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バットマンやスーパーマンなどスーパーヒーローが登場! DCエクステンデッド・ユニバースの全映画を格付け
DCコミックスが誇るスーパーヒーローたちが登場する『ジャスティス・リーグ』やDCエクステンデッド・ユニバース最新作『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』など、「エスクァイア」US版編集部が全作品を格付けしました。
DCエクステンデッド・ユニバース(DCコミックス原作のスーパーヒーロー映画を中心とするアメリカ合衆国のメディア・フランチャイズ及びシェアード・ユニバースのこと)は2010年代を通して、ライバルと言えるマーベル・シネマティック・ユニバースと比べどこか迷走し続けてきたイメージが先行しているかもしれません。そのため、圧倒的人気を誇るマーベル・シネマティック・ユニバースとは違い、DCエクステンデッド・ユニバースは今も独自のアイデンティティと一貫したシェアード・ユニバース(複数の作家が独立して作品を提供し、その作品は単独でも成立するが、プロジェクト全体のストーリー、キャラクター、または世界の共同開発に適合するという、一連の創作物からなる架空の世界のこと)のカタチを模索しています。
しかしながら、DCエクステンデッド・ユニバースの2020年の計画が具体化してくれば、この状況も一変するかもしれません。特にロバート・パティンソンの「バットマン」映画や、多数のバットマンの登場が噂されるフラッシュが主人公の2022年公開予定の『ザ・フラッシュ』の動向は気になるところです。今のところは、現在公開中の注目作『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の順調な船出を祝いましょう。とは言え、ジェームズ・ガン監督のDCエクステンデッド・ユニバース進出作品さえある種、独立した作品なのです。
現在のDCエクステンデッド・ユニバースは一貫していないこともあり、今回のリストにホアキン・フェニックスの『ジョーカー』は含めません。というのも、私たちの知る限りこの作品は『ジャスティス・リーグ』やその関連作品と同じユニバースに属してはいないからです。ですが、実際のところはわかりません。つながっている可能性もあり、その場合は将来的にリストをアップデートし、『ジョーカー』やパティンソン版「バットマン」(こちらもDCエクステンデッド・ユニバースに属するかはわかっていません)を加えることもあるでしょう。
というわけで、私たちが同じユニバースに存在すると確信しているDCエクステンデッド・ユニバース映画は10本です。それでは早速、DCエクステンデッド・ユニバースの映画をワーストからベストまで格付けします。
第10位『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016年日本公開)
第9位『スーサイド・スクワッド』(2016年日本公開)
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』とは違い、『スーサイド・スクワッド』には「ひどい」とは言えない部分もあります。
ハーレイ・クイン役のマーゴット・ロビーは正直言って素晴らしい部分で、ジャレッド・レト演じるジョーカーのシーンを劇場版からほとんどカットして必要最低限の登場とさせたデヴィッド・エアー監督の判断も、評価すべきです。
ですが本作の最大の罪は、そんな役に入り込むレトが共演者におかしな贈り物をしたという耐え難いエピソードを生んでしまったことです。共演者に嫌がらせをしたことなど、「レトが撮影現場で何をしていたのか」といった話ばかりが頭に浮かびます。
また、悪党軍団「スーサイド・スクワッド」のキャラクターが多いためか、主要キャラクターしか名前が覚えられない方もきっといたでしょう。ハーレイ・クインやデッドショット、そしてエンチャントレスを覚えておけば、本作が鑑賞しやすいかと思います。
第8位『ジャスティス・リーグ』(2017年日本公開)
ワーナー・ブラザースとDCコミックスは、2010年代を通して良作とは言いづらい作品を製作してきました。が、バットマンやワンダーウーマンたち多くのヒーローが登場する『ジャスティス・リーグ』には、良い作品になってほしいと思っていました。
『ワンダーウーマン』で大成功を収めたDCエクステンデッド・ユニバースは、『ジャスティス・リーグ』で大きなカムバックを果たすはずでした。ですが…。
この映画の唯一の見どころは、ガル・ガドット演じるワンダーウーマンがベン・アフレック演じるバットマンに身のほどを思い知らせ続ける部分しかありません。
また、本作には想像し得る限り、最も不思議なやり取りが含まれています。それはあるシーンの中でバリー・アレン(フラッシュ)が、ブルース・ウェイン(バットマン)に誰もが数十年前から抱き続けていたある疑問をぶつけるところです。
それは、「バットマンのスーパーパワーとは何なのか?」というもの。そんな質問にウェインは最大限の誠意を持って、「金持ちなこと」と答えるのでした。
第7位『マン・オブ・スティール』(2013年日本公開)
『マン・オブ・スティール』は、物事がよりシンプルだった時代に登場しました。信じられないかもしれませんが、本作は『アベンジャーズ』公開の1年後、『アイアンマン3』と同じ年に公開されました。これは『マン・オブ・スティール』の公開タイミングが、ワーナー・ブラザースがDCエクステンデッド・ユニバースで大きな失敗をしたことを示しています。
完全に出遅れてしまった彼らは、マーベルとの5年の時間差を活かして素晴らしい作品を製作するどころか、退屈で憂鬱(ゆううつ)なシネマティック・ユニバース(映画の世界)を送り出しただけでした。
