何物にも比べがたい
V4エンジンの魅力
バイクに乗り続けて30年以上のキャリアを持つ金橋さん。このたび新たに手に入れたのは、ドゥカティのアドベンチャーモデル「ムルティストラーダ V4S」でした。
さまざまなモデルを乗り継いできたうえで、アドベンチャーモデルを選んだのはどんな理由からでしょう。
「このムルティストラーダ V4Sには、バイクの魅力がたくさん詰め込まれています。速く、スポーティに走れることはもちろん、ゆったりたゆたうようなツーリングも実に気分がいい。そして、大好きなオフロード走行もこなしてくれるムルティストラーダ(マルチロード=あらゆる道に対応)というキャラクターにほれこんだのです」
なるほど、これを例えるならアーミーナイフ的とでも言いましょうか。たくさんの機能が、ワンボディに凝縮されているというわけですね。
「それでいて、おのおのの機能に妥協がないところこそ、ドゥカティの素晴らしさでしょう。一般的なアスファルトのワインディングでは速く走れても、グリップが低いところや、でこぼこした悪路でバランスを崩してしまうアドベンチャーモデルも少なくありません。トータルバランスのよさといったら、今のところムルティストラーダのV4エンジンモデルの右に出るバイクはないんじゃないかな」
アドベンチャーモデルはシートも比較的高めで、大型エンジンとなると車重も気になります。ベテラン向きなイメージですが…
「たしかにベテランであればあるほど楽しみは引き出せると思いますが、ビギナーでも乗りだすのにさほど構える必要はないですよ。シートだってカスタムできるし、サスペンションを調節すれば車高そのものも落とせるはず。エンジンと車体のバランスが絶妙なので、低速でもフラフラすることなく、立ちゴケもしにくいと思います」
V4エンジンに気難しさや、高回転まで回さないと本来のテイストが味わえないなどということは感じませんか?
「そりゃ大昔のドゥカティですね(笑)。V4は低回転から高回転までスムーズで、気難しさやギクシャクすることなんて一度も感じません。アクセルに素直で、気分よくパワーを絞り出してくれるのは期待以上。とりわけビギナーにこそ、味わってほしいエンジンだと思います」
誰もが上級者並みに
乗りこなせるマシン
長距離ツーリングもムルティストラーダ V4Sの得意分野かと思いますが、いかがでしょう。
「私はどんなバイクでも長距離を走るのが大好きなんですが、このムルティストラーダ V4Sは今までの倍走ってもまだまだイケる気になるんです(笑)。しっかり防風してくれるフェアリングや、身体への負担が少ないポジショニングなどが奏功しているのでしょう、疲れにくいし…。エンジンとの相性にも恵まれたのかもしれませんね。いつまでもアクセルをひねりつづけたくなります」
そのわりに、後輪の両脇にある格納ケースの「サイドパニア」やバイクの座席の後ろに取り付けて荷物を収納することができる「トップケース」)といった収納パーツが見あたりませんが…。
「バックパックひとつ背負って、気ままに出かけるのが好きなんですよ。ただ、このバイクでキャンプに出かけようと計画しているので、これからカタログを見てじっくり選びたいですね。最近のドゥカティは、オプションパーツがとても豊富なのでうれしくなりました」
ところで今回は、砂浜で撮影をしましたが、楽々と走れていたのには驚かされました。
「トラクションコントロールだとか、サポート機能がすごいんですよ。こういう場面は軽いバイクでも苦労しがちですが、ムルティストラーダはたくさん走行プログラムが入っていて、誰でも上級者並みに走れるんじゃないかな。もっとも、油断は禁物ですけどね(笑)」
金橋さんからムルティストラーダの話をうかがっていると、バイカーの夢が広がるようですね。
「ムルティストラーダには、バイクの根源的な魅力がたくさん詰まっていると思います。かなりの長距離を乗り終えた後でも、またすぐに乗りたくなるバイクってめったにないですよ」
今回のおすすめバイク
DUCATI MULTISTRADA V4S
世界屈指のスポーティなアドベンチャーモデルとして、全世界で大ヒットしている「ムルティストラーダ」。新型V4グランツーリスモエンジンは、従来のツインエンジンよりもコンパクトで軽量、しかもパワフルという優れモノ。4種のライディングモードがハイスピードツーリングから悪路や雨の日までサポートしてくれるので、ビギナーでも気軽に走りだせると評判です。電子制御のサスペンションは、どこまででも走り続けたくなる極上の乗り心地。ライバルひしめくジャンルにあって、「頭ひとつ抜けたパフォーマンス&コンフォート」と言えるバイクです。
価格:323万9000円~
●問い合わせ先
ドゥカティジャパン
公式サイト
いくつものキャラが垣間見える
マルチパーパスマシン
Photograph / Jun Ishibashi
Text / Hiroshi Ishibashi
Edit / Kazuyuki Okumura
※メンズクラブ2023年4月号掲載
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