理由はさまざまだと思いますが、日々の食事で魚を十分に食べていないのではないでしょうか。
◇日本人の魚介類の1人当たりの消費量は減少傾向
まずは、日本での現状を見てみましょう。
農林水産省「食料需給表」によれば、食用魚介類の1人1年間あたりの消費量は2001年の40.2kgをピークに、減少傾向にあるようです。2016年になると、前年(2015年)より1.1kg少ない24.6kgとなっています。これは、1955年代後半とほぼ同じ水準とのことで、近年1人当たりのタンパク質の消費量自体も、減少傾向にあるとの報告がなされています。
また魚介類摂取量は、若い年代ほど摂取量が少なく、特に40代以下の世代の摂取量は50代以上の世代と比べて、顕著に少なくなっているとのことなのです(ただし近年では、50~60代の摂取量も減少傾向のようです)。
◇タンパク質を魚から摂取するメリット
「高タンパク・低脂質・低カロリーの条件を満たした鶏肉(特に鶏むね肉)は、筋トレによる筋肥大を目指す人におすすめ」と言われているため、鶏肉を日常的に食事に取り入れているトレーニーたちも多いはず。
ですが本当のところ、毎日鶏肉を食事メニューに入れ続けてきて、「少し飽きてしまった…」と嘆く人も少なくないはずです。もはや、どれだけレモンペッパーで味つけをしても、グリルした鶏のむね肉に関して気づいているはず。「これを食べて喜びを得るために、日々を生きる」と思えるようなものではなく、「日々生きるためにこれを食べる」とみなしているはずです。
そこには、魚に対する苦手意識を持つ人が多いからかもしれません。ですが、なぜ苦手なのでしょうか? ここでそんな苦手となったデメリットを見つめ直すことよりも、魚が擁する身体へのメリットのほうにフォーカスすべきでしょう。それにフォーカスすれば、きっと気持ちも切り替わるはずです。
では、行きましょう。魚にはオメガ3脂肪酸など、心臓など循環器系を健やかに保つために役立つ栄養素が豊富に含まれていることがわかっています。さらに、免疫力の改善をサポートする栄養素である「ビタミンD」も含まれているのです。そしてもちろん、魚はタンパク質も豊富に含まれています。中には、鶏肉よりも多くのタンパク質を含んでいるものもあります。
下記に、高タンパク質の魚を「日本食品標準成分表」を参照しリストにしました。このリストを参考に、、次の買い物では魚を選んで料理をし、より健やかな身体へと導く食事を楽しんでみませんか。
ちなみ鶏むね肉のタンパク質量は?というと、「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によれば、皮つきの生で100g中には19.5gのタンパク質が含有されているとしています。一方、100g中の脂質は17.2gでカロリー数は229kcalと明記されています。
【1】鰤(ブリ)|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ21g(約100g あたり)
脂が少し乗ったブリの1冊(ひとさく=約100g)には、およそ21.4gもの高タンパク質が含まれているということです。これは鶏むね肉(皮付き・生)よりも多い比率です。
ですが、カロリー数はおよそ257kcalということ。確かに、鶏むね肉のほうがカロリーを抑えることはできます。ですが、ブリはそれよりも増して美味しいものです。ブリの照り焼きは最高です。塩と搾りたてのレモン果汁をかけるだけでもご馳走になるます。「これを食べて喜びを得るために、日々を生きる」に値します。
【2】ツナ缶|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ12.5g(1缶あたり)
はい、中身はマグロです。一般的なツナ1缶あたり(液汁を含む)のタンパク質はおよそ12.5g、脂質はおよそ0.3g、炭水化物はおよそ0.2g、食塩相当量はおよそ0.7gとなっています。
ツナ缶は、手軽に料理に加えられる食材でもあります。カロリーが気になる人は油漬けではなく、水煮を選ぶことでカロリーコントロールがしやすくなります。
【3】アンチョビ(オリーブオイル漬け缶詰)|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ27.6g(1缶:内容量48g あたり)
一般的なアンチョビ1缶あたり(オリーブオイル漬け缶詰)は、エネルギーおよそ207kcal、タンパク質およそ27.6g、脂質およそ10.1g、炭水化物およそ0.3g、食塩相当量およそ12.9gと、カロリーと食塩が若干高めではありますが、タンパク質も豊富に含まれています。
またアンチョビには、オメガ3脂肪酸も多く含まれておりますし、味も魅力です(苦手な人もいることは否めませんが)。
- アンチョビを使用したおすすめレシピ
ピザにのせても美味しいですが、パスタソースのほうがより合うでしょう。料理の味を邪魔することなく、他の食材の味覚も引き立ててくれます。次に自家製パスタソースを作る際は、ニンニクと玉ねぎにアンチョビ2切れを加えてみてはいかがでしょうか?
