これまでにも「エスクァイア・デジタル」では、「食べてはいけない!(できるなら…)食品 11選」や、「プロテイン(タンパク質)過剰摂取の顛末
、「シュワちゃん特製プロテインの中身」など、食や筋肉づくりに関する様々な記事を公開してきました。

 では、ジム通いをする人にとって、トレーニング前やトレーニング後にはどのような食品・食材を摂取すれば運動効果の上昇が期待できるのでしょうか?

 「食べる食品と食べるタイミングによって、トレーニング効果が変わる」ということは、当然のことに聞こえるかもしれません。ですが、そうと理解はしていても、ひょっとして「大した効果は期待できないのでは…?」という疑惑も抱いていることでしょう。

 ですが、その違いが「週10時間ジムで運動することによって得られるであろう効果」に匹敵するほどの差があると聞けば、いかがでしょうか? これは蔑(ないがし)ろにはできませんよね…。

 実はそういった理由からも、筋肉を誇るトレーニング愛好家たちは「筋肉はキッチンでつくられる」という真理を常に守り続けているわけです。

 ということで、トレーニングの前、そして運動後に摂るべき最高の食材をご紹介していきましょう。チキンですか? もちろん登場しますよ。なぜなら、チキンは筋肉に対して大きな効果が期待できることは否定できない事実だからです。

トレーニング前の摂取が効果的な食品・食材

トレーニング前にジムで食事を摂る男女 
Colin Anderson Productions pty ltd//Getty Images

1 | ギリシャヨーグルト

 ギリシャヨーグルトは、一般で広く売られているプレーンヨーグルトの約2倍のプロテインを含んでいます。そればかりか、亜鉛・カリウム・ビタミンB12(神経系および血液細胞に必要です)・ビタミンB6(脳などに対して良い働きがあります)といった栄養素をバランス良く摂取できることから、「栄養の宝庫」と呼ぶ人もいるほど栄養バランスに優れた食品なのです。

 さらにギリシャヨーグルトは、一般的なヨーグルト製品と比べて乳糖(ラクトース)の含有量が少なく、免疫システムを整えるのに役立つバクテリアが豊富と…良いことだらけの食品なわけです。

 ブルーベリーを上から散らせば、トレーニング前のエネルギー補給にぴったりです。

2 | 全粒粉パンにアーモンドバターを塗ったトースト

 もしかしたら、アーモンドバターよりもピーナッツバターのほうが有名かもしれません。ですが飽和脂肪の少なさと、ビタミン・カルシウム・鉄分といった栄養成分の含有量が多いという点で、アーモンドバターのほうが運動前におすすめできる食品と言えます。

 全粒粉のトーストにアーモンドバターを塗れば、ジムで運動する前の軽食にぴったりです。体脂肪を気にするがあまり、炭水化物の摂取を必要以上に気にしてしまう…そんな必要などありません。炭水化物も身体にとって、重要な成分であることもお忘れなく。

3 | ブラジルナッツ

 塩分無添加で、チョコレートコーティングされていないものであれば、あらゆるナッツ類がトレーニング前のエネルギー源として適しています。中でも王様と呼ぶべき存在なのが、「ブラジルナッツ」です。

 ブラジルナッツはバターのような濃厚な味わいが特徴で、油脂分が70%と脂質を多く含みます。必須栄養素とされるセレン(抗炎症作用に優れた栄養素です)の含有量が極めて高く、良質なプロテインの補給源として優れた食材です。

4 | ホウレン草とトウガラシのオムレツ

 栄養素を多く含む野菜の1つに挙げるなら、ホウレン草をお忘れなく。あらゆるビタミン(A・B・C・Eなど)を豊富に含んでいるほか、亜鉛・繊維質・タンパク質までも摂取できるのです。

 プロテインとビタミン豊富な卵に混ぜ、そこに消化を助ける赤トウガラシを加え、ビタミンCをさらに上乗せすれば、1日の始まりにぴったりな最強の食事メニューが完成するでしょう。

