衣替えする=ワードローブをキレイに整理すると言う、方程式が頭に浮かぶかと思います。ワードローブを整理するということは、サッカー監督におけるチーム運営と似たような要素があるのではないか!? と…。

サッカーの監督たち…格好いいスタイル

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 よく言われていることですが、ファッションとは男性にとってあまり馴染みのないトピックと言えるかもしれません。つまり厳密に言うと、男性はファッションにこだわり過ぎなのです。素敵な服を身に着けることと、ベッドの上に様々なアウトフィットを並べて、思い悩むこととは別ものなのです。

 しかし、好むと好まざるに関わらず、何かをうまくこなすためには、少しの気遣いが必要であります。それはつまり、以下のことを、少なくともビジュアル化できる(したい)ようにならなければいけないことを意味しているのです。自分が持っているアイテムのスタイリング法、何がマッチして、何がマッチしないか、何を買う必要があり、何を捨てまたは完全に葬り去る必要があるのかを頭の中で整理しなくてはなりません。

 ワードローブを管理するのは、それほど難しくはないはずですが、苦戦しているあなたにアドバイスであり告白したいことがあるのです。

 私は、20代前半のころから、自分のクローゼットにある服を空想上のサッカープレーヤーの一陣とみなしてきました。ちょっと待ってください。ここで投げ出さないで、私の話をもう少し聞いてください!

 ヨーロッパのサッカークラブのヘッドコーチのように、私は自分の“登録プレーヤー(服)”をじっくりと見続けます。若手(新しい服)のバランス、熟練プレーヤー(古いお気に入り)、特別にスカウトした新メンバー、または移籍市場から安価で入籍した者(1月セール)などという風に…。 

 まず腰から下は、“ディフェンス”に該当します。サッカー界で成功するチームは、確固としたディフェンスがあってこそ成り立ち、この部分をケチってしまうと、リスクを伴うことになってしまうのです。靴は、ディフェンスの最後尾に当たるセンターバックの位置づけになります。ここでは、経験がものを言う。だからこそ、長い年月愛用できるクオリティに投資する意味があるのです。ズボンはサイドバックです。ディフェンダーとミッドフィルダーの間を連携するポジションですね。最初は機能的な役割を果たすものの、場合によっては“攻撃のアクション”を起こすことも可能なのです。

ニコ・コバッチの着こなし

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現役時代、守備に定評があったニコ・コバッチ(クロアチア)。彼のスリムパンツに紳士的な黒い皮靴のスタイリングに文句言う人はいないことでしょう。

 サイドの中核にもなり、きわめて重要なミッドフィールドの役割を果たすのが、Tシャツ、シャツ、プルオーバー。

 4バックの前に陣取ってほとんどの仕事をこなし、目立たない“縁の下の力持ち”的な役割から、ゲームテンポを自分で決めるミッドフィルダーに至るまで、活躍の幅が広いポジションなのです。

 次はジャケットやブレザーです。

 これらのアイテムは、アウトフィットを様変わりさせることができます。これらは創造力豊かで大胆なプレーヤーであり、それは入場料を払ってでも見たい選手にも該当します。これらの“選手”は最高の結果を引き出すのに苦戦する場合もあり、特別な注意やケアを行ったり、さらには、しばらくそっとしておく必要もあります。けれども、一瞬のうちにゲームを変えてしまう能力も持っているのです。

ドイツイケメン監督ヨアヒム・レーブの着こなし

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今や世界最高の指揮官として名高い、こちらのスタイリッシュな男はドイツ代表のヨアヒム・レーブ監督。ヒューゴ ボスのスーツがとても似合います。

 コートは、“輝かしい足”を持つストライカーと言えます。フットボールのようなスタイリングは、ウィンターゲームのようなものである。そしてフットボールのように、すべてが結果ありきなのです。

 当然のことながら、素晴らしいアイテムは安くありませんが、クオリティのあるオーバーコートはある意味“二流”であり、欠けている面を補ってくれます。つまり質の悪いコートは、そこまで仕上げたあなたの努力をすべて水の泡にする可能性を秘めているのです。

 これまでの話のなかで、ゴールキーパーはどのアイテムになるのか? と思っているあなたへ…。その答えは、ソックスとパンツの引き出し(クローゼット)の中身全てに値するのです。彼らは喝采を浴びることなく、期待されることなく、独り寂しくトレーニングをしています。普段はほとんど気づかない優れたものながら、何か間違ったことが起きたときは、その過ちをきれいに覆い隠せる頼りがいのある存在です。

フィリッポ・インザーギ監督の格好いい着こなし

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現役時代はユベントス(イタリア)などでゴールを量産し続けた、“スーパー・ピッポ”ことフィリッポ・インザーギ。現在、ACミランの監督を務めている彼ですが、この白シャツが最も似合う監督の一人として挙げられることもあります。

 さて、なぜ私はこのように手の込んだシステムを使っているのか? 当然、そんな疑問が浮かんでいるのではないでしょう? そして、それは何かしらの心理カウンセリングでも受けているような気分だろうか?

 もしかしたら、少し風変りかもしれない(特に、こんな大騒ぎをした後で、私が空想上の記者会見を開いているところを想像したなら、なおさらですが…)が、少なくとも、これまで無味乾燥で機能重視で、馴染みのない話題だったものが、少しは楽しめるものに変わったのではないでしょうか。

 現在、私のワードローブ内で形成するチームは、頭でっかちな不安定な状態なのです。たくさんの高価なストライカーは戸棚の奥底に押し込まれ、その多くが“試合”を今かと待ち受けています。そして、これらの状態が優勝を目指しているチームに、不均衡と不協和音をもたらすことを私たちは知っています。

◇まとめ

 ここで、私はレッスンの締めくくりに厳しい決断を下す必要に迫られています。いくつかの“ビッグネーム”にチームを去ってもらうつもりなのです。一方で私のディフェンスは高齢化し、第一候補の4バックを超える存在を猛烈に必要としています。お金のかかる春夏シーズンが到来しそうですが、長期と短期の両方において、役立ついくつかのアイテムに注目しているのでした。

 サッカーの世界と同じように、服の世界でもマネージイングの仕事に終わりはないのです。

Source / ESQUIRE UK
Translation / Spring Hill, MEN'S +
※この翻訳は抄訳です。