スイスの高級時計マニュファクチュール、IWCが表参道に新たなブティックをオープンしました。表参道の交差点に建つ2フロアの路面店です。2024年3月16日(土)のオープン当日は、俳優の町田啓太さんらがテープカットに参加し、会場は華やかなムードに。

「Esquire日本版」は、セレモニー終了直後の町田さんを取材。現在出演中の大河ドラマについて、愛用する時計について、そして“時”について…。その場を華やかに照らすオーラをまとった男は、一言一句ていねいに言葉を選びながら思いの丈を語ってくれました。


大河ドラマ『光る君へ』は、『源氏物語』を著した紫式部(演:吉高由里子さん)を主人公に平安時代の壮大な物語を描いています。このドラマでは、後の世代に大きな影響を与える文学作品の誕生とともに、藤原道長(演:柄本 佑さん)への思いを抱きつつも、自らの信念を貫き、時代の制約の中で懸命に生きた女性の姿を追います。

この作品で町田さんが演じているのは関白・藤原頼忠(演:橋爪 淳さん)の長男で、道長と同い年の上級貴族・藤原公任(ふじわらのきんとう)。和歌や漢詩、管弦に秀でた一流の文化人であり、平安時代を代表する歌人としても知られる人物です。

instagramView full post on Instagram

※上にエンベットされているInstagramの投稿は、大河ドラマ『光る君へ』の公式アカウントから町田さん演じる藤原公任。和歌はもちろん、龍笛(りゅうてき)と呼ばれる雅楽に使われる楽器や打毬(だきゅう:今で言うポロのような馬術)を嗜む文化人です。

未来を見据えて今を歩む。
それは公任も時計も同じ

町田啓太さん
Munenori Nakamura

Esquire日本版(以下、Esquire):藤原公任は歌人としても名をはせ、出世では藤原道長に敵わなかったものの、高位の官職である「大納言」にまで昇進した人物です。演じるうえで特に大切にしていることは何でしょうか?

町田啓太さん(以下、町田さん):これまで大河ドラマでは『西郷どん(※小松帯刀役)』や『青天を衝け(※土方歳三役)』など、剣を携える“戦いに近い役”を演じてきましたが、今回の『光る君へ』にはそういったシーンがほぼありません。代わりに大事になってくるのが、文芸の香りや芸術なんです。

才能に恵まれた文化人として雅の世界を生きた公任の魅力を、うまく表現するために衣装や歌や漢詩など、本当にたくさんの学び事がありました。服装や所作、知性をはじめ、能力に恵まれた公任という人物像、雅の世界の時代感をちゃんと表現できたらいいなと思っています。

町田啓太さん@iwc表参道
IWC
町田啓太さん@iwc表参道
IWC

Esquire:日々撮影に臨むにあたって、言わば過去と現代を行き来しているわけですが、「時」に対する思いや感覚に変化はありましたか?

町田さん:『光る君へ』は、今から 1000 年近く前の時代が舞台です。時を旅する感覚といいますか、無限の時間の広がりを感じさせる領域の話になりますよね。ちなみに、いま役を演じるにあたってできる限り当時の文献に触れるようにしているんですが、一つすごいなと思ったのが、墨で書かれた書が今も残っているということですね。特殊なものは別ですが、プリントだとそうはいかないみたいなんです。

そういった現存している書が、今の時代にも何かを伝えてくれている。いつの時代も素晴らしい物は残っていくべきだし、後世に残るもの・後世に残そうとするものには、きっとそこに何らかの意味があるわけで…。それに気づくことのできる眼を持てる人でありたいと思っています。

例えば、この「ポルトギーゼ・クロノグラフ」。今朝も家を出るときからずっと着けていますが、この時計も同じですよね。オリジナルが発表されたときも、マイナーチェンジやアップデートがされるときも、その瞬間を捉えつつ、先にある未来も見据えながら生み出されているはず。そういう点も、なんだか面白いなと思うんです。

町田啓太さん
Munenori Nakamura
日常の多くのシーンで“手放せない存在”とたたえる「ポルトギーゼ・クロノグラフ」。「『町田くん、ポルトギーゼ着けてるんだね』といった具合に、話題になることも多い時計なんです」

Esquire:いま話に挙がったIWCの「ポルトギーゼ・クロノグラフ」についてうかがいます。町田さんが普段から愛用される腕時計ですが、どんな点が魅力ですか?

