アメリカントラッド

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Kazutaka Tsugaoka

フランネル素材の紺ブレが、アイビーリーガーたちの制服

 "アメトラ"を代表するブレザーと言ええば、ダークネイビーのフランネル素材。3ボタンの段返りで胸はパッチポケット、脇はパッチ&フラップという、いわゆるスリーパッチ仕様で袖ボタンが2つというのもアメトラ流です。

 また、ウエストをシェイプしないボックスシルエットというのも忘れてはなりません。アイビーの王道ともいうべき装いは、タイドアップしたボタンダウンシャツにチルデンセーター、チノパンにペニーローファーが定石です。
 

ブリティッシュトラッド

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Kazutaka Tsugaoka

海軍の制服を彷彿させる貫禄のダブルブレスト

 シングルブレストのブレザーの起源がレガッタ競技なのに対し、ダブルブレストのブレザーの起源はイギリス海軍の制服にあります。ゆえに、ブリティッシュの王道的なブレザーと言えばおのずとダブルブレストとなるわけです。

 一般的なダブルブレストは6ボタンが基本ですが、チャールズ皇太子が着用していたブレザーは、それこそ英海軍の制服を彷彿させる8ボタンのピークドラペル。密度の高い梳毛のサージ、サイドベンツ仕様も制服的です。


フレンチトラッド

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Kazutaka Tsugaoka

ジーンズに革靴を合わせるなど、形式張ったブレザーを自由な発想で

 パリでもっともブレザーが洒落て見えたのは、1980年代。”フレンチ・トラッド”、または”フレンチ・アイビー”と言われるスタイルに、ブレザーは欠かせないアイテムでした。パリのセレクトショップ「エミスフェール」が提案した紺ブレザーに白いペインターパンツ、もしくはリーバイス501を合わせたスタイルは、自由を謳歌するパリジャンならではの発想です。

 「ブレザーを、ファッションに昇華させた」と言っても過言ではありません。


イタリアントラッド

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Kazutaka Tsugaoka

ブレザーが軽く、柔らかく、肩肘張らずに着られる服に

 ブレザーがイタリアの伊達男たちの手に渡ると、カジュアルアイテムと同じ感覚で扱われるようになります。

 金ボタンより普通のボタンを好み、その仕立ても軽く柔らかくなり、体のラインに沿うシェイプされたシルエットを表現するようになりました。タイトなパンツをさらりと合わせ、ブレザーの着丈もお尻が出るくらい軽やかに。

 イタリアの洒落者たちは、異国のトラッドな服を自分たち流にアレンジする術に長けているのです。