【4】銀鮭(ギンザケ)|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ20g(約100g あたり)
低カロリーで、オメガ3脂肪酸を多く含んだ魚です。のり弁当の定番おかずのひとつでもありますね。
- 銀鮭を使用したおすすめレシピ
調理の際は魚本来の甘みが強いので、味を壊さないように注意しましょう。レモン汁、塩、刻んだハーブを少し加えて、グリルで焼いて食べるのがおすすめです。
【5】ニジマス|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ21g(約100g あたり)
渓流釣り好きの人には愛されていますが、いつも魚売り場にあるとは限りません。けれども、見かけたときや釣れたときには、ぜひご賞味ください。
- ニジマスを使用したおすすめレシピ
マスの身は非常に柔らかく、スモーカーで燻(いぶ)すのにも向いています。
【6】笛鯛(フエダイ)|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ20.51g(約100g あたり)
主に鹿児島県、沖縄県などで人気の高い魚で、最近では関東でも見かける機会が増えた魚です。値段も徐々に上がってきており「、高級魚の仲間入りをしている」と言ってもよいでしょう。
- フエダイを使用したおすすめレシピ
身が締まっているので、グリルで焼くのに向いています。ボリュームある味わいを好む人は、オリーブオイルやハーブを使ったソースとよく合います。
【7】ティラピア|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ20g(約100g あたり)
風味は好みが分かれますが、それを補って余りあるほどのタンパク質とカロリー比率を誇っています 。
- ティラピアを使用したおすすめレシピ
調理方法としては、この魚はマリネにしてから熱した鋳鉄製のフライパンで焼いてみてください。フレーク状にして、フィッシュタコスがおすすめです。
【8】オキスズキ(英名:ブルーフィッシュ)|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ29g(約113g あたり)
東太平洋、北西太平洋には生息は確認されておらず、アメリカ東海岸(フロリダ南部から南米北部では見られない)、アフリカ、地中海から黒海(この間を回遊する)、東南アジア、オーストラリアに分布し、主に大陸棚上に生息すると言われています。
アフリカ沿岸部では、肉の代替となる貴重なタンパク源であることから現地住民による漁が続けられているそうです。
生のオキスズキ(ブルーフィッシュ)は深赤色というよりも、薄紫色をしています。肉厚の身を調理すると、色は白くなる白身魚です。
- オキスズキを使用したおすすめレシピ
燻製やフライパンで、さっと焼いても美味しいのです。
【9】スケトウダラ|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ18g(約100g あたり)
スケソウダラのタンパク質は、卵と同等以上に良質とされ、筋肉肥大の効果が大いに期待されています。
名前のとおり、この魚はタラ科の1種で白身魚です。日本人にとっては、「かに風味かまぼこ(カニカマ)」や「ちくわ」の原料として定番ですね。
- スケトウダラを使用したおすすめレシピ
白身魚のフライとして扱われていることが多いです。けれど、ブリトーにもおすすめな調理しやすい魚でもあります。
【10】ハタハタ(生・干し)|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ14.1g(生)・およそ16.7g(干し)(約100g あたり)
『日本食品標準成分表(五訂)』によると、「生のハタハタ」はタンパク質およそ14.1g、脂質およそ5.7gで、「生干しのハタハタ」はタンパク質およそ16.7g、脂質およそ10.3gとのことで、「生干し」のほうがタンパク質は多いようです。
- ハタハタを使用したおすすめレシピ
チリペッパー系のスパイスやケイジャン風シーズニングを使用して、フライパンで焼いてみてはいかがでしょうか。
【11】鰯(イワシ|オイル漬け缶詰)|高タンパク質な魚
【12】鯰(ナマズ)|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ18g(約100g あたり)
日本各地には、うなぎと同様にナマズ料理が味わえるお店がたくさんあります。鰻(ウナギ)のように蒲焼きでも楽しめます。
- ナマズを使用したおすすめレシピ
他の白身魚と同じように、直火で焼いたり、オーブンで焼いたり、グリルでもフライパン調理などでお召(め)し上がりください。
【13】ヒラメ|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ20g(約100g あたり)
ヒラメと言えば、まずお刺身や鮨のネタとしてなじみの深い魚です。タンパク質も豊富で、余計な脂も少ないためヘルシーな食材とも言えます。
【14】鯵(アジ)|高タンパク質な魚
- タンパク質:およそ20.7g(約100g あたり)
必須アミノ酸の量、カルシウム量が多く、バランスが良い食材として肉や大豆に劣らない魚のひとつです。
干物や開きなど、日本人の食卓の定番魚とも言える「アジ」です。「干物」にすると脂質が多くなりますが、良質な脂と言え、干物になることで中身がぎゅっと凝縮されその他の栄養素も多く摂れます。
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Source / Men's Health US
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。