11月も半ばに入り、いよいよ冬の到来。寒さも日に日に厳しくなり、アウターの欠かせない時季になってきました。今年はどんなアウターを、どんなムードで着こなそうかと、思いを巡らせている人も多いのではないでしょうか。
メンズファッションの世界では、アメリカントラッドを中心にクラシック回帰の流れが継続中。バルカラーコートやダッフルコートなど、昔ながらの定番品が注目を集めています。
そんなベーシックなアイテムを質にこだわってそろえているのが、雑誌『メンズクラブ』でもおなじみの「ビームスF」です。ドレススタイルを得意とするレーベルで、クラシックとモダンの最適なバランスを心得ているスタッフの装いは、いつ見てもためになります。
今回そんな彼らに、本気でおすすめしたい“本命アウター”を聞いてきました。三者三様の着こなしと合わせて、ぜひ冬の買い物計画の参考にしてみて下さい。
田中さんの大本命は、張りのあるハリス・ツイードのヘリンボーン生地を使ったクラシックなたたずまいの一着。
「ここ数年、ゆったりとしたシルエットのコートが気分ですね。こちらのベルテッドコートは、一枚袖ならではの優雅に流れる肩の落ち感と、裾にかけて柔らかく広がるAラインのシルエットがクラシックな趣き。目の詰まった重みあるヘリンボーン生地を載せ、さらにその重厚な空気感を増して表現された一着です」
ディテールに目をやると、リアルレザーを用いたバックルや水牛ボタン、背面に入った深めのインバーテッドプリーツなど、作りのよさを追求する同レーベルらしいこだわりが随所に散りばめられています。
「ウエストのベルトをギュッと絞り、シルエットに変化をつけてスッキリとこなす着方も好きですが、このぐらいヘリテージな顔つきであればやはり男らしく、ガバッと羽織りたくなります。
カジュアルなスタイルも得意とするこのコート、スーツにはまず間違いありません。ネイビーソリッドのスーツにタブカラーシャツとペイズリータイのストイックな装いも、軽くないほどよい重さの塩梅で見せてくれます。機能面で言えば、ダウンなどのハイスペックなアイテムが便利な昨今ですが、私は専らヘリテージ派。素朴な風合いにこそ引かれます」
「流れるようにゆるやかなシルエットから生まれる優美なドレープ感。ビームスFのバルカラーコートは、クラシックな紳士的エレガンスが漂う一品です」と笹井さん。
まさに王道と言えるベーシックな見た目のコートですが、やはりそこはビームスF、玄人も納得のいくレベルの高い仕上がりに。
「シングルラグラン、いわゆる一枚袖のディテールや老舗「ドーメル」の生地が用いられている点など、洋服好きにはたまらない響き。それでいてシンプルかつ洗練されたデザインで、オンオフどちらにも上品になじんでくれる汎用性の高さも見逃せないポイントです」
「ブラウンのスーツで柔らかなコートのカラーリングを活かし、スポーティかつクラシックなムードにまとめた今日のスタイル。重厚感ある足もとでメリハリをつけてみました。『今日はどのコートを羽織ろうか』と朝の支度のたび、悩める時間が秋冬シーズンの楽しみの一つです」
加えて、着脱可能なウール素材のライナーが付いているので、季節をまたいで着まわせることもその魅力を高めています。
ドレススタイルを軸とするビームスFですが、伊藤さんが今回選んだのは、意外にもカジュアル色の強いミリタリーコート。
「普段アウターと言えば、ポロコートやチェスターコートなどテーラードものばかりですが、たまには男らしくスポーティなものをまといたくなります。オーベルジュに別注したモッズコートは、オリジナルのミリタリームードを忠実に再現しつつ、ブランドらしいエッセンスを加えモダンに仕上げられた一着。本来のラギッドな雰囲気を楽しみながら、都会的に羽織れます」
“本物”を追求するオーベルジュの本格的なつくりに、ドレスレーベルであるブリッラ ペル イル グストのエレガンスが添えられた、別注品ならではの旨味が詰まった絶妙なバランスの一着。カジュアルなコーディネートであっても、大人の男性にふさわしい品の良さが漂います。
「オーセンティックなオリーブカラーも良いですが、今年はシックなムードが増したブラックを選びました。リラックスしたラフなカジュアルスタイルも、どこかクールで洗練された大人の装いに仕上げてくれます。そういう私は、ヘリンボーンのジャケットに5ポケットのパンツと、いつも通りのスタイルです」
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ビームスF
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