2021-22年冬季のメンズファッションウィークが終わりました。なので、われわれは寒い冬をどう乗り切るか?などと考えることをやめ、春の訪れを楽しみに待つことにしましょう。そこで気になる、2021年春夏のトレンドをここで確認してはいかがですか?

 しかし今日のファッショントレンドは、もはや消費者が半年ごとに新しいものを購入することを奨励するような、忙しないものではなくなりました。「新しく買ったトレンドの靴が、1年後にはもう履けなくなる…」というような現象は、すでに時代遅れの考え方になったのです。「サステナブル」や「エシカル」という言葉の浸透と共にデザイナーたちは今、服の在り方を再構築しています。1980代のような特定の時代やシルエットで遊びを加えるなどして、「サステナブル」なインスピレーションをアレンジしています。具体的なアイテムが流行るトレンドから、ある特定のスタイルがトレンドとして注目されるようになる…といった感じになるに違いありません。

 そんなわけで、2021年春夏コレクションで見られたトレンドスタイルは、今後数年間にわたって着用されるに違いありません。もう私たちは、半年に一度クローゼットを一新する必要がないとも言えるのです。

 それでは、2021年春夏のトレンドについて紹介していきます。結局のところこれらは、服という「アイテム」にフォーカスしているのではなく、「スタイル」について語ることになります。


パステルカラー

2021年春夏の5大トレンドのパステルカラールック

 春の花柄のように、通例になりつつある傾向のひとつが「パステルカラー」です。モノクロやネイビー、カーキなどの単調なパレットの中に、これらの柔らかでカラフルな色合いをワードローブに取り入れられるだけでなく、柔和なパステルカラーはコーディネートのしやすさもあります。

 例えば冬であれば、濃いグレーのパンツに淡いピンクのニットと組み合わせたり、ボトムを明るい色に変えるだけで春らしいコーディネートにすることができます。グリーン、ブルー、ベージュ、イエロー、ピンク、それからアースカラーをぜひ、ワードローブに取り入れてみてください。

ミニマリズム

プラダ 2021年春夏 コレクション

 環境問題への関心の高まりと共に、装飾しすぎたり、持ちすぎることが美徳とされない現代の考えが反映された無駄のない、シンプルで最小限まで省かれた「ミニマリズム」というスタイルにも注目です。「プラダ」が2021年春夏のコレクションで提案されたミニマリズムは、このルックを筆頭にスリムにカットされたスーツやアウター、パンツなどのアイテムが多くそろいました。しかしそれらは、スキニーパンツや数年前に流行ったようなスリムフィットのスーツのように、身体を締めつけるような窮屈なものではあるません。柔らかく、着心地の良さそうな衣服が身体に沿うようにつくられているといった印象でした。

70年代

casablanca 2021年春夏コレクション

 前述したとおり、過去のトレンドは非常に刺激的です。70年代と80年代のトレンドは特に印象的ですが、今シーズンは70年代スタイルが優勢と言えます。

 フレアパンツ、ショートパンツ、柄のシャツ、コーデュロイ、ブラウンレザージャケットなどが再び日の目を浴びています。もし両親のワードローブ(もしくはあなたのかつてのワードローブ)にそれらが残っているのなら、再び引き出してみましょう。上から下まで、完璧に70年代スタイルを再現することもできるかもしれません。ですが、新たな時代の息吹が吹き込まれたスタイリッシュなアイテムと組み合わせる…といった、モダナイズは必要です。

ワイドフィット

ermenegildo zegna 2021 ss mens collection

 デザイナーたちはコロナ以前から、ゆったりとしたしたシルエットのジャケットやパンツなどをデザインしていました。「Casablanca(カサブランカ)」、「Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)」、「Hermès(エルメス)」などでそれらを観ることができます。

 パンデミックの有無にかかわらず、リラックススタイルの波は来ていたというわけです。

ブライトカラー

versace 2021年春夏コレクション

 パステルカラーが「少し柔らかすぎるかも」といった場合には、明るい色はいかがでしょうか。ネオンカラーまではいかない、消防士のような赤やパブリカのようなイエロー、ロイヤルブルーなど、豊かな色を白・黒・グレーなどの基本的なパレット(ワードローブ)に追加してみてください。

 新しい色に挑戦してみることで、今までとは違った気持ちや印象を手に入れられるかもしれません。

Source / ESQUIRE NL