[目次]

▼ 低温調理器とは。メリットや電気圧力鍋との違いは?

▼ 低温調理器でどんなレシピができるの?

▼ 低温調理器の選び方

▼ 低温調理器のおすすめ10選

▼ 低温調理器を使う際の注意点

▼ まとめ


低温調理器とは。
メリットや電気圧力鍋との違いは?

 
Natali_Mis//Getty Images


低温調理器とは

低温調理器は肉や魚など食材を、やわらかく調理したいときに便利な調理家電。低温調理器の使い方は簡単です。食材と調味料をチャック付きのポリ袋などに入れて空気を抜き、温度や時間などを設定した低温調理器をセットした鍋に入れるだけ。セッティングを済ませたら、基本的にほったらかしておいてOKです。

調理に時間がかかると言われるローストビーフだって、短い時間で簡単に作れるでしょう。

低温調理器のメリット

低温調理器のメリットは、低温で調理することによって肉や魚に含まれるタンパク質が変性しにくくなり、やわらかくジューシーな食感に仕上がるところ。

実は、肉や魚が硬くパサパサした食感になってしまうのは、高温で調理することによって肉や魚に含まれるタンパク質が変性するためだそう。例えば、「肉に含まれるタンパク質は50〜66℃以上で変性し始める」と言われています。タンパク質が変質すると肉汁が流出し始め、その結果として肉が硬くなってしまうのです。

しかし、低温調理器はタンパク質が変性しにくい低温で調理するため、肉汁の流出阻止に働きかけます。食材の水分やうまみを保持しつつ調理できるというワケです。

電気圧力鍋との違い

低温調理器に似た調理家電に電気圧力鍋があります。電気圧力鍋とは、火を使わずに圧力調理ができる鍋のこと。手間のかかる煮込み料理などが、あっという間につくれるのが魅力です。

電気圧力鍋の中には、圧力調理以外の調理機能を搭載しているものもあります。中には、低温調理器と同じくローストビーフやサラダチキンがつくれるモデルも。しかし大半の電気圧力鍋は、細かい温度設定には対応していません。

一方で、ほとんどの低温調理器は食材に応じて温度を設定できます。パサパサしがちな肉や魚を、ちょうどよい塩梅で調理できるのです。しっとりやわらかく、ジューシーな仕上がりを目指したいなら、やはり低温調理器の方がおすすめと言えます。

なお、電気圧力鍋については以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひご一読ください

低温調理器でどんなレシピができるの?

食事
luchezar//Getty Images

繰り返しになりますが、低温調理器は肉や魚など食材をやわらかく調理したいときに便利な調理家電です。ゆえに、「ローストビーフやサラダチキン、ステーキ、チャーシューなど肉料理を作るのに向いている」と言えます。

低温調理器の中には、低温調理器で作れるレシピをまとめたレシピブックが付属していたり、そもそもレシピが内蔵されているモデルも。例えばアイリスオーヤマの低温調理器では、「ローストービーフはもちろん、鶏むねハムや鶏チャーシューなどが作れる」と謳(うた)っています。

BONIQ(ボニーク)の低温調理器では、ローストポークやサーモン・ミキュイなどに加え、ヨーグルトやプリンも調理できるそう。低温調理器が1つあれば、筋トレやダイエットに適した高タンパクな料理からレストランで食べられるような本格料理、スイーツまでさまざまなレシピにチャレンジできるでしょう。

低温調理器の選び方

 
bonchan//Getty Images

出力パワーをチェック

まずは、出力パワーをチェックしましょう。家庭用に販売されている低温調理器の主流は850〜1000Wほど。しかし中には、1200W以上のハイパワーモデルもあります。

ワット数が大きいほど食材をムラなく加熱でき、調理にかかる時間を短縮できるのがメリットとなります。一度にたくさん作りたい人にとっては、ハイパワーモデルのほうが重宝するはずです。