とは言えDCエクステンデッド・ユニバースは、少なくともマーベル・シネマティック・ユニバースとは一線を画す試みをしています。確かにダークな雰囲気ではありますが…
そして、本作は悪い意味で、今後のDCエクステンデッド・ユニバース映画の傾向や方向性を決定づけてしまいました。
第6位『ワンダーウーマン 1984』(2020年日本公開)
『ワンダーウーマン』で大成功を収めた後、ワーナー・ブラザースは大きな期待が集まっていた続編である本作で、失速してしまいました。
本作のタイムラインは1984年にジャンプし、この数十年間ダイアナ・プリンス(ワンダーウーマン)が何をしていたか?については、具体的に触れられません。現在の彼女はスミソニアン博物館で働いており、ちょっとした泥棒退治もしているようですが、同一人物であることは知られていませんでした。
クリス・パイン演じるスティーブ・トレヴァーは魔法の石の力で復活し、ダイアナは彼に未来の世界を見せます。が、そのときに見せるのが、なぜか電車なのです(1910年代にも電車はあったはずだったのに、何故だったのかは分かりません)。
映画『キャッツ』の猫のようなクリステン・ウィグのキャラクターから、ペドロ・パスカル演じるドナルド・トランプのような暴走的な経営者のキャラクター、そして意味不明な筋書き、ダイアナとスティーブが一緒に花火を見る無駄に長いシーンまで、とにかく不可解な続編で残念であったと言わざるを得ません。
ひとつだけ救いがあるとすれば、それは80年代ファッションに身を包んだクリス・パインでしょうか。彼の姿は実に、スタイリッシュでしたので。
第5位『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020年日本公開)
『スーサイド・スクワッド』公開後、ワーナー・ブラザースはジョーカーの元恋人ハーレイ・クインが主役の本作で、何とか状況を好転させることに成功しました。
この成功の大部分は心を揺さぶるような楽しみを作品にもたらしてくれたのは、カリスマ女優マーゴット・ロビーのおかげです。
DCエクステンデッド・ユニバース映画はシリアスな作品が多いですが、ロビー演じるハーレイ・クインは素晴らしい時間を与えてくれます。
第4位『アクアマン』(2019年日本公開)
DCエクステンデッド・ユニバースがさまざまな浮き沈みを経た後、『アクアマン』には多くの改善が必要でした。そんな中、水中を舞台に戦うことが多い『アクアマン』の映画化はきっと難しかったことでしょう。
それに加えて、アクアマンというキャラクターは昔から、クールなキャラクターではありません。そもそもイルカに乗った男など見たがる人は、ほとんどいなかったのでは?と制作陣は不安視していたかもしれません。
ですが、そんなキャラクターへのさまざまな先入観を払拭(ふっしょく)できたのは、ジェイソン・モモアのおかげでしょう。彼が演じたアクアマンは大酒飲みであり、まるで漁師のような男として豪快に演じてくれました。
本作は大げさな部分もありますが、CGの髪の毛や大まかな筋書きをスルーすれば、とても楽しい映画です。
第3位『シャザム!』(2019年日本公開)
『シャザム!』はダークで重苦しく、希望が見えないDCエクステンデッド・ユニバースの作品の中で際立っています。
その理由は極めて単純で、とにかく楽しいからです。シャザム!役ザッカリー・リーヴァイのコメディセンスは、DCエクステンデッド・ユニバース映画に登場するキャラクターの中で、頂点に君臨していると言っていいでしょう。
DCエクステンデッド・ユニバース映画が際立つために必要なのは、より小規模な予算で寛大な心を持ちながら、多くの笑いが含まれるが作品をシンプルに撮影することであったことが、本作の人気でうかがえます。
第2位『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021年日本公開)
まず本作の監督に、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガンを起用したというだけで、本作は観るまでもなく今回のリスト上位にランクインしました。ガン監督と言えばユーモアがあり、ポップな音楽を取り入れる、観客を明るい気持ちにさせてくれる監督です。
そして、本作には豪華キャストがそろっており、シルベスター・スタローン(キング・シャークの声を担当)やジョン・シナ、イドリス・エルバ、そしてマーゴット・ロビーが出演しています。最高のDCエクステンデッド・ユニバース映画のひとつと言えるでしょう。
グロテスクな描写がありながらコメディタッチな作品は、DCエクステンデッド・ユニバース映画の中では唯一無二の存在であることは確かなことです。
第1位『ワンダーウーマン』(2017年日本公開)
『ワンダーウーマン』はDCエクステンデッド・ユニバースにとってのみでなく、ハリウッドにとっても大成功と呼べる映画です。本作とパティ・ジェンキンス監督は、スーパーヒーロー映画のガラスの天井を破ったとして評価されています。
ジェンキンス監督は製作費1億ドル(約110億円)以上の映画を手掛けた2人目の女性監督であり、女性監督として史上最高のオープニング興収記録を打ち立てました。これらの「史上初」は、ハリウッドが長年待ちわびていたものでもありました。
『ワンダーウーマン』は迫力のあるストーリーから複雑で愛すべきキャラクターまで、スーパーヒーローというジャンルへの期待をはるかに超えた素晴らしい作品です。
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Source /Esquire US
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。