「あなたにとって、大好きなスーパーヒーローとは誰ですか?」…人生のどこかで、こんな問いにぶつかったことが何度かあるのではないでしょうか。
そして、そのときどきによってあなたの答えも、さまざま変化していたことでしょう。あるときはスーパーマン、またあるときはスパイダーマン、そしてアイアンマン…などなど。そして改めて訊(き)かせてください。「最近のあなたにとっての、スーパーヒーローは誰ですか?」と…。
この10年間でスーパーヒーロー映画が大流行となり、今まで知らなかったスーパーヒーローも加えて続々と登場していきました。そんな流れに乗ってしまったあなたは、実は最も興味深い背景を持つスーパーヒーローの存在を忘れたりしてはいないでしょうか?
そう、それが「バットマン」です。
1939年にDCコミックスでデビューして以来、バットマンはさまざまな評価を受けてきました。なにより、まずは、「ブルース・ウェイン」(こちらのほうが本名とも言えますが…)という彼の別名を思い出してください。彼は裕福な実業家であり、プレイボーイであり、かつ慈善家であり、ゴッサム・シティの市民を何度も救うためにコウモリの耳とマントを身につけなければならないのです。また、両親を殺された復讐のために戦い、さまざまな犯罪者たちには標的とされ、忙しい日々を送っています。
長年にわたって、そのキャラクターは映画を通じて模索されてきました。映画のシリーズは1960年代に始まり、映画化にはバラつきこそありましたが、バットマンはスーパーヒーローの世界で安全な地位を確保する方法を見出しました。
2022年公開となる『THE BATMAN-ザ・バットマン-』では、ロバート・パティンソンがバットマンを演じています。言わずもがな、2022年最も期待される映画のひとつであることは確かです。そこで皆さん、2022年3月11日(金)と迫る公開日まで、“「バットマン」シリーズ映画マラソン”として、私たちが忘れてしまったかもしれないバットマンのさまざまな姿を再確認しておきませんか?
そこでEsquireエスクァイアではリリースの年代順で、全てのバットマンの映画をラインナップしました。ぜひ皆さん、この紹介にならって鑑賞を重ねていってください。
― アダム・ウェスト時代 ―
バットマン(1966年)
バットマンに詳しい人なら、“アダム・ウェスト”という名前は必ず聞いたことがあるでしょう。私たちがよく知っているスーパーヒーローとは180度違う、ウェスト版のキャラクターは、おちゃめで楽しく、おもちゃのようなガジェットやクルマなど、子どもでも楽しめるものでした。
― マイケル・キートン時代 ―
バットマン(1989年)
ティム・バートンが監督に就任したことで、現実とフィクションの間を狙ったような画面づくりが発揮され、さらに監督独自の作風である「異形への愛」も加わっています。そんなわけで、この作品で「バットマンの世界がいかに奇妙なものであるか…」を初めて感じ得た人も少なくないでしょう。そんな中、マイケル・キートン版バッドマンは柔和でありながら静かなるシリアスさを包括した、魅惑あふれるキャラクターで描かれています。さらに際立った存在感を放つ、ジャック・ニコルソンによるジョーカーも見逃せません。
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バットマン リターンズ(1992年)
ずばり、「バットマンは、今後もシリーズ映画として続くだろう」と予感させた作品と言えます。キャットウーマンをミシェル・ファイファー、ペンギンをダニー・デヴィートが演じています。これを観れば、キートン版バットマンが人々を映画館に引き寄せるほど愛されるようになった理由が理解できるはずです。
― ヴァル・キルマー時代 ―
バットマン フォーエヴァー(1995年)
続いて、ヴァル・キルマーがバットマンとして主役を演じる番です。この作品は、スーパーヴィランであるトゥーフェイスとリドラーが、ゴッサム・シティに住む人々全員の頭脳から機密情報を引き出そうとするのをブルース・ウェイン(バットマン)が阻止しようとする物語です。なぜ彼らはこんなことをするのか? その黒幕を知るため、バッドマンは街中を探し回るのです。
さまざまな評価が下される中、この映画はすぐに興行的な成功を収めました。しかしながらそれには、Seal(シール)の名曲『Kiss From a Rose』がサウンドトラックにあったから…という可能性もあります(大いに!)。
― ジョージ・クルーニー時代 ―
バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲(1997年)
ジョージ・クルーニーが黒いマントを身につけるという、なんとも奇妙な配役だと今でも不思議に思えます。この作品はバットマンとロビン(クリス・オドネル)が、Mr.フリーズ(別名アーノルド・シュワルツェネッガー)とポイズン・アイビー(ユマ・サーマン)に戦いを挑むという筋書き。北アメリカ(東部から中部にかけて)には実際に、「ポイズン・アイビー」と呼ばれる近づいただけでも皮膚に面倒な症状が出るほど毒性の強い植物が生息しています。特にキャンプの際には「気をつけるべき」と言われており、まさに彼女はその植物のような存在です。
そんな彼女はバットマンにとって最も永続的な敵の一人であり、(もちろん、「悪名高い」という形容がつきますが)エコテロリストなのです。絶滅の危機にある種や自然環境を保護することが目的の大前提に存在しているところも、現在では見逃せない存在です。この機会にぜひとも再確認を。
― クリスチャン・ベール時代 ―
バットマン ビギンズ(2005年)
そしてようやく、時代はミレニアル世代も知っているバットマンの登場となります。
クリスチャン・ベール版ブルース・ウェインは若く、無鉄砲で、黒衣の救世主にならざるを得ないところまで描かれています。その理由は、ゴッサム・シティの市民を恐怖に陥れる、実に恐ろしいキリアン・マーフィーの存在です。クリストファー・ノーラン監督の3部作はバットマンシリーズの中でも特に人気が高いと言えます。その皮切りとなったのがこの作品であり、その素晴らしさを予感させる素晴らしい出来だったのです。
