2021年12月10日、今年で42回目となる「2021-2022年 日本カー・オブ・ザ・イヤー」が発表されました。

ノミネート対象となるのは、2020年11月1日から2021年10月31日までに日本国内で発表された国内外の乗用車です。選ばれたクルマには、翌年新たな大賞車(イヤーカー)が決まるまで、その称号が使われます。そういった事情もあって、名称に「2021-2022年」という冠がつけられています。

今年は29台の中から、60名の選考委員の投票によってまずは上位10台が選ばれ、その後、最終選考へと進みます。最終選考で最も多くの票を獲得したクルマが、2021年から2020年における「イヤーカー」という称号を与えられるのです。また、その年を代表するクルマとなる「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が日本メーカー車だった場合には、海外メーカー車で最も多く得票したクルマに「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」が与えらることになっています。

選考委員は自動車評論家やジャーナリスト、自動車と造詣の深い著名人など。今年の顔ぶれの中にはテリー伊藤さんや松任谷正隆さん、フリーアナウンサーの安東弘樹さんなど、自動車好きの著名人もお名前を連ねていました。選考委員は、日本カー・オブ・ザ・イヤーに加盟するメディアの代表による実行委員会が選考します。

最終発表会にはオンラインで参加!

最終選考に残ったクルマ10台は「10ベストカー」と呼ばれ、投票前には選ばれたクルマを集めて試乗する「10ベスト試乗会」が行われます。選考委員は試乗し逃したクルマの乗り心地を試したり、投票に向けた最終確認を行います。メーカーにとっては、そのクルマの特徴をアピールできる場でもあります。もちろん、これらは徹底した感染対策のもとで開催されました。

選ばれたクルマの発表は選考会会場でメーカーやインポーターの関係者、選考委員、実行委員、報道陣が多数集まる盛大なもの。ある意味、自動車業界のお祭り的な色合いもあるイベントですが、現在のコロナ禍を受けて最終選考会の開票と発表の模様は2020年からオンラインでの開催に切り替わっています。

発表会場には、「10ベストカー」に選ばれたクルマの関係者がそれぞれ5名ずつと、実行委員、このイベントの関係者というミニマムな人数で行われたようです。…というわけで、私を含めた選考委員などはオンラインでの参加となりました。

さて、今年の「10ベストカー」は?

まずは気になる、今年の10ベストカーをご紹介していきましょう。

トヨタ「GR86」/スバル「SUBARU BRZ」
 
Keishi Okuzumi
トヨタとスバルの共同開発で話題を呼んだスポーツカー。
トヨタ「MIRAI」
 
Keishi Okuzumi
スタイリッシュになり、全方位進化した水素燃料電池車。
トヨタ「ランドクルーザー」
 
Keishi Okuzumi
国内外で高い注目を集める陸の王者。
日産「ノート」/「ノート オーラ」/「ノート オーラNISMO」/「ノート AUTECH CROSSOVER」
 
Keishi Okuzumi
豊富なバリエーションの日産渾身のコンパクトカー。
ホンダ「ヴェゼル」
 
Keishi Okuzumi
話題性抜群でスタイリッシュなSUV。
三菱「アウトランダー」
 
Keishi Okuzumi
独自路線で進化したPHEV。
BMW「4シリーズ(クーペ/カブリオレ/グランクーペ/M4クーペ)」
 
Keishi Okuzumi
最新のフロントグリルに美しいボディスタイルを持つ、スタイリッシュな「4シリーズ」。
シボレー「コルベット」
 
Keishi Okuzumi
圧倒的な存在感と迫力のスポーツカー。
メルセデス・ベンツ「Cクラス」
 
Keishi Okuzumi
艶めかしいボディに最新の装備が満載。
フォルクスワーゲン「ゴルフ」/「ゴルフ ヴァリアント」
 
Keishi Okuzumi
世界が注目するコンパクトカーのベンチマーク。

今年は特に審査に苦労しました…

日本カー・オブ・ザ・イヤーの公式サイトには、「選考委員は対象車についてコンセプト、デザイン、性能、品質、安全性、環境負荷、コストパフォーマンスなどを総合的に評価して選考する」と記載されていますが、今年10ベストカーに選ばれた10台は方向性の違うクルマばかり…。何をクローズアップするかによって、どれが「イヤー・カー」に選ばれてもおかしくないクルマばかりでした。

