「食べ物に例えるなら、うちの服はお総菜。ご飯のような何にでも合う服は世の中にいっぱいありますが、それに合わせるお総菜を提案したい。それも他では味わうことができない、おいしいお総菜を。セレクトショップを卒業し、古着やメゾンブランドに向いてしまった方にも、もう一度セレクトショップの楽しさを味わってほしいんです」と語るのは、今最もお洒落なセレクトショップとして人気の「レショップ」コンセプター兼バイヤーの金子恵治さん。

日本未上陸のブランドや別注モノ、希少性の高いヴィンテージアイテムなどを中心に取りそろえ、目の肥えたお洒落グルマンをうならせる服のお総菜屋さん。金子さんはここの料理の達人だ。その一方で、3年前より定番品と言えるご飯的存在のオリジナルレーベル「エルイー(LE)」もスタートさせた。

「定番といえども、時代とともにアップデートは必要です。例えばエルイーのレギュラーカラーシャツは、身幅4種 × 着丈3種の計12サイズ。スウェットシャツは身幅3種 × 着丈3種の計9サイズ。新作のハリントンジャケットは、身幅3種 × 着丈2種の計6サイズを展開しています。これだけのサイズバランスがあれば、どんな体型でもフィットするものが見つかるでしょうし、今どきのサイズ感も体験することができます」と金子さん。

綿谷寛
Hiroshi Watatani
ブランドスタート時から販売されている定番のブロードシャツ。身幅だけでもスリム、スタンダード、ワイド、エクストラワイドの4タイプあり、さらにそこからショート、スタンダード、ロングの3つの着丈から選べる驚きのラインナップ。通常の既製服ではかなわない、自分らしいサイジングをとことん追求することができる、まさに服好きのための新発想です。各1万7600円(エルイー/レショップ渋谷店 TEL 03-6712-5770)

「定番は一生もん」とばかり、十年一日(じゅんねんいちじつ)の如し同じヤツを着続けてしまうのは、トラッド野郎の悪癖。ちょっと耳の痛い話だ。ご飯だって新米の炊き立てが一番おいしいように、定番アイテムもアップデートさせないとね。ところで、ハリントンジャケットと言えば、名優スティーブ・マックイーンと高倉健が愛用したことであまりに有名!

で、彼らのようにカッコよく着こなしたいのだけれど、マックイーンや健さんというより『男はつらいよ』のさくらの旦那の博になっちゃう…。手強いぞ、ハリントンジャケット。「僕なら素材感を大切に足したり引いたりして、答えがゼロになるようさりげなく着こなします」と、金子さんからのアドバイス。それが下のイラストだ。確かに進化したトラッド。博ではない。

綿谷画伯がたどり着いた、
進化した今の
トラッドスタイルがこちら
綿谷寛
Hiroshi Watatani
金子さんが所有する、ヴィンテージのブルックス ブラザーズのハリントンジャケットをベースにデザインされた今季の新作。オリジナルの着丈が一般的なものよりも長いロングタイプになっており、他にはないそのバランスに金子さんは着こなしやすさを感じたのだとか。カラーはカーキとネイビーの2色展開。3万1900円(エルイー/レショップ渋谷店 TEL 03-6712-5770)

●問い合わせ先/
レショップ渋谷店
TEL 03-6712-5770

(メンズクラブ2022年4月号より)
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