5 | スライスしたリンゴのピーナッツバター乗せ

 甘党の人に特におすすめしたい、簡単で健康的なおやつです。リンゴは抗酸化物質と繊維質が豊富ですし、ピーナッツバターはプロテインと飽和脂肪を多く含む食品です。

 このコンビネーションは加工品のプロテインバーよりも、はるかに優秀なスナックと言えるでしょう。

トレーニング後の摂取が効果的な食材・食品

運動の後にジムで食事を摂る男女
skynesher//Getty Images

6 | キヌア

 意識髙い系の健康ブロガーではありませんが、モンスター級の高栄養価を誇るキヌアをお忘れなく。SNSで#GymLifeなどのハッシュタグと共に発信されることも多い、人気の食材です。

 他の穀類と比べて倍近い繊維質を含み、穀物のタンパク質の主成分であるグルテンを除去したグルテンフリー食材としてもお馴染みではないでしょうか。プロテインと必須アミノ酸9種(トリプトファン・リシン・メチオニン・フェニルアラニン・トレオニン・バリン・ロイシン・イソロイシン・ヒスチジン)も豊富です。

 糖質は白米よりも少なく栄養価も高いので、ダイエット目的でお米をキヌアに置き換える人も少なくないようです。これは、水分を含むと膨張するキヌアの特徴を利用したダイエット方法になります。カロリー自体はお米と大差はないものの、食べる量を抑えられるので、ダイエット食材に向いていると考えられています。

7 | キウイ

 睡眠導入にも効果を発揮するので、夜のジム通いをする人にとってはありがたい果物です。豊富に含まれるビタミンCとビタミンKが血液凝固を抑えることも期待でき、さらには骨を強くする効果も大いに期待できるのです。

8 | チキンブレスト(ムネ肉)

 「何を今さら?」 「トレーニングと鶏肉の相性の良さなんて有名です」といった声も聞こえてきそうですが…。

 何よりも筋肉を愛する筋トレマニアではありませんが、鶏肉が上質なプロテインを多く含み、日ごろのビタミン不足も補ってくれる最高の食材であることに変わりありません。

 また、魚類のように、成長中の胎児に神経発達障害をもたらす可能性があるとされるメチル水銀が含まれる心配もありません(とは言え、人体内のメチル水銀はいつまでも体内に蓄積されることはないという研究結果が出ているので、通常の食生活をしている限り健康への影響はないと言えるのですが…)。

 プロテイン摂取の最適なタイミングは、トレーニング終了後45分以内とされています。これがいわゆる「ゴールデンタイム」と言われる時間です。運動後、特にこの時間帯に栄養素の吸収率が高まり、プロテインの効果を最大限に引き出せると言われています。

 チキンブレストもそのタイミングを狙い、トレーニング終了後45分以内に摂取するのが望ましいでしょう。

9 | アボカド

 アボカドは20種類ほどのビタミンと、一価不飽和脂肪酸(不飽和脂肪酸の中でも、二重結合を1つだけ持つもの。つまり、心臓に良い成分と言う研究結果を出している成分です。なので、怖がらないでください)を豊富に含みます。

 インスタ映えをする果物(野菜ではないのです)としても人気ですが、トレーニングをする人にとっても恩恵の多いスーパーフードです。栄養価は申し分ありませんが、高カロリーな食材(100グラムあたり約187キロカロリー)でもありますので、摂取する量には注意が必要です。

10 | ダークチョコレート(カカオ成分70%以上)

 ファミリーサイズのミルクチョコレートをトレーニング後のおやつに食べても問題なし…というなら、それはさぞ素晴らしいトレーニングデイとなるでしょう。しかしながらそんな夢のような世界は、もちろんないわけで…。

 その代わりと言っては何ですが、ダークチョコレート(カカオ含有量が高ければ高いほど理想的です)は、トレーニング後の糖分補給に適した食品と言えるでしょう。抗酸化物質・マグネシウム・鉄分をたっぷりと摂取できます。

 アボカド同様にこちらも高カロリーなので、食べ過ぎにはご注意ください。

Source / Esquire UK
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です。