私も6~7年前から選考委員を務めさせていただき、毎年かなり悩んで投票していますが、今年の審査は過去にないほどに難しいものとなりました。責任重大! それは他の選考委員の方々も同じだったようです。

私のカーオブザイヤーの選考は、「私(I)のではなく私たち(We)が幸せになれるクルマ」を選びたいと思っているので、選考にはユーザーの反応や話題性や注目度、実際の販売状況なども考慮して検討しました。

悩みに悩んで私が選んだのは、ホンダ「ヴェゼル」。“幸せってなんだ?”と思ったときに頭に浮かんだのは、「ヴェゼル」のテレビCMでした。まさに、あのCMはCMソングと楽しそうな映像の効果は大きいのですが、何と言ってもスタイリッシュなフロントマスクはインパクト大。さらに室内も広いし、お値段も289万8500円からとリーズナブルなSUVです。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
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そして、今年の栄冠は…?

 
Keishi Okuzumi

さて、今年の結果ですが、イヤーカーに選ばれたのは日産「ノート」/「ノート オーラ」/「ノート オーラ NISMO」/「ノート AUTECH CROSSOVER」でした。

多くの選考委員が評価したのは、新開発のプラットフォームと進化した第2世代e-POWERの組み合わせで味わえるスムーズなモーター走行を手ごろな価格で体感できることと、バリエーションの多さでした。「ノート オーラ」では質感の高さを、「ノート オーラ NISMO」ではスポーティな走りを、さらに「ノート AUTECH CROSSOVER」ではアクティブ性能が高く評価されたようです。

今回のように票がバラけるときは、多くの人からまんべんなく高い票を集めたクルマが強い傾向にありますね。そして、何より魅力的な国産車が多かったです。それを実感した2021-2022の「日本・カー・オブ・ザ・イヤー」でした。

日産は「リーフ」以来、10年ぶりの受賞となりました。日産ファンにとって明るいニュースになったのではないでしょうか。

受賞結果や各選考委員の配点などは、日本カー・オブ・ザ・イヤー公式ホームページでご確認いただけます。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
2021 - 2022 日本カー・オブ・ザ・イヤー最終選考会
2021 - 2022 日本カー・オブ・ザ・イヤー最終選考会 thumnail
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ちなみに、他の各賞を受賞したクルマは以下となります。私のYouTubeでも10ベスト試乗会の模様は公開していますので、こちらもご覧くださいませ。

    これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
    あなたならどれ選ぶ?今年の一台はどの車に?「日本カー・オブ・ザ・イヤー2021-2022 10ベスト試乗会」 #吉田由美ちゃんねる
    あなたならどれ選ぶ?今年の一台はどの車に?「日本カー・オブ・ザ・イヤー2021-2022 10ベスト試乗会」 #吉田由美ちゃんねる thumnail
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    2022年はたくさんの新型車が登場しそうなので、今から楽しみです!


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    TATSU YUASA

    カーライフ・エッセイスト
    吉田由美

    2月23日、岩手県生まれ。短大在学中に「ミス渋谷」、「ミス・チェッカーモータース」、「準ミス・エチュード」など、10個以上のミスコンタイトルを受賞。卒業後、本格的にモデル活動をはじめる。1998年より、モデル業とともに日産ドライビングパークで、セーフティ・ドライビング(安全運転講習)のインストラクターに。3年間務めた後、現在は「カーライフ・エッセイスト」として、著書、雑誌、ブログなどの執筆活動を行っている。