• 怖いもの知らずでお酒好きの方へ、チェルノブイリ原子力発電所近くで収穫した穀物を原料としたウォッカ「アトミック」はいかがでしょうか。
  • 2019年8月8日時点ではまだ1本しか存在しないため、飲めるのはまだ先になりそうです。
  • ウォッカを製造したチームは、「原発事故による経済的打撃の影響がまだ残るチェルノブイリ周辺の復興を支援したい」と考えています。

 史上最悪の原発事故はドラマ化(チェルノブイリ原子力発電所事故の全貌に迫った実録ドラマチェルノブイリが、2019年秋にスターチャンネルにて放送&配信)されることで世界が注目する中、チェルノブイリの立入禁止区域で採取された穀物を蒸留してつくった世界初のウォッカ「アトミック」がこのたび発表されました。

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 そのコンセプトから誤解を招きそうな「アトミック」ですが、これは地域の復興を目指して製造されたもの。ウクライナ水文気象学研究所に所属する「チェルノブイリ・スピリッツ・カンパニー」の共同創業者であるゲナディ・ラプテフ博士は、英・放送局BBCの番組で次のように述べています

 「ただ土地を放棄するだけではなく、様々な活用方法があるはずです。事故現場付近で放棄された土地を活用することで、周辺地域の経済復興を支援することができる」と…。また続けて、「放射能のないクリーンなものをつくることも、もちろん可能です」だとも付け加えています。

 同じくチームに参加しているポーツマス大学環境科学学科のスミス教授は、BBCに対して「アトミック」に含まれる放射性物質は、「他のウォッカと同等の放射線量に過ぎない」と話しています。

 しかし「チェルノブイリ・スピリッツ・カンパニー」はなぜ、ウォッカにこだわったのでしょうか? その理由のひとつが、放射性物質に汚染された原料は蒸留される過程のおいて除染されるものであり、それを世界的に公表したかったようです。そのウォッカは、チェルノブイリ帯水層の水と少量の汚染が確認されたライ麦を使って蒸留されたものになります。そうして完成したものをサウサンプトン大学の実験室へ送り、検査をすると…「危険な放射能は検出されない」ということが確認できたのです。

 「何もかも、検出限界値未満でした」とスミス教授はコメントしています。

 そして気になる味についてですが、BBCによれば、よくあるハウス・ウォッカのそれと変わらないそうです。しかし残念ながら、「アトミック」はまだ1本分しかつくられていないので、研究者以外の人間が飲めるようになるのはもう少し先のことになりそうです。

 が、「チェルノブイリ・スピリッツ・カンパニー」は、2019年内に500本の製造を計画しているということです。

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公式サイト

Source / POPULAR MECHANICS
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です。