2023年6月までメタが退職後のシェリル・サンドバーグの警護費用を負担

ロイター通信によれば、メタ社の取締役会は現地時間2022年9月30日(金)に、元COO(Chief Operating Officer最高執行責任者であるシェリル・サンドバーグの身辺警護を提供することを発表しました。

そこで、なぜ警護を提供するのか? その理由は「彼女の安全に対する脅威が続いていること」とのこと。メタ社はマーク・ザッカーバーグに最も近く、シリコンバレーでも高次元の影響力を持つシェリル・サンドバーグが、いま直面している脅威の詳細までは明らかにしてはいませんが、「2023年6月まで、民間の警備員がサンドバーグの自宅や旅行先で警護を行う」ということが同「ロイター通信」記事にはつづられています。

メタ社の執行部は2022年6月に、シェリル・サンドバーグが14年間にわたるCOO職を退任すると発表しました。そうしてサンドバーグは同年9月30日付けで社員として退任したものの、引き続き取締役には留まります。が、そこには不穏な動きが見え隠れしています。

サンドバーグへの「脅威」は会社のリソースの私的利用疑惑と関係か?

サンドバーグの退任については、「過去に彼女と恋愛関係にあったアクティビジョン(Activision Blizzard ※)のCEOボビー・コティックに対する否定的な報道を阻止しようと、会社のリソースを利用した」という疑惑が、2022年4月に「ウォール・ストリート・ジャーナル」で報じられたことを受けての決断…との噂もあります。

また2022年6月には、「サンドバーグが自身の結婚式の計画のために、同社のリソースを使っていた」という疑惑をメタ社が調査していたことも明らかになりました。また、「サンドバーグが長年にわたり彼女のスタッフを個人的プロジェクトで働かせていた」とした過去の行動についても調査しています。

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シェリル・サンドバーグ
Kevin Dietsch//Getty Images
夫トム・バーンサルと

サンドバーグのメタ社COO退任の決断は、このメタによる調査が明るみに出たのとほぼ同時期に発表されました。ですが、メタ社のスポークスパーソンは2022年6月に「この調査はサンドバーグの退任とは無関係である」と述べていました。

サンドバーグはメタ社退職後、自身の「リーン・イン」財団を通じての慈善活動と女性の権利に関する問題にフォーカスする予定であり、他のどの団体のCEO職にも就かないとしています。2022年8月にはケルトン・グローバル(Kelton Global ※)元CEOのトム・バーンサルと結婚しています。 

広報・広告の領域を担当し、フェイスブックの凋落したイメージを大きく改善した貢献者と見られる一方で、社内の軋轢(あつれき)も報じられていたサンドバーグ…。退職をきっかけに、実際メタ社内部で何が起きていたのか? 今後、次々に明るみに出るかもしれず、彼女の動向を含め注目が集まっています。

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