[INDEX]

▼ 深呼吸したくなるロビーフロア

▼ くつろぎのゲストルーム

▼ 設備の整ったフィットネスエリア

▼ 点心師による本場の点心

▼ 健康志向の多彩な朝食ビュッフェ

▼ 心強い味方「ウェスティンクラブ」


今年(2024年)、開業30周年を迎えている「ウェスティンホテル東京」。大きなアニバーサリーを前に進められた大規模なリニューアルを昨年末に終え、また新たな一歩を踏み出しています。もとはエビスビールの醸造も行われていたサッポロビール恵比寿工場の跡地。それ以前は緑豊かな山手の大地が広がっていたこの土地で、今回のリニューアルのコンセプトは「継承と再生」。これまでの価値を継承しつつ、その先の未来へ向けて、“都会のウェルネスホテル”をテーマに掲げています。その進化と提供する新たな価値を求めて、実際に宿泊してきました。

ホテルはJR恵比寿駅から徒歩でおよそ7分。恵比寿ガーデンプレイスの奥にあり、その背後には目黒の自然教育園。言ってみれば恵比寿エリアの奥座敷で、大都会にありながら周囲はいくぶん落ち着いた雰囲気です。やがて重厚感あふれるエントランスを抜けると、格式高いオーセンティックな空間がダイナミックに広がり、ゲストを迎え入れてくれます。

ウェスティンホテル東京 ロビー
The Westin Tokyo

今回のステイで感じられたのは、まるで周囲と切り離されたかのような、ゆったりとした別時間がこのホテルには流れているということでした。なぜそう感じたのか? その要因は何だったのか? 2日間の滞在内容を振り返りながらご紹介します。

深呼吸したくなるロビーフロア。コンセプトは室内温室

歴史と伝統を感じさせつつ、品があってモダン。今回の大規模なリノベーションの目玉の一つが1階ロビーフロアです。エントランスからロビー、ダイニング、フロントデスクに至るまでがシームレスにつながり、屋内にいるのに圧倒的な開放感でゲストを迎えます。

1階エントランスからホテル内部へと足を踏み入れます。オーセンティックかつモダンな雰囲気に背筋が伸びる思いがしますが、同時に目に飛び込んでくるのが絶妙に配された緑の存在。植物や豊かな水脈などは、恵比寿という街の記憶を随所に表現したものだそう。なかでも特に圧倒されるのが、エントランス正面に広がる「ザ・ラウンジ」です。

中庭には生き生きとした中庭の緑が広がり、重厚感のある館内の雰囲気と相まって、落ち着きと居心地の良さをもたらしてくれました。ウェスティンブランドはウェルビーイングをテーマに掲げていますが、その期待の高まりを感じさせます。

ウェスティンホテル東京「ザ・ラウンジ」
The Westin Tokyo
エントランス正面に広がる「ザ・ラウンジ」。高さおよそ13mという大理石の柱が支える吹き抜けの空間です。以前あったラウンジへの段差をなくしフラットフロアにすることで、中庭がより身近に感じられるようになっています。天井から連なるオブジェは滝にインスパイアされたもの。
ウェスティンホテル東京 レセプション
Esquire Japan
フロントデスクの先には大きな窓が切り取られ、その奥には中庭のグリーンが広がります。
ウェスティンホテル東京
Esquire Japan
「ザ・ラウンジ」と隣り合う「ザ・テラス」。異なる用途の空間もシームレスにつながることで、空間全体にゆとりを感じさせます。ちなみにこのスペースの奥には緑豊かなテラスが広がります。

くつろぎのゲストルーム。この日は、エグゼクティブルームに宿泊

ウェスティンホテル東京 客室
Esquire Japan
この42平米という広さは、ウェスティンホテル東京の基準となるサイズ。スイートルームを除けば、全室42平米以上の広さとなります。

今回の宿泊は、クラブラウンジ(後述します)へのアクセスが付いた高層階のゲストルーム。ダブルベッドが二つ並ぶツインベッドのお部屋で、42平米と快適の広さです。ウェスティンホテルの代名詞と言えば、“雲の上の寝心地”とも呼ばれる快適性の「ヘブンリーベッド」もその一つですが、その魅力を存分に堪能できるサイズ感です。

