いつもと違った風景の見え方や非日常の手ざわりなど、至福の時間をバイクと共に五感で感じている人たちも少なくありません。バイクに乗ることで得られるものは、スピードやスリルだけにとどまりません。

そんな想いに共感するスタイルアイコンたちがバイクに乗る姿、それは実に凛々しく素敵です。

心をわしづかみされた
ストリートグライドの存在感

バイクの大型免許を取得するモチベーションとして、「ハーレーダビッドソンに乗りたかったから」と語る方は少なくありません。それだけ、ハーレーダビッドソンというマシンには独特な魅力にあふれているのでしょう。

2024年にフルモデルチェンジをして登場したストリートグライドのオーナー、松田 光さんもそんな魅力にあらがえなかったおひとりです。

「実物のハーレーダビッドソンを見るまでは、バイクはもちろん、クルマにも引かれることはありませんでした。けれども、昨年CVOストリートグライドを見た瞬間にガツンときちゃったんですよね。猛烈に乗りたくなって、その日のうちに教習所に申し込みました」 

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Toshiki Kobayashi
これまでクルマやバイクの免許を持っていなかった松田さんですが、「ハーレーに乗りたい一心から、バイクの大型免許を取得した」という行動派。ストリートグライドが納車されてからは、「朝までお酒を飲むことがピタリとなくなりました」と健康的な笑顔を見せてくれました。また、ハーレーに乗るからにはウェアや安全性にもこだわりたいと、「ライディングジャケットはKADOYAでそろえていて、次はオーダーメードを予定しています。ヘルメットは友人からの受け売りですが、安全性を最優先してアライ一択です」とのこと。

小誌でも紹介したCVOストリートグライドは、たしかにインパクト十分なバイクです。が、松田さんがガツンときたという具体的なポイントを教えてください。

「とにかく全身から発しているオーラというか、圧倒的な存在感ですね。フロントマスクのカッコよさやタンクからシート、そしてサドルバッグまで続くラインの美しさとか、ほかに比べようがありません」

CVOでなく、こちらのストリートグライドを選んだ理由をお聞かせください。

「はじめは、CVOストリートグライドしか眼中になかったのですが、なにせ初めてのハーレーダビッドソンですから、いきなり最上級モデルに手を出すのはもったいないと思ったのです。2024年モデルのストリートグライドならば、スタイリングは程近いものがありますし、エンジンこそ変わりますが、乗り比べても私のテクニックでは違いもわからないんじゃないかと(笑)」

なるほど。その乗り味についてですが、初めての大型バイクとしてストリートグライドの印象はいかがでしょう。

「正直なところ、初めて路上に走りだしたときは緊張しました。でも、5分と走らないうちに緊張よりも楽しさが勝ってきて、ヘルメットの中で歓声を上げていました(笑)。友人の国産ビッグバイクを借りて練習したときのほうがややこしかった気がします」

ハーレーでのツーリングは
自らを再解釈する時間

2リットル近い排気量をもつVツインエンジンですから、さぞや豪快な乗り味なのではありませんか?

「初めてスロットルを大きく開けたときには、口から心臓が飛び出るかと(笑)。上半身がのけぞって、振り落とされるような勢いでした。でも、パワーを絞り出すような走りでなく、ゆったりとクルージングするほうが自分には合っている気がします。乗り心地もいいですし、前方の視界がいいわりに風が強く当たらないから、ずっと走り続けられるというか、どこまでも走っていきたくなるんですよ」

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Toshiki Kobayashi

ストリートグライドには最新のインフォテイメントシステムが搭載されていますが、そちらも楽しんでらっしゃいますか。

「街中では控えていますが、高速道路では好きな音楽を大きなボリュームでかけていますよ(笑)。もともと音楽好きなので、このシステムもストリートグライドを選んだ理由のひとつですね。あとはブルートゥースで、ハンズフリーの電話と連携できる機能も助かっています。でも、仕事関連の電話だったりすると、せっかくのツーリングも台無しになりかねませんけど(笑)」

今回のロケ地に選んだ千葉県君津市にあるトンネル、奥米隧道(おくごめすいどう)はお気に入りのツーリングコースだとか。

「トンネルのある三島湖での釣りに誘われたことがあって、ここへ至る道を覚えていたんです。途中、細くて曲がりくねったところもあるのですが、ストリートグライドは意外なほど小回りよく走ってくれます。それと、海ほたるから木更津に渡る東京湾アクアラインも開放感たっぷりで、ハーレーダビッドソンにピッタリな道だと思いませんか」

ストリートグライドに乗って、ライフスタイルが大きく変わったようですね。

「まずは深酒をしなくなりました(笑)。早朝からバイクに乗るのが楽しみで仕方がなくて、少しでも時間を取って走るようにしています。ストリートグライドに乗っている時間で自らを再解釈している』と言ったらオーバーかもしれませんが、走った後は考え方や視野がより自由でサイズアップしている気がするんです。誰かに教えてもらった、〝(ハーレーダビッドソンは)自由へのパスポート〟というキャッチフレーズが自分にとて実に的を射ていて、これからの自分とストリートグライドがどこへ向かっていくのか楽しみでなりません」