ただしワット数の大きさに比例して、製品のサイズも大きくなりがちです。キッチンの広さなどを考慮して、使い勝手のよいほうを選びましょう。

鍋のサイズ(対応水量)も重要

低温調理器は、水を張った鍋に浸して使います。しかし鍋が浅すぎると、きちんと作動しないことも。あらかじめ、使用できる鍋のサイズを確認しておきましょう。

ほとんどのメーカーは深さ20cm以上の鍋を推奨していますが、中には深さ10cm以下の鍋に対応している製品もあります。浅型の鍋を使いたい場合は検討してみてください。

また、水量にもチェックが必要です。具体的には、5〜10L(リットル)に対応していれば十分と言われています。ただし多量の食材を調理したい場合は、15〜20Lまで対応可能な製品を選びましょう。

鍋への取り付け方も確認すべし

低温調理器を鍋に取り付けるには、ねじ式とクリップ式という2つの方法があります。それぞれの特徴から、お手持ちの鍋にセットしやすいほうをチョイスしてください。

ねじ式はねじを締めることによりしっかり固定できるので、安定感に優れているのが利点です。鍋のふちに凹凸があってもセットしやすく、汎用性にも長けています。

クリップ式は鍋のふちをクリップで挟むだけでOK。サッと付けたり外したりできるので、低温調理器をよく使う人に向いているでしょう。

「温度」と「時間」は
細かく設定できたほうが便利

加熱温度や加熱時間は、なるべく細かく設定できた方が便利でしょう。廉価なモデルでは、加熱温度を「強」と「弱」でしか設定できないことがあります。特に本格的な調理をしたいなら温度は1℃単位で、時間は1分単位で設定できる製品がおすすめとなります。

スマホとの連携や
プラグの仕様などにも注目

低温調理器の中には、Wi-FiやBluetoothを利用してスマホと連携できる製品もあります。この機能があるとスマホから温度や時間を設定できたり、調理が完了すると通知が届いたりします。

また、プラグの仕様についても忘れずに確かめておきましょう。多くの低温調理器は海外製なので、日本のコンセントに対応していない場合も考えられます。

人気メーカーから選ぶのも1つの方法

BONIQ(ボニーク)

BONIQは2017年に誕生した、低温調理器の専門メーカーです。「低温調理を日本の食文化に」をモットーに機能性や操作性、デザイン性の高い低温調理器を展開しています。

さらに公式ホームページでは、低温調理器でできるレシピや低温調理器を使うときのルールなどが詳しく紹介されており、低温調理器をはじめて使う人にもおすすめと言えます。

アイリスオーヤマ

アイリスオーヤマは生活用品の企画や製造、販売を手がける有名メーカー。低温調理器の基本的な機能をしっかり搭載しつつも、比較的手頃な価格で購入できます。まずは「低温調理器を試してみたい」という人におすすめでしょう。

低温調理器のおすすめ10選

アイリスオーヤマ 低温調理器 LTC-01

アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) 低温調理器 LTC-01

低温調理器 LTC-01

アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) 低温調理器 LTC-01

¥10,070
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家庭でレストランのようなプロの味を楽しめる、アイリスオーヤマの低温調理器。さまざまな食材に合わせた本格調理ができます。

温度は25〜95℃まで、時間は1分〜99時間59分まで幅広く設定可能。調理が完了するとアラームが鳴る仕様なので、加熱しすぎる心配もありません。

  • 消費電力:1000W
  • 本体サイズ:幅9.0 × 奥行き13 × 高さ40.0cm
  • 最大使用水量:15L
  • 設定可能温度:25~95℃
  • 設定可能時間:1分~99時間59分
  • 取り付け方:クリップ式

BONIQ(ボニーク) 低温調理器 BONIQ 2.0

BONIQ 低温調理器 BONIQ 2.0

低温調理器 BONIQ 2.0

BONIQ 低温調理器 BONIQ 2.0

¥20,800

初代BONIQと比べて、設定温度到達までの時間が25%短縮されたハイパワーモデル。手軽に持ち運べるコンパクトサイズで、キャンプなどのアウトドアシーンで使うのに適しています。

Wi-Fiを利用してスマホと連携でき、外出先からも操作が可能です。さらにIPX7の完全防水仕様なので、丸洗いできるのも魅力。油汚れなどもすっきり落とせます。

  • 消費電力:1000W
  • 本体サイズ:幅5.5 × 奥行き10 × 高さ31cm
  • 最大使用水量:15L
  • 設定可能温度:5~95℃
  • 設定可能時間:1分~99時間59分
  • 取り付け方:クリップ式

