今シーズンの最もクールなフットボールシャツを探せ！【オランダ版「Esquire」が厳選】
絶対に負けられない戦い？ そんなコピーには踊らされません。だって、負けても良い試合なんてないのだから…。でも、唯一あるとすれば、「ユニフォームのデザイン」がそれに当たるのかもしれません。試合には負けてもいいから、対戦相手よりもクールなユニフォームを…。幸運にも、2021-2022シーズンにお洒落なユニフォームをまとう7つのチームを厳選しました。
チームが弱い？ それくらい我慢できます。監督の采配にどうも納得がいかない？ 思いやりのある心で試合を見守ることにします。選手の負傷が絶えない？ 早く戦線復帰できるように毎晩お祈りを捧げます。それらは全て、甘んじて受け入れましょう。だって、自分の愛するサッカークラブですから…。
ですが、チームのユニフォームのデザインがダサい？ これは許せません。死活問題です。ファンとしてもそのユニフォームを購入して1年間にわたって応援するわけですから、センスに乏しいデザインでいいはずがありません。
できることなら、昨シーズンの嫌な記憶を忘れさせてくれるほどに胸が高鳴るデザインを。何点取られても、ユニフォームを見ればチームの不調を許せるほどに素敵なデザインが希望です。とにかく、うっとりさせてください。それが難しいなら、妥協する準備もあります。
街中で着ていても周りから後ろ指を指されることのない、当たり障りのないデザインでもまぁ許すことにしましょう。とにかく最悪でも、憎きあのライバルチームよりもイケてるデザインであってほしいのです。そんなサポーターの複雑な心理をお許しください。
その一方で、ファッショナブルなユニフォームであればしめたもの。その年1年は、うっとりしながらサッカーを楽しめるわけです。「オランダ版Esquire」は、そんな幸運に恵まれたいくつかのチームをクローズアップしています。
ニューウェルズ・オールドボーイズ（アウェイシャツ）｜アルゼンチン
リオネル・メッシが新天地に選んだフランスのプロサッカーリーグ、リーグ・アンのパリ・サンジェルマンFCの新ユニフォームは確かに素敵です。ところがあまりの注目度の高さゆえに、パリの街中はメッシの名前の入ったユニフォームであふれかえっています。
我こそは個性的なコーディネートを楽しみたいと願うなら、着眼点を少し変えてみるのも良いかもしれません。例えば現在ではなく、過去にメッシが所属したチームのユニフォームはいかがでしょうか？
となるとFCバルセロナ？ いえいえ、FCバルセロナに加入する前、彼が母国で所属していたチームがありますよね。そう、メッシの故郷のクラブである、アルゼンチンのニューウェルズ・オールドボーイズです。
かつては“神様”ディエゴ・マラドーナも1シーズンだけ所属したこのチーム。今シーズンは、この素晴らしいアウェイシャツでプレーしています。名将マルセロ・ビエルサ（現リーズ・ユナイテッドFC監督）監督が率いてチャンピオンになった、1990-1991年のシーズンを彷彿とさせるデザインです。
クラブ・アメリカ（ホームシャツ）｜メキシコ
いつも混乱するんですよね…。あれ、アメリカだっけ、いやメキシコのチームだったっけ？ 改めて整理すると、クラブ・アメリカは、メキシコの首都メキシコ・シティをホームタウンとする国内で最も人気を誇るチームです。
現在監督を務めているのは、スペインのレアル・マドリードでも活躍したサンティアゴ・ソラーリ。先ほど紹介したニューウェルズ・オールドボーイズのユースチームにも所属していた経歴の持ち主です（なんたる偶然！）。
ここ数年、ナイキとのコラボレーションで素晴らしいシャツをつくってきましたが、中でもこのシャツは歴代でもダントツです。見た目はもちろんですが、素材の一部にリサイクルされたペットボトルが使用されている点も高ポイントです。
