アカデミー賞作品賞候補『落下の解剖学』恐るべきポイント8
殺人か事故か―—夫殺しの疑惑と男女の悲哀。カンヌ国際映画祭最高賞受賞作にしてオスカー候補である『落下の解剖学』、第96回アカデミー賞を前にその魅力をあらためて振り返ります。
恐るべき作品。『落下の解剖学』ほどぐったりする作品はありません。
『落下の解剖学』(劇場公開中)
疑念の中に<落ちて>いく――。
人里離れた雪山の山荘で、男が転落死した。男の妻に殺人容疑がかかり、唯一の証人は視覚障がいのある 11 歳の息子。これは事故か、自殺か、殺人か―。証人や検事により、夫婦の秘密や嘘が暴露され、登場人物の数だけ<真実>が現れるが――。