Hismile(ハイスマイル) 低温調理器具

ハイスマイル(Hismile) 低温調理器具 Sous vide

低温調理器具 Sous vide

ハイスマイル(Hismile) 低温調理器具 Sous vide

¥13,800

Hismileの低温調理器は、深さ13.5cmの浅型の鍋にも対応しています。また、独自のクリップ設計により片手で簡単に脱着でき、使い勝手も良好と言えるでしょう。

特殊な3D設計を採用しており、水を均一に循環させられるのも強み。より正確な温度管理が可能となっています。パーツを取り外し、水だけで簡単に洗浄できるのもうれしいポイントです。

  • 消費電力:1100W
  • 本体サイズ:幅5.4 × 奥行き5.4 × 高さ33.3cm
  • 最大使用水量:20L
  • 設定可能温度:25~95℃
  • 設定可能時間:1分~99時間59分
  • 取り付け方:クリップ式

Kocokara 低温調理器

Kocokara 低温調理器

低温調理器

Kocokara 低温調理器

¥14,880

コードの長さが2mあるので、場所を選ばずに使うことができます。サビに強いSUS304素材を採用しており、お手入れもラクラク。汚れが気になるときは、サッと拭き取るだけでOKです。

フードコーディネーターの初崎麻衣さんが監修した、専用レシピが付属しているところも見逃せません。いろいろな料理をつくって、楽しむことができるでしょう。

  • 消費電力:1200W
  • 本体サイズ:幅9.6 × 奥行き39.7 × 高さ11.6cm
  • 最大使用水量:―
  • 設定可能温度:0~90℃
  • 設定可能時間:1分~99時間59分
  • 取り付け方:クリップ式

KitchenBoss 低温調理器

KitchenBoss 低温調理器

低温調理器

KitchenBoss 低温調理器

¥11,900

KitchenBossの低温調理器は、LCDカラーディスプレイを搭載しているのが特徴。また、25種類もの豊富なレシピを内蔵しています。

ローストビーフや温泉タマゴなど、さまざまな食材を調理できます。フランネル製の専用バッグが付属しており、収納にも便利です。

  • 消費電力:850W
  • 本体サイズ:幅8.3 × 奥行き6.7 × 高さ38cm
  • 最大使用水量:―
  • 設定可能温度:40~90℃
  • 設定可能時間:―
  • 取り付け方:ねじ式

アイリスオーヤマ スリム低温調理器 LTC-02

アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) スリム低温調理器 LTC-02

スリム低温調理器 LTC-02

アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) スリム低温調理器 LTC-02

Now 28% Off
¥10,600

重量わずか0.9kgと軽量で、扱いやすいところが魅力です。ギザギザ形状のクリップが鍋のふちをしっかり掴むので、浅型鍋にも取り付けられます。

クッキングガイドが付属しているため、料理のレパートリーも広がります。鶏むねハムやサーモンのコンフィといった料理にもチャレンジできます。

  • 消費電力:800W
  • 本体サイズ:幅約5 × 奥行き約10 × 高さ33.4cm
  • 最大使用水量:12L
  • 設定可能温度:25~95℃
  • 設定可能時間:1分~99時間59分
  • 取り付け方:クリップ式

ottostyle.jp 低温調理器

ottostyle.jp 低温調理器

低温調理器

ottostyle.jp 低温調理器

¥6,980

ottostyle.jpの低温調理器は1100Wのハイパワーモデルで、大きな食材でも一定の温度でしっかり加熱できるのが強み。また、目盛りがついているので、適切な水の量が一目でわかります。1分単位でタイマーが設定できる上、調理が終了するとアラームが鳴る親切設計です。

  • 消費電力:1100W
  • 本体サイズ:幅6.2cm × 奥行き8cm × 高さ34cm
  • 最大使用水量:15L
  • 設定可能温度:25~90℃
  • 設定可能時間:1分~99時間59分
  • 取り付け方:クリップ式