フロアは18階。眼下にはダイナミックな都会のビル群と、その隙間を縫うような高速道路が南に向けてすーっと気持ちよく伸びていきます。すぐ近くには目黒の自然教育園の広大な緑が広がり、大都会の中にも安らぎを感じさせます。

ヨーロピアン調で白を基調とした室内は、所々にウッディの設えがアクセントとなった落ち着きのあるたたずまい。素材の良さに裏打ちされたほどよい重厚感と優しく注ぐ陽の光も手伝って、気分は一足飛ばしでリラックスモードに。日常からはっきりと区分けされた時間の流れを感じさせます。

ウェスティンホテル東京 客室
Esquire Japan
(写真左)バスルームは黒い石造の床を基調に、重厚感と落ち着きあるつくり。バスタブの他に独立したシャワーブースも完備しているので、さっと汗を流したいときや忙しい朝にも便利。(写真右)ゲストルームの壁にはこの地の自然を思わせる豊かなあしらいも。無機質な印象になりやすい空間にも落ち着きをもたらします。

ベッドサイドには、ウェスティンホテルの名物であるラベンダーの香りのバームが備え付けられています。このバームで、リラックス気分を高めて極上のベッドに飛び込む。そんな夜を楽しみにもう少しホテルの散策へ。

設備の整ったフィットネスエリア。ラン環境も充実

ウェスティンホテル東京 フィットネスルーム
Esquire Japan

最近、ゲストの間でホテル選びの条件として高まっているのが、フィットネス環境の充実度です。普段と変わらない強度で身体を動かせるフィットネスジムの有無を、滞在ホテルの条件にする人も増えてきているということ。ウェスティンホテル東京では4階に、フィットネスジム「ウェスティンワークアウトフィットネススタジオ」を構えています。エクササイズバイクやトレッドミルなどの最新機器を備え、24時間オープンで提供中。滞在中のサービスとして、BalaのワークアウトキットやHypericeのマッサージガンなどギアの貸し出しサービスもありました。

ウェスティンホテル東京 フィットネス
Esquire Japan

フィットネス関連の中でも個人的に助かったのが、ランニングシューズの貸し出しサービスでした。滞在中の利用が可能で費用は500円。しかもシューズは、スイスの人気ブランド「On(オン)」と来れば間違いなし。使用後、毎回丁寧に消毒処理がされるとあって、衛生面も気になりませんでした。

メンタルを整えるために続けているランですが、旅先でのランはいつもとは違った魅力があります。知らないエリアを自分の足で駆け抜けると、その土地に溶けていく(と言うのは大袈裟かもしれませんが)、少なくともその土地により馴染めるような気がするもの。この日は恵比寿界隈をゆっくり流してランニング。普段、取材や撮影で慌ただしく通り過ぎるこのエリアも、また違った見え方がしてきます。

点心師による本場の点心に舌鼓

ウェスティンホテル東京 龍天門
Esquire Japan

身体を動かした後、この日のディナーは広東料理の名店「龍天門」へ。龍の宮殿をイメージした荘厳なダイニングホールで、店内に一歩足を踏み入れると古代の中国文化の王宮へタイムスリップしたかのよう。この日、ここでいただくのは飲茶。それも近年のブームでもある、飲茶をワインペアリングで楽しむという特別メニュー。金魚の形に見立てた白身魚の蒸し餃子や海老と黄ニラの腸粉、五目餡入りアワビのパイなど、点心師(てんしんし)による見た目にも美しい点心を辛口の白ワインなどと一緒に楽しみます。

現在このメニューは終了していますが、訪れるたびに新たな食との出合いを提供する龍天門の懐の深さを垣間見るディナーとなりました。

ウェスティンホテル東京 エスカリエ
The Westin Tokyo
ビール工場の煙突から沸き立つ煙をモチーフとした、22階にあるバー「エスカリエ」。

食後はホテル2階の龍天門から一気に、最上階22階にあるバー「エスカリエ」へ。ミクソロジーの技術を駆使したカクテルに加え、世界でもその名を轟かすバーテンダー後閑信吾氏率いる「The SG Club」が、「エスカリエ」のために創作した7種類のカクテルやノンアルコールカクテルが楽しめます。平日とはいえほどよく埋まる席。店内に響く落ち着いた笑い声をぼんやり聞きながら、バーカウンター越しに広がる都内の夜景を眺めます。

