「小学生のときにアイビーに目覚めて以来50年余。アメカジ→アメリカントラッド→ブリティッシュトラッドと、骨の髄まで米英トラッドが染みついている64歳コンサバ野郎のボク。今さら大きくスタイルは変えられない(変えるつもりもない)けど、とはいえ、時代の空気に合わせて多少はアップデートしたいし、若い方(特に女性。笑)から一目置かれたいスケベ心もある。

そんなボクの胸の内を見透かしてか、「ぜひ画伯に知ってほしいブランドがあります」と担当O君が案内してくれたのは、目黒区青葉台にあるフィグベル。

「うちは若い方ばかりでなく、50代以上の方も買いに来られますよ。自分のスタイルがあって、ご自身が似合うものをよくわかってらっしゃる。そういうお洒落な大人に気に入っていただけたらうれしいですね」と語るのは、ディレクターの東野英樹さん。

〝ニュークラシック〟をコンセプトに、古き良きアメリカンカジュアルやアウトドアウェア、ワークウェアなどを現代的にモディファイ。時代にフィットした街着として、素材からパターン、ディテールを編集し直したという。

綿谷寛
Hiroshi Watatani
オーセンティックな靴づくりにおいても定評のあるフィグベル。今シーズンの新作で綿谷画伯が特に気に入ったのは、こちらのボックスカーフを使ったモカシンシューズ。ともすると野暮ったくなりがちなタイプの靴ですが、ラストをオリジナルで製作し、大人が履くのにちょうどいいすっきりとした見た目に仕上げています。ソールには実用に優れたコマンドソールを採用。7万9200円(フィグベル/プロッド東京 TEL 03-6427-8345)

なるほど。いい意味で野暮ったさを残しつつ、ヴィンテージにはない色みや素材使いが新鮮だ。

「画伯。これ着てみてください」と、東野さんがすすめてくれたのは上品な黄色のフィッシャーマンズブルゾン。

「私は釣りが趣味なのでこの手のアウトドアウェアが好きですが、さすがにガチのやつは街着にはちょっと。そこでポケットなど、雰囲気のあるディテールは残しつつ、パターンや生地を見直しました。ドリズラージャケットのように気軽に羽織ってほしいですね」

この日のボクの格好は、スウェットにリーバイスの501、オールデンのスエードブーツと、いつもの代わり映えしないアメカジだけど、確かにフィッシャーマンズブルゾンを羽織ったらちょっと今風になったぞ(笑)。

「1点今の服を加えるだけで十分アップデートしますよ。若い子には真似できない大人のトラッドも素敵です」

春だね~。なんか女の子と食事したくなっちゃった。調子に乗りすぎ!?

綿谷画伯がたどり着いた、
進化した今の
トラッドスタイルがこちら
綿谷寛
Hiroshi Watatani
ヴィンテージのフィッシングジャケットを街仕様に再構築した、ユニークな一着。釣り竿を固定するためのループや、背面に付けられたゲームポケットなど、元のデザインの名残を感じさせるディテールがポイントとして利いています。生地にはコットンシルクとウールモヘアを織り上げたポプリン素材を使っており、サラッとした肌触りが特徴。6万9300円(フィグベル/プロッド東京 TEL 03-6427-8345)

●問い合わせ先/
フィグベル
TEL 03-6427-8345

公式サイト

※メンズクラブ2022年6月号掲載記事の転載です。
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