GLUDIA(グルーディア) 低温調理器

GLUDIA 低温調理器

低温調理器

GLUDIA 低温調理器

¥8,600

GLUDIAの低温調理器は最大1200Wの高出力で、お湯の立ち上げスピードが速いのがメリット。お湯を対流させ続けることにより、一度にたくさん調理できるのも魅力です。

さらに、全43品を掲載したGLUDIAオリジナルレシピ冊子を同梱。チャーシュー・コンフィ・温泉卵・ヨーグルトなど、これ1つで多彩なメニューがつくれます。

  • 消費電力:1200W
  • 本体サイズ:幅13 × 奥行き7 × 高さ40.7cm
  • 最大使用水量:20L
  • 設定可能温度:0~95℃
  • 設定可能時間:―
  • 取り付け方:クリップ式

GREEN HOUSE (グリーンハウス) 低温調理器 GH-SVMA

グリーンハウス(Green House) 低温調理器 GH-SVMA

低温調理器 GH-SVMA

グリーンハウス(Green House) 低温調理器 GH-SVMA

¥9,550

IPX7適用の防水設計を採用しており、浸水による故障や漏電のリスクを減らせるでしょう。スリムかつコンパクトなサイズ感なので、収納場所にも困りません。

レシピブックが付属している点にも注目です。肉だけでなく、魚や野菜などいろいろな食材を調理でき、料理のバリエーションが広がることでしょう。

  • 消費電力:1000W
  • 本体サイズ:直径5 × 高さ31cm
  • 最大使用水量:15L
  • 設定可能温度:0~90℃
  • 設定可能時間:1分~99時間59分
  • 取り付け方:クリップ式

Emperor Tamarin 低温調理器

Emperor Tamarin 低温調理器

Emperor Tamarin 低温調理器

Emperor Tamarin 低温調理器

¥14,980

業務用レベル(1200W)の出力を誇り、あっという間に設定温度に到達。調理時間を大幅に短縮できると謳っています。スタンド式なのも美点。底面に滑り止めグリップが設置されており、調理中に倒れてしまう心配もないはずです。

温度は5℃刻み、時間は5分刻みで細かく設定可能。また、プロが監修したレシピブックも付属しています。定番のサラダチキンから魚料理、デザートまでいろいろなレシピを作って楽しめるでしょう。

  • 消費電力:1200W
  • 本体サイズ:長さ32×幅5×奥行き8.5cm
  • 最大使用水量:20L
  • 設定可能温度:0~90℃
  • 設定可能時間:1分~99時間59分
  • 取り付け方:スタンド式

低温調理器を使う際の注意点

 
Hernan Caputo//Getty Images

低温調理は科学的な理論に基づいた安全性、再現性の高い調理方法です。ですが正しく行わないと、食中毒の危険性を高めてしまうことがあります。

そこで低温調理器の人気メーカー「BONIQ(ボニーク)」からは、「低温調理のルール 〜6つのポイント〜」と題して次のようなルールが提唱されています。

  • 細心の注意を払い、清潔な手と道具で調理すること
  • 新鮮な食材を用いること
  • 食材を汚染しないよう気をつけること
  • 設定温度と時間を順守すること
  • 正しい方法で加熱すること
  • 調理後に保存する場合は、冷やしておくこと

最近では、食品安全委員会からも注意が促されています。それによれば、低温調理器を使うときのポイントは次のとおりです。

  • 低温調理器を使うときは、公式ホームページに掲載されているレシピに従うこと
  • クッキング温度計を用いて、温度と時間を管理すること

ちなみに調理後は、90分以内に食べることが推奨されています。ただし、調理後すぐに食べられない場合は氷水で急冷しておきましょう。完全に冷えてから、冷蔵庫や冷凍庫で保存してください。常温で放置したり、熱いまま冷蔵庫に入れたりするのはNGです。

まとめ

低温調理器を使えば、家庭で簡単にプロのような料理を作れるはず。ちょっと特別な日のディナーや、ホームパーティなどでも活躍することでしょう。このページを参考に、ぜひぴったりな低温調理器を見つけてみてください。