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ダークナイト(2008)
この作品は、「バットマン映画史上最高の作品」と言っても過言ではありません。
クリスチャン・ベールの演技はもちろんのことですが、ヒース・レジャー扮するジョーカーの演技力もこの作品の完成度を高めています。それに加えて、ひねりの効いた脚本、見事な特殊効果などなど…すべてが見事にマッチした結果と言えます。
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ダークナイト ライジング(2012年)
ヒース・レジャーの早すぎる訃報は、この作品にも大きなダメージを与えました。しかしながらこの3部作は、何とか続けなければならなかったのです。
クリスチャン・ベール時代のフィナーレを飾るものとして製作された本作は、ブルースがスーパーヴィランのベイン(トム・ハーディ)の人質になったゴッサムの市民を救おうという物語です。
おそらく多くのバットマンファンは、これが3部作を締めくくるのにベストな方法だとは思わなかったかもしれません…が、『ダークナイト』が残したすべての未解決の問題がこの作品で解決されることとなったのは事実です。
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― ジェイソン・オマラ時代(アニメ) ―
サン・オブ・バットマン(2014年)
もしかしたら、このようなアニメ映画が存在することさえ知らない人もいるかもしれません。ここで、バットマンの声を演じるアイルランド人俳優、ジェイソン・オマラの名を抜かしてはいけません。
このアニメ映画では、ブルースは悪の組織デスストロークと戦わなければならず、突然、彼の人生を変えるような事実を知ることになります。それは、なんと彼には、スーパーヴィランの1人であるラーズ・アル・グール(彼女もまた、世界の環境を完璧なバランスに守ることを目的とする国際的な犯罪者)の娘タリア・アル・グールとの間に生まれた、ダミアンという息子がいた…ということです。
バットマン VS. ロビン(2015年)
この作品では、バットマンの息子ダミアン(5番目のロビン)も中心的人物となります。息子は父親(バットマン)の言いつけを守らず、夜もバットマンと共にゴッサムシティへと向かいます。
さらに父親が定めた、「人を殺してはいけない」という法律にも賛成できず、次第に父親がやってはいけないと言ったことをすべて行おうとするように…。親子の関係性が最も鑑賞できる作品となっています。
バットマン:バッド・ブラッド(2016年)
『バットマン vs. ロビン』の続編とも言える作品です。ここでは、ダミアンが行方不明(ネタバレごめんなさい)の父親に代わって悪と戦います。この作品では、主要なキャラクターも集結します。
バットマン ハッシュ(2019年)
これまで公開された映画の中で、この作品のトーンに近いと感じるものがあるとすれば、それは現在(2022年2月)上映中の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でしょう。バットマンを狙う謎のストーカーを中心に、バットマンの悪役たちや意外な仲間たちが登場します。
― ベン・アフレック時代 ―
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016年)
ここからは最もメルヘンチックなバットマン、ベン・アフレックになります。
彼は歴代バットマンの中でも特に、「受け入れることができないバッドマン」と言われているかもしれません。確かに、彼はこの役を楽しんでいるようには見えませんでした。ですが、そんな話をここでしても仕方ありません。この映画は2013年の『マン・オブ・スティール』の出来事の後に設定され、スーパーマンが必ずしも"スーパー"ではないということを、一般大衆に納得させようとするブルースの姿を描いています。
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スーサイド・スクワッド(2016年)
バットマンの知名度が高いだけに、ブルース・ウェインが主演ではなく、「カメオ出演にとどまる」ということは意外な話ではなかったでしょうか。しかしながら、この『スーサイド・スクワッド』はそれを実現させ、ベン・アフレックはクレジット中盤のシーンに登場しているのです。
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ジャスティス・リーグ(2017年)
ベン・アフレックが演じるバットマンに迫ります。『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』 の続編となる本作では、スーパーマンが死んだあと、その穴を埋めるべくバットマンが自らのスーパーヒーロー集団を結成します。
― ウィル・アーネット時代 ―
レゴバットマン ザ・ムービー(2017年)
2014年に大成功を収めた『レゴ・ムービー』のスピンオフ作品として、スーパーヒーローがおもちゃのカタチで観ることができる、実も興味深い作品でもあります。
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― ロバート・パティンソン時代 ―
THE BATMAN-ザ・バットマン-(2022年)
世界中で旋風を巻き起こしたバンパイア映画、「トワイライト」シリーズのスターであるロバート・パティンソンが率いる次の時代のバットマンを観るには、2022年3月11日(金)の公開まで待たなくてはいけません。彼は実際、この役柄にふさわしいのか? 正直なところ人々は、まだそのことを知り得ていません。しかしながら、期待は大いにできそうです…。
― 番外編 ―
ジョーカー(2019年)
厳密には、これはバットマンに関する映画ではなく、最も有名なヴィランの一人に関する映画です。しかしこの映画には、若き日のブルース・ウェイン(ダンテ・ペレイラ=オルソン)が出演しているので、このリストの番外編として紹介しておきましょう。
Source / ESQUIRE US
※この翻訳は抄訳です。