではさまざまな研究によって、「コーヒーは悪いものではなく、実際に身体にとって良いものだ」と理解されています(ただし飲みすぎなければ…)。
しかしながら、コーヒーは新たな食事療法として、ダイエットまで助長してくれるものなのでしょうか?
◇話題の「コーヒーダイエット」とは?
コーヒーダイエットは、「コーヒーを飲むというシンプルな食事療法で、減量が助長される」ものとして、もう十数年前から話題となっているものです。
このコーヒーを中心としたダイエットプランには、「コーヒーが持つ特定の特性が代謝のメカニズムを効率化させ、減量を助長し、減少した体重を維持させることを推進させる」と言われています。
このことはハーバード大学やスタンフォード大学、ジョンズ・ホプキンス大学など多くの大学でも研究されています。中でも。ハーバード大学公衆衛生大学院のフランク・B・フー教授らによる研究結果がその代表とも言えるでしょう。
なんともすごい話ではないでしょうか。
◇「コーヒーダイエット」の是非について解説
実際にコーヒーダイエットなら、簡単に始められて複雑なものではないでしょう。ジャーナリストであり作家でもあるボブ・アーノット(Bob Arnot)医学博士が2017年に著した『The Coffee Lover's Bible』(現在ではまさに、コーヒー好きのバイブルとして販売されています)には、そう述べながらおすすめしています。
このアーノット博士は、『アステカダイエット』や『乳がん予防ダイエット』などのダイエット本も何冊か執筆しており、NBCやCBSの医学特派員でもあります。
◇「コーヒーダイエット」1日何杯飲めばいい?
アーノット博士は著書の中で、「1日に少なくとも3杯のコーヒーを飲むことで、病気を予防する可能性があるだけでなく、脂肪の燃焼効率をアップすることが期待できるとしています。このコーヒーの量が、『減量に拍車をかけながら、新陳代謝と心臓血管機能を高める』とつづっており、このことはいくつかの研究で裏づけもされています」と、詳しく述べています。
加えて、カロリー制限された食事についても述べています。
博士は、「1日に少なくとも3杯のブラックコーヒーを飲むことに加えて、1日のカロリー摂取量を1500カロリーに制限する必要がある」と書いています。
理想的にはこのカロリーは、赤身のタンパク質、精製されていない穀物、そして、たくさんの果物や野菜から摂取する必要があります。
◇「コーヒーダイエット」の効果とは?
では、実際にはコーヒーダイエットは効果があるのでしょうか? まずダイエットとなると、「効果がある」というのは微妙であり、そう簡単には言えない言葉です。
もしかすると、コーヒーダイエットを始めたあなたの友人は9キロ減量に成功したとします。ならば、そのことに大興奮し、そのダイエット方法について延々と話し続けるかもしれません。
けれどもコーヒーダイエットは、あなたの友人とアーノット博士にとっては効果があるものだったとしても、彼らが体験したことには裏づけが乏しいとも言えるのです。
「効果がある」ダイエットと判断するためには、科学者はプラセボを使ったプラセボ対照二重盲検試験で食事療法を検証する必要があります。退屈なお話になってしまいそうですが、これがこのダイエット方法の有効性を科学的に判断する、唯一の研究方法なのです。
すると、どうなるのでしょうか。ほとんどのダイエット方法は、こういった食事療法を検証する検査にパスできなかったり、最新の方法ゆえに科学的な研究の裏づけが取れていなかったりするのです。
◇調査結果から見える留意点
25種類の減量方法の結果をレビューした2017年の調査では、「営利目的で行われている減量プログラムでは、わずかではあるが、臨床的に意味のある減量としては失敗することが多く、それに実践した多くの方が、こういったプログラムで必要とされる食生活の変化は持続不可能であることを示唆している」ことが、わかっています。
もう一つのキーワードが出てきました。「持続不可能」です。
もしかするとあなたの友人は、コーヒーダイエットを半年間続けていて結果が出ているかもしれません。けれどその友人は、1年間続けるでしょうか? また5年先は? その先もずっと続けるのでしょうか?
毎日3杯のコーヒーを飲むことはなんてことないかもしれません。ですが、1500カロリーの制限を守ることはどうでしょうか? そうなると、これは難しいですよね。例えば米国農務省がアクティブな平均的な19歳から35歳の男性の推奨カロリーを、その2倍(3000カロリー)としていることを考えるとなおさらです。36歳から55歳の男性でさえ、推奨カロリーは2800カロリーなのですから。
◇減量のために飲むコーヒーの健康的な量はどのくらい?
コーヒーの飲み方は人それぞれですが、日本の厚生労働省ではカナダ保健省 (HC)の注意事項を引用し、「健康な成人は1日最大400ミリグラムまでとする」と推奨しています。これは、コーヒーをマグカップで約3杯程度です。
多くの研究では、毎日3杯のコーヒーが健康上の利点をもたらすことを証明していますが、水分補給、睡眠、集中力が低下するなどの症状がない限りは、1、2杯でも問題はないと解説されています。
◇注意点:ブラックコーヒーでの効果
大きな注意点が1つあります。この記事で話しているコーヒーとはブラックコーヒーです。
つまり、クリームなしの砂糖なしのコーヒーのことを指します。ホイップとミニマシュマロ入りのダブルモカラテマキアートでもありませんし、「コーヒー」っぽいコーヒー飲料でもありませんので、そこは注意してください。
◇まとめ
もしも、コーヒーを飲むことで外に出て運動をしようという気分になるのであれば、それは減量につながることでしょう。それに、カスタマイズをしたりジャンボサイズにしたりせずに、ブラックコーヒーで適量を飲んでいれば、お腹回りも気にすることもなくなるでしょう。
単純にコーヒーを、なにもしなくても脂肪を燃焼させる魔法の豆と期待してはいけません。そこには、適度なトレーニングがあってこそということを、忘れてはなりません。
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Source / Men's Health US
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。