なぜ、夜中にトイレに行きたくなって目覚めるのか?皆さんは、このことについて不思議に思ったことはありませんか。 今回は、この尿意と目覚めについての意外な理由をご紹介しましょう。

 いつも夜中に尿意をもよおし、トイレのために目覚めてしまう人は少なくないでしょう。そんな人は眠れないこと以上に、切実な問題を抱えているかもしれません。夜中の尿意は、睡眠時無呼吸症候群の兆候である可能性を示す研究結果が、2017年における欧州泌尿器科協会の会議で発表されているのです。 

 オランダの研究チームが、閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者256人を対象に調査を行ったそうです。OSASとは睡眠中に呼吸が止まったり復活したりする病気で、過剰ないびき、昼間の眠気、朝の頭痛などが特徴的な症状となります。 

 夜中にトイレに行く習慣について参加者に尋ねたところ、全体の69%の人がトイレのために目覚める、「夜間頻尿」である結果となりました。そこで彼らが寝るときに、睡眠時無呼吸治療用の持続的陽圧呼吸(CPAP)マスクをつけてもらいました。これは気道内に陽圧(内部の圧力が外気圧よりも高い状態)をかけるマスクです。 

 そして、CPAPマスクを着用した夜間頻尿患者の65%が、夜間にトイレに行く回数が減ったという報告を受けたということです。実際、夜中に2回以上目を覚まして、トイレに行っていた患者の42%が、一晩中眠れたという報告も入っています。1~3回トイレに行っていた人が最も大きく改善したとのことです。 

 なぜ、夜中にトイレに行きたくなって目覚めるのか? これには2つの理由が考えられます。ひとつは睡眠時無呼吸症候群となり、脳に酸素が行かなくなった可能性。すると、尿が過剰に作られ、膀胱がいっぱいになってしまうのです。そして、膀胱を空にする必要が何度も生じる。その結果、夜中に目覚めてしまうのです。 

 もうひとつは、睡眠時無呼吸症候群を治療すると睡眠が深くなるため、膀胱がいっぱいになっても気づかないということが原因ではないか、とされています。後者の説は、マーストリヒト大学泌尿器科研究員の医学博士Sajjad Rahnama'iが唱えているものです。

では、夜中の尿意を心配すべきなのはどんな場合でしょうか?

 「夜中に目覚めてトイレに行っても、すぐにまた眠れて、翌日ちゃんと寝たと感じるなら、それほど問題はない」と、さきほどのRahnama’i博士はコメントしています。50歳以上の男性の半数以上が夜間頻尿の問題を抱えていますが、OSASはそのうちのわずか4%を占めるにすぎないという研究結果も出ているそうです。 

 しかし、朝起きたときに常に疲労感があるのなら、医師の診察を受けましょう。夜に4回以上トイレに行く人は、心臓疾患の可能性もあるので、特に注意が必要とのこと。 

 夜間頻尿について医師に話すときは、睡眠時無呼吸の兆候があったかどうかを必ず伝えましょう。そして、パートナーと一緒に行くことがおすすめです。あなたがいびきをかいているか、苦しそうな呼吸をしているか、呼吸を止めている時間があるかといったことも証言してくれるからです。 

 夜間頻尿であってもなくても、睡眠時無呼吸の人は診察を受けるべきです。CAPマスクに加えて、手術や減量によって治すことも期待できますので。


From Men's Health 原文(English)
Translation / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です。