ハリウッド俳優エドワード・ノートンが17世紀に実在し、その後神話化されたネイティブ・アメリカンの酋長の娘ポカホンタスが、彼の曾祖母から数えて12世代前の先祖であることが判明したことを「CNN」はじめ各メディアが報じています。

エドワード・ノートン ポカホンタス
Three Lions//Getty Images
ポカホンタスの肖像画

PBSの家系図バラエティー番組『Finding Your Roots』の2023年1月3日(火)放映の“Hidden Kin(隠された親族)”(第9シーズンのエピソード1)というタイトルの回にて、歴史学者で司会者のヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニアは長年の彼の家族にまつわる噂が事実であることを確認し、ノートンに説明します。「あなたは、12番目の曾祖母と曾祖父、ジョン・ロルフとポカホンタスに直接つながるルーツを持っていることは間違いありません」と。

ポカホンタスは17世紀初頭に、現在の米国に移住してきたイギリス人たちを出迎えました。伝説によれば、彼女は仲間によるジョン・スミス船長の処刑を自分の頭を彼の上に置くことで止めさせ、彼の命を救ったと言われています。

エドワード・ノートン ポカホンタス
Kean Collection//Getty Images
ポカホンタスが死刑を止めるシーンを描いた絵

ゲイツによれば、その後の1614年4月5日に二人はバージニア州ジェームズタウンで結婚し、その3年後にポカホンタスはイギリスのグレイヴゼンドで、ロルフは1622年3月頃に亡くなっていることが、資料から明らかになったそうです。これを受け、ノートンは「人間の物語全体から見て、自分がいかに小さな存在であるのかを実感させられる」と語りました。

そして有名人のファミリーヒストリーをたどるこの番組は、これだけでは終わりませんでした。家族の闇の歴史も明らかに…。ノートンの曽祖父の3世代前の先祖ジョン・ウィンステッドという人物は、55歳の男性と37歳の女性、加えて4、6、8、9、10歳の少女5人を含む奴隷の家族を「所有」していたことも発覚。

『Finding Your Roots』に出演する前に自分の祖先を調べたという53歳のノートンは、家族の歴史のその部分は「自分には受け入れがたいものだ」と表明しています。そして次に、「自身の身内が奴隷を所有していたという事実が記されたcensus(センサス=国勢調査・日本で言う戸籍にあたる情報も記載されている)を見たときの気分はどうか?」と尋ねられると、映画『ファイト・クラブ』では精神を病んだエリートを演じ、『ナイブズ・アウト: グラスオニオン』では億万長者役に扮した俳優はこう答えました。

「簡単に言えば、不快以外のなにものでもありません。この事実は、誰もが不快感を抱くに違いないことです」と。そしてこうも続けます。

「その不快感は自身の人生に対しての判断というよりも、この国の歴史に対する不快感です。何よりもまず、わたしたちはこの事実を認めなくてはならない。そのうえで、取り組んでいく必要があります」と…。さらに個人的な思いとして「slave aged eight(8歳で奴隷に)"なんて記載を見たら、死にたくなるだけだ…」 と言いました。

ちなみに同第9シーズンのエピソード1では、まず最初に『プリティ・ウーマン』のジュリア・ロバーツのファミリーヒストリーについても掘り下げられています。