毎日でも乗りたくなる
軽くて俊敏な操縦性
ロケ地に指定されたのは、早朝の六本木。少し意外な場所に戸惑いつつ待っていると、ビルの間から元気のいい排気音が響いてきました。
「スクランブラーのフルスロットルは、テルミニョーニのマフラーが標準装備されていて、このサウンドだけでも気分が上がります」
快哉(かいさい)の笑みを浮かべたのは、ドゥカティ スクランブラー フルスロットルのオーナー、岡崎さん。
「早朝の六本木で気ままにスロットルを開けていると、なんだか都会の真ん中で孤独を味わっているようで、ストレスを忘れます」
スクランブラーというと、ロードバイクでちょっとした悪路も走れるようカスタムしたモデル。たしかに、ブロックタイヤや上を向いたマフラーが特徴です。
「通勤にも乗りたかったのでシートがさほど高くなく、車重の軽いバイクを探していたのですが、(スクランブラーの中でも)フルスロットルモデルのスタイルにはグッときました。せっかく毎日乗るならカッコよくて、気持ちよく走れるバイクがいいですよね」
都心での印象はいかがですか?
「パワーと車体のバランスがいいので、思ったとおり俊敏に走れます。ステップの位置やハンドルの幅が利いているのか、バイクとの一体感が気持ちいい。これまで乗ったどのバイクよりも操作がしやすくて、速く走っている感覚ですね」
800㏄の排気量をもった空冷ツインエンジンです。パワーや感触はいかがですか。
「空冷はオールドスクールかと思っていましたが、むしろソリッドなタッチで乗りやすく思いました。アクセルを全開にすると鋭い鼓動感を伴った回転上昇で、とにかくスカッとします。以前乗っていたスーパースポーツバイクよりパワーは少ないのですが、不思議と遅く感じません。操縦性や車体の軽さで、そう感じるのでしょうね」
ならば、未舗装路を走るツーリングもいけそうですね。
「河原の砂利道で試してみたら、思ったより簡単でしたね。オフロード初心者の僕でも、よく動いてくれる足回りのおかげで怖さよりも楽しさのほうが勝りました」
スタイルだけでなく
バイクの本質が味わえる
スタイリッシュなスクランブラーは、乗る際にコーディネートも気になるのでは?
「これまでさほど意識していませんでしたが、スクランブラーは街中で目立っている気がするので、ちぐはぐなスタイルだけはしないように心がけています(笑)。バイクは全身を見られている、スクランブラーに教えられた気がします」
乗っているバイカーもスタイリッシュに見せてくれる、なかなか頼もしいバイクです。
「パワーや速さが欲しくてバイクに乗ってきましたが、スクランブラーはそこにスタイルやカジュアルな気分が足されていますから、楽しさや喜びの密度が上がりました。カッコだけではない、バイク本来の良さが味わえるのです」
今月の1台
DUCATI
SCRAMBLER FULL THROTTLE
2023年にフルモデルチェンジをして登場したスクランブラー。なかでもフルスロットルはその名のとおり、元気のいいパフォーマンスと、走りにふった装備が魅力。新たに電子スロットルを採用し、クラッチを握らなくていいアップ/ダウンのクイックシフトや、トラクションコントロールといったライダーサポート機能も充実。ディーラーオプションでロー/ハイシートが用意され、体格を問わず乗り出せるのもうれしいポイントでしょう。
価格:149万9000円
●問い合わせ先
ドゥカティジャパン
公式サイト
「半端なコーディネートでは
乗りこなせないデザイン」
Photograph / Jun Ishibashi
Text / Hiroshi Ishibashi
Edit / Kazuyuki Okumura
※メンズクラブ2024年4月号掲載
◆これまでの連載はこちらから
Vol.1 HONDA CB650R
Vol.2 KAWASAKI Ninja H2 SX SE+
Vol.3 SUZUKI GSX‐S750 ABS
Vol.4 INDIAN SCOUT ROUGE
Vol.5 INDIAN PURSUIT DARK HORSE
Vol.6 Benelli Imperiale 400
Vol.7 Royal Alloy GP125, Fantic Caballero 500explorer
Vol.8 DUCATI DESERT X
Vol.9 DUCATI MULTISTRADA V4S
Vol.10 TRIUMPH TRIDENT 660
Vol.11 ROYAL ENFIELD SUPER METEOR 650