ウェスティンホテル東京 エスカリエ
Esquire Japan, The Westin Tokyo
この日はあいにくの曇り空でしたが、高層ビルの灯りが雲を照らして幻想的な眺めを生み出していました。席はカウンターやテーブル席の他に、眺望を堪能できるカップルシートも。

健康志向の多彩な朝食ビュッフェでパワーチャージ 

ウェスティンホテル東京 ザ・テラス
The Westin Tokyo

ヘブンリーベッドで軽やかに目覚めた朝は、胃袋にも美容にも優しい朝食が待っています。1階ロビーフロアにあるインターナショナルレストラン「ザ・テラス」では和洋中幅広いメニューが用意されていて、パンはおよそ30種類、卵料理は出来立てあつあつを楽しめます。どの料理もゲストのウェルビーイングを大切にした献立で、そのうえ種類も豊富。

ウェスティンホテル東京 「ザ・テラス」朝食
The Westin Tokyo
(写真上)ブレッドコーナーは常時約30種類を取りそろえます。(写真中央)とびきりの新鮮さを味わうコールドテーブルのコーナーも。(写真下)ヌードルコーナーでは、オーダーに合わせて調理してくれます。この日は人気の担々麺を求める行列もできていました。

どれを食べるべきか…。正直言って、朝から悩みます。この日、目に止まったのは10種類以上の具材から目の前で握っていただくおにぎり。やさしく握られた高菜おにぎりは、ふんわりとしたお米の握り具合で口に入れるとやさしくほどける食感が楽しい逸品でした。お米を包む海苔からは磯の香りが立ち昇ります。

ウェスティンホテル東京 おにぎりステーション
The Westin Tokyo
おにぎりは目の前で一つずつ丁寧に握ってくれます。お米は、五つ星お米マイスターとして知られる京都の老舗「八代目義兵衛」が目利きをしたものを提供。
ウェスティンホテル東京 「ザ・テラス」
The Westin Tokyo

心強い味方となったのが最上階の「ウェスティンクラブ」

今回宿泊したエグゼクティブルームとスイートルームに宿泊するゲストがアクセス可能なのが、「ウェスティンクラブ」というラウンジスペース。元は17階にあったものを今回のリニューアルで最上階の22階へ移転。広さは425平米の広さを誇り、抜群の眺望と開放感のある空間が広がります。

ウェスティンホテル東京 ウェスティンクラブ
The Westin Tokyo

滞在中の隙間時間にここを訪れて、溜まった原稿を片づけるワークスペースに活用。さらに今後の予定を立てたり、読みたかった記事をまとめてブラウジングしたりと、日々の活動の中でこぼれてしまっていたメンテナンスにもうってつけでした。朝食やティータイム、ソフトドリンクのサービスもあり、夜はイブニングカクテルやオードブルを楽しめます。

ウェスティンホテル東京 ウェスティンクラブ
Esquire Japan
ウェスティンホテル東京 ウェスティンクラブ
Esquire Japan

ハイセンス、ハイデザインのホテルは数多くありますが、時として生身の温もりを感じにくいことも…。その点、立地する街とのつながりを自然に感じさせてくれる“地に足のついた感じ”が、深い落ち着きにつながっているように感じられました。高級感はケタ違いなのに、親しみやすくてほっとする。まさにそんなイメージ。

ウェスティンブランドが掲げる六つのウェルビーイング「Sleep Well、Eat Well、Move Well、Feel Well、Work Well、Play Well」を、私は滞在を通してひとつづつ真の意味で体感することができました。静寂に包まれ、日常とは異なる非日常の空間で過ごすことで自己と向き合い、生活を一望するような体験ができたのです。

そうして私自身もウェスティンホテル東京がリノベーションで取り組んだ「継承と再生」のテーマと同様に、過去を受け入れながら新たな自我へと進化を遂げなければ…と自分を見つめ直す絶好の2日間となりました。今後も、この場所が持つ独自の魅力に引き続き注目していきたいと思います。

●問い合わせ先
ウェスティンホテル東京
TEL 03-5423-7000
公式サイト