町田さん:まず圧倒的に着けやすいですね。それは、実際に肌に触れたときの快適さという着けやすさもそうだし、ファッションとの相性という面においても。自分は茶系やカーキ系などアースカラーの服を着ることが多いのですが、「ポルトギーゼ・クロノグラフ」は服になじみながらも、時計自体の個性もちゃんと主張してくれる気がします。

そしてなにより、知性を感じさせる時計で、フォーマルもカジュアルもこの時計に任せられます。着けていて幸福感がありますし、そう感じさせるということは、それだけ心を込めてひとつひとつ大切につくられているからこそなんですよね。そんなつくり手の心を感じられて、幸せな気分で過ごせています。

町田啓太さん
Munenori Nakamura
まちだけいた◎1990年7月4日生まれ、群馬県出身。2010年に第3回劇団EXILEオーディションに合格。同年、舞台『ろくでなしBLUES』で俳優デビュー。2014年、NHK連続テレビ小説『花子とアン』で主人公の義弟役を演じ注目を集める。主な出演作に、ドラマ『テッパチ!』『フィクサー』、映画『ミステリと言う勿れ』、Netflixシリーズ「幽☆遊☆白書」などがある。

Esquire:なるほど、町田さんにとっての「ポルトギーゼ・クロノグラフ」、ひいてはIWCの時計とはエモーショナルな存在であるこがわかりました。では、もし「時計を選ぶという行為」と「役を演じること」に何かしらの共通点があるとすれば、それは何でしょうか?

町田さん:「自己投影」であり、最後は「自分の心に従う」ということでしょうか。もちろん、演技も時計も、他の人からどう見られるかを気にする向きもあるのかもしれません。ですが、演じることも時計選びも表現の一つだとすれば、その対象を深く深く掘り下げていった後、最後は自分の心に素直に従うということが共通点なのかもしれません。それは決してエゴイスティックに役を演じるというわけではなく、最終的に表現として残るのは、「自分がその役とどう向き合えているのか」が問われているのだと思っています。


アートギャラリーのような空間も。都内3店舗目のIWCブティックがオープン

町田啓太さん@iwc表参道
IWC
モデルの立野リカさん、IWCブランドディレクターのマニュエル・ブランデラさんとともにテープカットを行った町田さん。「表参道駅を出てすぐという絶好のロケーション。ここからIWCが発信されるというのはとても楽しみですね。街のランドマーク的な存在になりそうですね」と話します。
iwc表参道
ShinPhotoWork
iwc表参道
ShinPhotoWork

今回新たにオープンしたIWCブティックは、1階と2階の2フロア展開。ポップアップストアやアートギャラリーのような開放的な空間が広がります。1階は展示スペースとなっていて、IWCにまつわる企画展が常時開催されます。その企画内容は定期的に入れ替わるので、訪れるたびに新しい発見も。現在は伝説的時計デザイナーとして知られるジェラルド・ジェンタ氏が1970年代に製作したオリジナルの「インヂュニア SL」にインスピレーションを得た新作、「インヂュニア・オートマティック 40」がフィーチャーされています。

2階はブティックエリア。大きなガラスケースのディスプレイにIWCのコレクションが並びます。ラウンジスペースを二つ備えていて、じっくりと時計を試着したり、コレクションに深く浸ることも可能です。

CMO(最高マーケティング責任者)のフランツィスカ・グセル氏は「常設ブティックと企画展示のためのポップアップスペースを組み合わせることで、ブランドの革新的なスピリットを新鮮かつダイナミックな形でお届けします」と語ります。最新のIWCの息吹を感じに、足を運んでみてはいかがでしょうか。

iwc表参道ブティック
IWC
企画展などが開かれる多目的な1階とブティックスペースの2階からなるIWC表参道ブティック。ビルの上部に設置された大きなLEDスクリーンは歩行者の目を引きます。

IWC表参道ブティック
住所/東京都港区北青山3-5-25
電話/03-4570-4455
時間/12:00~20:00(月~金)、11:00~19:00(土・日・祝)

●問い合わせ先
IWCシャフハウゼン
TEL/0120-05-1868

公式サイト