「水とか空気はあって当たり前だけれど、なくては困る必要不可欠なもの。そんな究極のベーシックと言える服をつくりたいのです」

と語るのは、ザ クラシック、デザイナーの田中 健さん。イギリス発のファッションブランドでメンズラインデザイナーとして経験を積み、2019年にザ クラシックをスタート。2020年春夏シーズンよりコレクションデビューを果たした新進気鋭のデザイナーだ。

水や空気のような究極のベーシックウェアとはなんぞや? 2022年春夏コレクションを拝見しながら田中さんにお話をうかがった。

「一応肩書はデザイナーではありますが、やみくもにデザインはしたくありません。もっと言えば、毎シーズンテーマを決めてコレクションを発表するようなこともしたくない(笑)。ボクがつくりたいのは、時代を超えて長く生き続けた服をベースに、今考えられる最高の生地と仕立て、縫製でアップデートした服です」

このブルーのバンドカラーのシャツが気になりました(下イラスト)。一見普通なんだけど、胸元にヨダレ掛けのようなモノが付いてる(笑)。しかも、前ボタンはあるけど被りだ。

綿谷寛
Hiroshi Watatani
庭仕事をする際に、ホコリや葉っぱが体の中に入り込むのを防ぐため、前開き部分にマチが付けられたガーデニングシャツ。生地は世界最高峰と名高い、デヴィッド&ジョン アンダーソンのもの。張りがありながらもシルクのような手触りで、色合いはとても鮮やか。「第2ボタンまで開けて、マチ部分をドレープさせて着るのがおすすめです」と田中さん。4万2900円(ザ クラシック TEL 03-6433-5121)

「ガーデニングシャツですね。生地はスコットランドのデヴィッド&ジョン アンダーソンです。細番手の糸を使用し、柔らかな肌触りが特徴の最高級シャツ地です。これをフラシ芯でナチュラルに仕上げました」

ぜいたくですね。素肌にラフに着て、ガーデナーハットを被って庭いじりをしたら粋だな~。まるで映画のワンシーンみたい♡

田中さんがつくる服は無地のものが多いけど、無地って誤魔化しが利かないから素材や仕立ての良しあしがハッキリ出ますね。このタープ色(ブラウンがかったグレイ)のギャバジンのポンチョとグルカパンツもいいな。これに合わせるインナーはやっぱネイビーのポロシャツですよね。

「ネイビーだと昔ながらのトラッドに…。ここは同系のタープ色のポロシャツを合わせていただきたいです」

トラッド進化への道はまだ遠い…。

綿谷画伯がたどり着いた、
進化した今の
トラッドスタイルがこちら
綿谷寛
Hiroshi Watatani
ヴィンテージのグルカパンツのディテールを参照にしつつ、ゆとりのある腰周りから強めのテーパードを入れ、品のあるトラウザーズ型に仕上げられたブランドを代表する一着。打ち込みがしっかりとしたギャバジンの、美しいハリとコシのある風合いが上質さを物語ります。パンツ4万2900円、コート9万4600円(2点共ザ クラシック/ザ クラシック TEL 03-6433-5121)

●問い合わせ先/
ザ クラシック
TEL 03-6433-5121

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※メンズクラブ2022年5月号掲載記事の転載です。掲載内容は発売日時点の情報となり、価格の変更や売り切れの場合がありますので、最新情報については問い合わせ先よりご確認ください。