何年の時間が経過したら、"クラシック"と呼ばれる存在になるのでしょうか? 10年? 20年? いや100年? クロックスやバンダナのように、どれだけ年季が入っていてもクラシックにはならないものがあることもわかっています…。
詰まるところ、クラシックは憧れのステータスなのです。クラシックであるということは、年齢を感じさせないということなのです。そしてクラシックなものは、流行の曲線に屈することなどありません。その上のはるか先を飛んでいくのです。ローファーも、シャープなネイビースーツも、ストレートジーンズも…。私たちは、これらのものをいつまでも楽しむことができます。
そして今、このカテゴリーにおそらく(間違いなく)トレーナー(イギリス英語で運動靴)が加わったと言えるでしょう。
何十年もの間、きちんとした革底の靴に代わるカジュアルな靴は、劣等感を抱かれていました。反抗的な10代の若者が履くものと、オフィスでも履ける靴が肩を並べていいのでしょうか? そうこうしているうちに。そんな反発的な10代の若者たちも今では立派な大人となり、かつてより自由に…好きなものを着てオフィスへも行くことができるようになりました。
そして1984年10月15日に発売された「Air Jordan 1(エア ジョーダン1)」も、そんな彼らとともに成長してきたのです。この30年以上もの間、ほとんど変わらずに存在している製品が売れ続けている(そして買われ続けている)ということは、それこそが「クラシックの定義」と言えるのではないでしょうか。
1984年に発売された「エア ジョーダン1」は、マイケル・ジョーダンのためにつくられたバスケットボールシューズで、当時彼はシカゴ・ブルズで活躍していました。その後は33回のモデルチェンジを経て、「エア ジョーダン1」は今でもナイキの代表的なトレーナーの1つとして支持されています。何年にもわたって複数のカラー、復刻版、再販版、デザイン変更が行われてきましたが、「エア ジョーダン1」はシャフトレングス(筒丈)が高く、ややボックスシルエット。シンプルであるという点では、ほとんど変わりませんでした。
そうしてこのたび、非常にフォーマルな色合いの "ボルドー "の新モデルが発売されることになりました。
これまでの「エア ジョーダン 1」を振り返れば、このシリーズに夢中な「ディオール」のメンズアーティスティックディレクターであるキム・ジョーンズがデザインした「エア ジョーダン 1 OG ディオール」も過去に誕生しており、そのスウッシュにはメゾンのモノグラムがあしらわれたデザインが施されていました。2020年の発売時には瞬く間に完売してしまい、現在はStoxckXなどの二次流通サイトで100万円前後という高値で取引されています。
これは、ハイプビーストカルチャーが健在だということの証拠でもあります。さらに言えば、他のスニーカーの価値がピークに達したり下降したりしている中で、「エア ジョーダン1」の知名度は高まる一方なのです。
とは言え、"クラシック"のステータスを獲得したスニーカーは、「エア ジョーダン1」だけではありません。アディダスの「スタンスミス」、コンバースの「チャックテイラー」、ニューバランスの「990」、リーボックの「クラシック」なども、これに当たります。他のスタイルが生まれては消えていく中で、これらは一貫してシンプルでスタイリッシュという魅力を持ち続けているのです。
しかし、上記にあげたスニーカーの中でも、「エア ジョーダン1」は最も愛されている不朽のスニーカー・デザインのひとつです。
(スニーカー用語で言うところの)ボルドーのカラーウェイは、これまでの成功例にあまり手を加えていないようにも見えます。白を基調に、ワインのように深みのあるレッド系を配しています。この「エア ジョーダン1」は一足買えば、最高のダブルモンクストラップやお気に入りのネイビーブルーのスーツと同様に、さまざまなシーンで履きこなすことができるでしょう。現在の文化では、それ以上の存在になるかもしれません。
Source / ESQUIRE UK
※この翻訳は抄訳です。