猛暑日にさいなまれた日本列島…。しかし、いよいよ夏休みも本番です。エキゾチックなビーチへの逃避行、もしくは海に浮かぶ島への週末の小旅行など、あなたも計画されていることでしょう。そんな旅の最高目的のひとつ、それは、まだ味わったことのない美味しい食を満喫することも含まれていませんか?
ところが、ものすごく楽しみにしていた旅先でのご馳走を前に、食欲を刺激されないとなったら、さあどうでしょう? ちょっと味わったり、もしくはそのことを想像しただけで、具合が悪くなるのです。ご当地グルメを楽しむかわりに、吐き気、疲労感、苛立ちに苦しめられてしまったとしたら…。
旅先で襲ってくる「便秘(Vacation-induced constipation=以下、VIC」は、旅行中に味わう胃腸の変調の一例に過ぎません。そもそも、「旅先では食欲が減退する」という人々も少なくないようです。せっかくの楽しい夏休みに、なんという邪魔でしょうか。
「実は、とてもよくあることなのです」と説明するのは、ニューヨーク大学ランゴンメディカルセンターの胃腸の専門家デビッド・ポッパーズ博士。
いったい何が原因で、そしてどうすれば回避できる問題なのでしょうか? 心の底から休暇を満喫するために、旅先で快調な胃袋と過ごすための“秘訣”をここでお教えしましょう。
◆どうして旅先で食欲が減退してしまうのでしょうか?
旅先では、あなたは日常の習慣どおりに動くことはまずないでしょう。そもそも、それがリズムを崩す一因となります。
良くも悪くも、旅にはストレスが付いて回るものなのです。「不慣れな空港まで迷ったりしながら、どこか見知らぬ土地へと出かけ、観光して興奮を覚える…それらすべてがストレスに繋がる」と、ポッパーズ博士は言います。
例えば、その正反対の反応を示す人々も、また存在するのです。「旅に出ることによって性欲が高まり、また、それが適度な運動となって減量にも繋がる」というように、旅に出ることによって健康状態を好転させるという人々も少なくないという研究結果もあるのですから…。
これは日常習慣が損なわれることにより、体が抵抗反応を示すために起こります。「カテコールアミン(Catecholamine)」という、日ごろ私たちの活動をサポートするアミノ基が結合した形の化合物のバランス変化によって引き起こされるのです。
闘争・逃走反応という自律神経系の働きを確保すべく、体が自動的に血液の供給先を心臓、肺や筋肉などに調整してしまうことで、食欲や排泄が制御されてしまうわけです。
もともと不安を感じやすい胃腸のデリケートな人々は、特にこのような状態に陥りやすく、旅先での食生活や睡眠不良、時差ボケ、脱水症状なども問題を悪化させてしまいます。「これは誰にでも起こり得ること」と、ポッパーズ博士は説明します。
「脳と内臓には、驚くほど密接な関係があるのです。ですからストレスを覚えると、モノがのどを通らなくなるという人もいるのです」」とポッパーズ博士。
◆旅先における胃腸の問題を回避するためには、どうすれば良いでしょうか?
「週末のビーチでは、きっと食欲を失いそうだな」と心配なあなたは、日常どおりの習慣をなるべく維持し、それによってリラックスできるように心がけると良いでしょう。
ヨガや瞑想など良いかもしれません。ですが、そのような習慣のない人は、とにかくなんでも良いので日どろ行っていことを、旅先でも行えば良いのです。好きな音楽を流すのも良いですし、いつものテレビ番組を観るのも良いでしょう。
「実際に、いままでも旅先で食事などの問題に悩まされてきたという方は、毎食の記録を取るようにし、カフェインやアルコール、体に合わない種類の野菜などを回避するよう心がけるだけで改善されます」と、ポッパーズ博士は提案します。
ご当地の珍しい食材や料理は避けて、食べ慣れたものを好みのままに食べるのも効果的だそう(これは、旅の醍醐味が失われるので少し難しいかもしれませんが…)。
「自分の体については、自分自身がもっともよく知っています。その知識こそが、あらゆる症状に立ち向かうための最大の武器なのです」とポッパーズ博士。体の声に耳を傾け、気を楽にもつように心掛けさえすれば、ロブスター・ロールやストロベリー・ダイキリもきっと楽しめることでしょう。
それでは、素敵な夏休みを!!
From Men’s Health
Translatio / Esquire Digital
※この翻訳は抄訳です。