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かつて「結婚式」と言えば、クラシックなスーツと同義であった時代もありました。しかし幸いなことに、現代のブライダルファッションの可能性は拡大…結婚式を彩るスタイルの選択肢は、今や驚くほど増えているのです。

ですが、そのために新たな問題が生まれました。選択肢が増えれば増えるほど、「迷いもまた増える」ということです。というわけで今回は新郎のためのスーツなど、現在のトレンドを確認すべくまとめてみました。

お読みいただければ、もう何を身に着けるべきか? いつどのように着用すればよいのか? 迷いを少しは和らげていただけることを期待します。スタイルを打ち出し、結婚式当日を華やかに盛り上げていきましょう。クラシックなスーツと時代とは一線を画すスタイルを、ここでいくつかおすすめします。

「モーニングスーツ」と「燕尾服(テールコート)」:失敗の無い定番アイテム

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© RAMON SANJURJO

結婚式のような舞台では、トレンドを意識すると言ったところで普段の日常通りという訳にはいかないでしょう。伝統の踏襲(とうしゅう)とは、すなわちリスク回避にも役立ちます。

昼間の結婚披露宴、もしくは昼下がりの教会での結婚式のような舞台においては、知っておくべきプロトコルとでも呼ぶべきものが存在します。伝統的なあれこれを好むという人であれば、ここは間違いなく「モーニングスーツ」がおすすめです。

「モーニングスーツ」と「燕尾服」の違いは?

「モーニングスーツ」とは、前裾から後ろ裾にかけて曲線的にカットされたコートを合わせるスタイルを指します。これは「昼間の正礼装」です。一般的には結婚式の新郎、新郎新婦の父親、入学・卒業式の教職員が着用するものとして知られています。

同じ正礼装でも夜(18時以降)に着用する「燕尾服」は、燕の尾のようにカットされたコートが特徴的です。もしドレスコードに、「ホワイトタイ」と指定あった場合は燕尾服を着用するといいでしょう。

流行り廃りのないクラシックな装いは、ゲストとの差をつけるのにも最適です。立会人以外のゲストであれば、スーツでの参加が一般的でしょう。正式な場においては、クラシックなものが力を発揮してくれます。斬新な衣装も良いですが、そちらは別の機会に譲りましょう。フォーマルさとユニークさとを兼ね備えたスタイルで、特別な1日を演出するのです。

色を加えて、差をつける

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© RAMON SANJURJO

結婚式のファッションとして発展的な進化を遂げた要素があるとすれば、それは新郎新婦の色彩のバリエーションの増加でしょう。

かつてであれば、紺かグレーが王道でしたが、現在ではよりファッショナブルに、マルーン、ダークグリーン、ライトブルーなど…さまざまなバリエーションが楽しめるようになりました。会場がビーチなのか? 山村なのか? また、時間が日中なのか? 夜間なのか? 厳かな教会なのか? 友人とのカジュアルなパーティーなのか? で、選択肢は変わるものです。

べストが勝負を分ける

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© TASSO MODA

べストこそ、新郎のスタイルを際立たせるのに大きな役を担います。ベストなら、結婚という特別な日のためにあつらえた特注スーツにこめられたクラシックかつフォーマルな美学を損なうことなく、確かな存在感を放ってくれるのです。チェック柄、花柄、パステルカラー、刺しゅうのモチーフ…思いつく限りのべストを検討に加えるといいでしょう。

特にオーダーメイドするのであれば、あらゆるバリエーションが可能です。必要なのは準備だけ。自分の個性を反映した、ウエディングスーツスタイルが手に入れることができるでしょう。

タキシードの人気が上昇中

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© RALPH LAUREN

タキシード姿の新郎が増えているのをご存じでしょうか。クラシックな黒から洗練された白、冬であればベルベットのタキシード、パワフルな色のジャケットに黒のパンツを組み合わせても良いでしょう。

そのように、さまざまなバリエーションを楽しむのが最近のトレンドです。ですが、タキシードは正式には、あくまでも「ディナージャケット」であることを忘れずに。イブニングの挙式専用のオプションであることを頭に入れておいてください。