ただし、「ボトムスポンサーが残念だな」というのが私個人の偽（いつわ）らざる感想です。ホーム・デポ（アメリカの住宅リフォーム・建設資材・サービスの小売チェーン）の皆さん、ごめんなさい…。
ヴェネツィアFC（ホームシャツ）｜イタリア
そう、かつて元日本代表の名波 浩（現・松本山雅FC監督）が所属していたヴェネツィアFCです。厳密に言えば、財政破綻により改名した上で再結成され、イタリアのプロサッカーリーグ4部に当たるセリエDから再スタートを切っています（ちなみに名波氏が在籍した当時のチーム名は、ACヴェネツィアでした）。
今シーズンは、20年振りに1部であるセリエAに復帰を果たした記念すべきシーズンとなっています。だからと言うわけでは決してありませんが、ユニフォームも素敵です。ベースのブラックにゴールドが映え、首回りと袖口にはチームカラーであるグリーンとオレンジをさりげなく利かせています。
FCバイエルン・ミュンヘン（チャンピオンズリーグ用サードシャツ）｜ドイツ
ドイツの名門と言えば、真っ先に名前が挙がるのがFCバイエルン・ミュンヘンです。新シーズンはドイツ国内では前人未踏となるリーグ10連覇が懸かっています。
とは言え、コチラはヨーロッパナンバーワンを決める大会・UEFAチャンピオンズリーグ用のユニフォームとなります。
同一シーズンにチームが3枚目、あるいは4枚目となるシャツをリリースすることは、もはやトレンドではありません（プロサッカーチームも紛れもなく商売を考えなければなりません）。それをどう思うかは自由ですが、ことユニフォームのデザインに関して言及するなら、バイエルン・ミュンヘンは良い仕事をしていると思います。
全面に描かれているのは、バイエルン地方の山々がモチーフになっています。決してコンセプト倒れになることなく、デザインとしてなじんでいる点は称賛に値します。
ACFフィオレンティーナ（ホームシャツ）｜イタリア
美しき都、イタリア・フィレンツェをホームとするACFフィオレンティーナ。ユニフォームのデザインは（ほぼ）毎シーズン、好印象な仕上がりです。新シーズンのデザインは白チェストストライプが目を引きますが、何よりも注目すべきは1980年代に使われていた往年のロゴが用いられている点でしょう。
｢永遠のファンタジスタ」として日本でもファンの多いロベルト・バッジョ氏が、若かりしときに活躍した当時と同じロゴであることを思うとその魅力も倍増します。何はともあれ、美しいクラブの美しくクラシックなユニフォームです。
アトレチコ・ミネイロ（ジュビリーシャツ）｜ブラジル
この原稿の著者であるサンダー・コレマン氏が絶賛するのが、コチラ。ブラジルのアトレチコ・ミネイロの創立113周年（数字のキリはよくありませんが…）を記念した特別ユニフォームです。
アトレチコ・ミネイロと言えば、かつてはJリーグの鹿島アントラーズでも監督を務めたブラジルサッカー界の英雄の一人、トニーニョ・セレーゾが活躍したクラブです。
白と黒のストライプのユニフォームがトレードマークではありますが、コチラはサプライヤーのルコック・スポルティフがサポーターにシャツのデザインを依頼した113周年限定の特別モデル。採用されたデザインは、ホームタウンのあるミナス・ジェライス州の地図がプリントされたものになります。
リヴァプールFC（アウェイシャツ）｜イングランド
最後にご紹介するのは、イギリス・プレミアリーグのリヴァプールFCのユニフォームです。とは言っても、おなじみの赤色のホームユニフォームではなく、アウェイユニフォーム。爽やかで品があり、イングランドのトップクラブによく似合っています。
ちなみに、2010-2011年シーズンから胸スポンサーを務めているStandard Chartered（スタンダード・チャータード）は、イギリス・ロンドンを拠点とする世界的な銀行金融グループです。
