非の打ち所のない身のこなし、控えめな性格、そして、仕立てのいいスーツ姿を選ぶ肥えたセンス…他の誰よりも、見(魅)せる能力に長けている男、レッドメイン…。

 そんな長所ばかりを持ち合わせるの彼は、かつてのイギリスにあったことを思い起こさせる人物なのです。

Eddie Redmayne
Getty Images

  
 
 そんな彼のスタイルに関して、最新の情報をお伝えしましょう。それは本人とよ~く似たスタイルであり、実に英国らしいノスタルジックな魅力を放っています。

 現在、37歳となったレッドメインは、2019年3月5日(現地時間)にロンドンで行われた「Into Film Awards」の授賞式に、おじいさんのワードローブの中から引っ張り出してきたとも一瞬思えるアイテムを着て、登場しました。そのアイテムとは、フェアアイル柄とも言うべきVネックヴェストでした。
 
 ここでフェアアイル柄を説明しますと…英国スコットランドのシェットランド諸島のフェア島(Fair Isle)を発祥とする、400年以上も編み続けられている古典柄になります。 ケルト文化と北欧文化などの異文化が混在したようなカラフルな多色使いとともに、数段にわたって幾何学模様が連なります。これは 1920年代に、イギリスの皇太子プリンス・オブ・ウェールズ(のちのイギリス王エドワード8世、のちのウィンザー公爵)がゴルフ等で着用して広まったとされています。 

 この伝統的な柄をモチーフに、「グッチ」のクリエイティブ・ディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレ氏の手によってリファインされた、ラグジュアリーなセーターやヴェストが、今シーズン再びホットなアイテムとして急浮上しているのです。

 それはフェアアイル柄ばかりではなく、アーガイル柄も…。そして、70年代のテレビのシチュエーションコメディにも出てきそうな色の取り合わせも含め、長らく愛されてきたクラシカルなアイテムたち…やはりクラシック回帰のトレンドは本物のようです。
 
 話は戻りますが、『ファンタスティック・ビースト』シリーズで主役を務めるレッドメインだけが、このようなヴィンテージ風Vネックヴェストを着ていたわけではありません。2018年夏にはライアン・ゴズリングが、やはりVネックヴェストを着て、人前に姿を見せていました。

 彼が着ていたのはもっと明るい色目のもので、それをツーピースと重ね着していました。それに対してレッドメインは、Vネックヴェストを素肌に着こなし、その上にネイビーのオーバーコート、ボトムスはクラシックなジーンズとミニマルなスニーカーを合わせることで、季節の変わり目に着るのに相応しいものにしていたのです。 
 
 これはつまり、「年長者には敬意を払うべき」という人生の教えと同じことを言っているのではないでしょうか。そう、それは生き方などの内面のみならず…、彼らがかつて着こなしていたスタイリングにも敬意を払うべきであると教えてくれているようです。 

 

 
 

From Esquire UK 
Translation / Hayashi Sakawa 
※この翻訳は抄訳です。


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