準礼装である「タキシード」

一般的に「タキシード」とは、(「モーニングスーツ」「燕尾服」と比べると)準礼装として夜を中心に着用されています。最近では、昼間のフォーマルな場でも着用される傾向もあることは確かです。もし、ドレスコードで「ブラックタイ」とある場合は、タキシードを着用するのが基本となります。

クラシックな定番スーツは、条件付きの安全策

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© ANGLOMANIA

「凝ったことは性に合わない」という人には、クラシックなスーツという選択肢が用意されています。流行り廃りのない、間違いのない定番アイテムと言えるでしょう。

ここでひとつ気をつけなければならない点を頭に入れておきましょう。他のゲストとの差をつけなければならない!? というときには、「細部にまで気を配る必要がある」ということです。参加する男性ゲストの多くがスーツ姿である可能性が高いわけですから、その中に紛れ込んでしまい新婦が迷子になってしまわぬよう、できるだけディテールを盛り込み、普段より色やデザインに工夫を凝らすよう心掛けてみましょう。

モダンな感性を生かす、そのタイミングと舞台は?

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©DIOR

あなたがモダンな美意識の持ち主であり、トレンドに敏感な感性の持ち主であるなら…。そんな「古典的な新郎像には共感できない」という考えの持ち主にも、おすすめのスタイルがあります。

昨今の結婚式では、多くのことが許されているのです。もちろん、披露宴などは新郎新婦ふたりのスタイルに見合うものであることが重要です。社交性を重視した挙式の後に気心の知れた友人たちとパーティーを行なうというのであれば、その機会を最大限に活用し、自身の趣味に合ったスタイルを現代的に着こなしてみればいいのです。

そこではジャケットにTシャツ、お気に入りのトレーナーでもいいでしょう。また、靴下に関しても自由に選択すればいいのです。

日中の披露宴であれば、明るい色彩を…

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© GIO RODRIGUES

かつては避けられがちだった明るい色調のスタイルですが、近年ではトレンドとしてすっかり定着しています。日中の結婚式、夏の披露宴、ビーチでのパーティーなどに最適なのが鮮やかな色彩のスタイルです。

華やかさとナチュラルさを兼ね備えたパステルトーンのスーツなど、ファッショナブルなオプションとして広まっています。フォーマルでエレガントな場においても、素晴らしい役割を果たすことがすでに証明されています。

ツートンカラーのスーツ

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© FELIX RAMIRO

近年の新たな傾向というべきでしょうか、新方式と呼んでも良いかもしれません。スーツのジャケットのみ、他のアイテムと異なる色彩のものを選ぶというスタイルも定着しつつあります。まずはべストとパンツの組み合わせを決め、その上にまとうジャケットでコントラストを生むのです。伝統に囚われることなく、違いを見せるというのも在り方のひとつです。

細部を疎(おろそ)かにしない

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© ANGLOMANIA

新郎のスタイルに明らかな違いを生み出すためのトレンドと言えば、アクセサリーをおいて他にありません。

人生における最も特別な日なのですから、カラフルなプリントのネクタイ、それに合わせたポケットチーフ、個性的なボウタイ、チェックやペイズリー柄のべストやサスペンダー、目立つ色彩のソックス、そしてなにより、完璧な1足の靴は欠かすことができません。すべてを足し算で考えましょう。このような華やかな場面においては、カラーに統一感をもたせれば、アイテムは多くてもやりすぎには見えませんので。

【参考用に】セレブが着こなすフォーマルからカジュアルまで

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これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
タキシードの選びと着こなしを学ぶ【基本編&応用編】|動くMEN'S CLUB | Esquire Japan
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※以上、「エスクァイア」スペイン版でファッションジャーナリズムを専門にするライターのマリア・マルティネス氏が、スペインにおけるブライダルファッション事情を語りました。日本の皆さんもこれを参考に、良識がありながらも自分らしいブライダルファッションを模索してください。

Source / Esquire ES
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。