ゲームの仮想現実内でプレイヤーキャラクターが死亡すると、現実のプレイヤー(ユーザー)の肉体も死に至る。このような流れは、ディストピア映画のストーリーにありそうなものですが…。実際これは、VRゲーム会社「オキュラス社」の創業者パルマー・ラッキー氏が現実に開発した、一風変わった(実際は、その言葉だけではすまされませんが…)VRヘッドセットのコンセプトです。
川原 礫(れき)氏によるライトノベルであり、小説の他にも漫画化・アニメ化・ゲーム化・テレビドラマ化などさまざまな展開が行われている『ソードアート・オンライン(SAO)』。この作品に登場する殺人VRデバイスである「ナーヴギア」からヒントを得たパルマー・ラッキー氏は、「『仮想空間での失敗が現実世界に重大な影響を及ぼす』というSFストーリーの定番とも言えるコンセプトを反映したハードウェアを、今回開発した」とコメントしています。
パルマー・ラッキー氏は、ブログに「現実とバーチャルのアバターを結びつけるというアイデアに、ずっと魅了されてきました。即座に賭け金を最大レベルまで引き上げ、バーチャル世界とその中のプレイヤーとの関わり方を根本的に考え直させるものです。グラフィックが進化していけば、見た目の上ではリアルになるかもしれない。でも、深刻な結果の脅威こそが、ゲームに参加しているすべてのユーザにとって、ゲームをより現実的に感じてもらえることが可能になると思うのです。現実世界のスポーツが、賭け金の利害関係で繰り広げられてきた長い歴史があるように、それと同様に賭け金が存在するのに、これまで探求されてこなかったビデオゲームにおけるメカニズムの領域に関しての話になります」と、つづっています。
「まず良いニュースとしては、われわれはリアル世界における『ナーヴギア』を開発し、製造しようとしている真っ最中であるということです」と、彼は続けます。さらに、「そして悪いニュースとしては、そのリアルな『ナーヴギア』における死に至らしめるところの技術に関して、まだ半分ほどしか見えていないということです」と、書き込んでいます。
ラッキー氏は、「3つの爆弾が搭載されたヘッドセットを考案した」と説明したうえで、「このヘッドセットは、ゲーム中の赤い閃光を感知するセンサーと連動して『ゲームオーバー』画面が表示されたときに、爆発する仕組みになっている」と説明しています。
さらに今後は、爆発機能を作動させないとヘッドセットが外せないといった、「不正」ができない機能の搭載も検討しているそうです。
「現時点でこれは、ゲームデザインにおける未踏の道を思い起こさせるオフィスアートの1つに過ぎません。ですが私の知る限り、実際にユーザーを殺害する最初のVRデバイスの類(たぐい)となるでしょう。そしてこれが、最後の作品になるというわけでもありません」と、ラッキー氏は締めくくっています。
このことは、「驚くべき不吉なこと」とまで皆さんいかないはず…。そう、つまりは「実際にあり得る話」とも言えるのです。
Source / Men’s Health US
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。