今月の1台
Harley Davidson
STREET GLIDE™

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Toshiki Kobayashi
ハーレーダビッドソン ストリートグライド【SPEC】エンジン:Milwaukee-Eight®117(空水冷4ストロークOHV4バルブV型2気筒)、総排気量:1923cc、最高出力:107hp / 5020rpm、最大トルク:175Nm / 3500rpm、全長:2410mm、ホイールベース:1625mm、車両重量:368kg、シート高:715mm、燃料タンク容量:22.7L

これまでのストリートグライドは、グランドツーリングを愛するバイカーから絶大な支持を得ていたモデルでした。そこで2024年に登場した新型モデルは、空力性能を磨き上げたフェアリングや快適性を高めたシート、さらにはインフォテイメントシステムの充実など、旅する楽しさがよりいっそう高まっています。

1923ccのエンジン「ミルウォーキーエイト117」も、水冷式シリンダーヘッドを採用し、これまで悩みの種だった足への熱を低減するなど、プレミアムツアラーと呼ぶにふさわしい仕上がりです。

価格:369万3800円~

●問い合わせ先
ハーレーダビッドソン ジャパン
公式サイト

「眺めているだけでも
満ち足りた気分になれる」

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インパネは幅312mmという、非常に見やすいタッチスクリーンのカラーTFTを採用。メーターとしての役割だけでなく、音楽やハンズフリーの電話といった便利な機能も満載です。
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ストリートグライドは、シートの素材や形状にも一切の手抜かりなし。長時間のライディングでも疲労を軽減し、直立したポジションでいつまでも快適な座り心地を実現しています。
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姿のいいタンクや、クロームのエアインレットなど、ストリートグライドはまさに「美はディテールに宿る」を地でいくマシンです。

今回はもう1台
Harley Davidson
ROAD GLIDE™

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ハーレーダビッドソン ロードグライド【SPEC】総排気量:1923㏄、最高出力:107hp/5020rpm、最大トルク:175Nm/3500rpm、全長:2410mm、ホイールベース:1625mm、車両重量:380㎏、シート高:720mm、燃料タンク容量:22.7L

松田さんが最後まで迷ったという2024年モデルのロードグライドは、ストリートグライドと同系統のエンジンを積みながら、特徴的なシャークノーズフェアリングや調整可能なエアベーンなどシルエットは大きく異なります。シート高がストリートグライドよりも5mm高いのですが、「気になるほどの差ではない」と松田さん。

なお撮影したロードグライドは、オプションでフロントフォークなどがブラックトリムとなっており、より精強でクールなルックスとなっているのにも注目を。

価格:369万3800円~

●問い合わせ先
ハーレーダビッドソン ジャパン
公式サイト

「彫刻のようなシルエットが空気に逆らうことなく
走りに陶酔をもたらしてくれる」

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ロード、スポーツ、レイン、カスタムのライドモードや、さまざまなインフォテイメントをコントロールするタッチスクリーンのダッシュボード。312mmの幅はストリートグライドと共通。
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標準装備のサドルバッグは取り付け位置やデザインの変更で、よりスタイリッシュな印象に。もちろん、ロック付きでセキュリティも万全です。
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水冷システムの導入で、下半身の熱さが軽減されたMilwaukee-Eight®117エンジン。


Photograph / Toshiki Kobayashi
Text / Hiroshi Ishibashi
Edit / Kazuyuki Okumura

※メンズクラブ2024年5月号掲載

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◆これまでの連載はこちらから

Vol.1 HONDA CB650R
Vol.2 KAWASAKI Ninja H2 SX SE+
Vol.3 SUZUKI GSX‐S750 ABS

Vol.4 INDIAN SCOUT ROUGE

Vol.5 INDIAN PURSUIT DARK HORSE
Vol.6 Benelli Imperiale 400

Vol.7 Royal Alloy GP125, Fantic Caballero 500explorer
Vol.8 DUCATI DESERT X

Vol.9 DUCATI MULTISTRADA V4S

Vol.10 TRIUMPH TRIDENT 660
Vol.11 ROYAL ENFIELD SUPER METEOR 650
Vol.12 DUCATI SCRAMBLER FULL THROTTLE

[脚注]

*1:Infotainment Systems ライダーに情報とエンターテイメントを提供するための統合されたデバイス。このシステムは自動車と同様に、ナビゲーション、オーディオプレーヤー、Bluetooth接続、ハンズフリー通話機能、そして時にはタッチスクリーン操作や音声コマンドなどを提供。「ストリートグライド」のダッシュボードには、ハーレーダビッドソンのSkyline OSを搭載した全く新しいコネクテッドインフォテインメントになっている。

*2:Air inlet 日本語では「吸気口」とも表記され、空気を取り入れる入り口。Air intake(エアインテーク)とも呼ばれる。主にエンジンの燃焼効率とパフォーマンスを向上させるために設計されており、エンジンの冷却および空気の流れを最適化してエンジンが必要とする酸素を効率良く供給する。