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アイスバス(氷風呂)に期待できる5つの効果を解説

今ではネット上でもブームとなり、多くの実践例を見るようになった「アイスバス」。ところでその効果とは、一体どのようなものなのでしょうか? このページではアイスバスに期待できる5つの効果をご紹介します。

By Lucy Gornall
smiling blond man taking an ice bath in the middle of a field
Ivan Rodriguez Alba

ヴィム・ホフによって広められ、今ではネット上の誰もが実践しているアイスバスは、間違いなく一時的に人気を集めています。

しかし、どんなメリットがあるのでしょうか?

1

体温調節

アイスバス(氷風呂)
Nastco//Getty Images

人の体温は目覚めとともに上昇し、睡眠とともに低下するのが常識となっています。ですが、アイスバス(氷風呂)に入ると覚醒し、温かな風呂に入ると眠くなるとされるのはなぜでしょう?

「冷気にさらされることで、身体がヒートアップするのです」と、その謎を解き明かすのはロンドンにあるザ・ボディ・ラボ(The Body Lab)所属の運動化学の専門家カラム・シャルマ氏です。

「低温に身体をならすことで肉体の順応力が高まり、体温調節がうまくできるようになる」と言うのです。

2

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Getty Images

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3

遅発性筋肉痛(DOMS)に対する速効性

アイスバス(氷風呂)
Ivan Rodriguez Alba//Getty Images

「体温の低下によって、血管の収縮が起こります」と、シャルマ氏。これによって手足への血流が減少し、その一方で、内蔵の細部にまで血液が行き届きやすくなります。

そして組織が高温にさらされることによって受ける損傷である「熱損傷」が最小限に抑えられ、その過程で血中の酸素濃度が上がり、栄養密度が高まると考えられます。

「そして低温環境から外に出たときに血管は再び拡張し、酸素と栄養が濃縮された血液が体中に流れ込みます。それによって筋肉の損傷や炎症を引き起こすバイオマーカー(※編集注:疾患の有無、病状の変化や治療の効果の指標となる生体内の物質を指す)が減少し、組織の回復が早まるのです」と、シャルマ氏は続けます。

つまり、遅発性筋肉痛(DOMS)(※編集注:過剰な運動や不慣れな運動をした翌日、もしくは翌々日になってから起こる筋肉の圧痛)に対する速効性があると解釈できます。

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4

パフォーマンスの向上 & 集中力アップ

アイスバス(氷風呂)
Cavan Images//Getty Images

「いつ、何を行うか?」というのは、常に重要です。筋力増強を目指すのであれば、トレーニング後のアイスバスは逆効果となるので控えるべきでしょう。

筋繊維の維持と修復にとって重要な役割を担うのが、いわゆる「サテライト細胞」です。低温に長く身体をさらしてしまうと、いつもであれば筋力トレーニング後に生じるはずのサテライト細胞の増加が妨げられてしまうこともあります。やるなら、トレーニング前の冷水浴がよいでしょう。

「身体を10℃の低温に2~3分間さらして「予冷」することでパフォーマンスが向上し、集中力とエネルギーとが高まるという効果を示す研究があります」とシャルマ氏。

5

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ベッカム
Jonathan Moscrop//Getty Images
6

減量効果

アイスバス(氷風呂)
Ivan Rodriguez Alba//Getty Images

カロリー制限には劣りますが、アイスバスによるダイエット効果は認められています*⁴

身体を低温環境にさらすことで、白色脂肪(※編集注:細胞内にエネルギーを中性脂肪として貯蔵する働きを持つ)を、より代謝活性の高い褐色脂肪(※編集注:血液中の遊離脂肪酸を取り込み熱を産生、熱放射することでエネルギーを放散する)へと変化させるということになります。

「褐色脂肪には、エネルギーを消費する働きがあります」と、シャルマ氏は言います。アイスバス未経験という人は、まずは30秒の冷水シャワーから始め、なれてきたら12~15℃の水風呂で身体をならしていくのがいいでしょう。

1桁台の温度にチャレンジするのは、アイスバスの経験者に限ります。「まずは毎週2~3回、一度につき10~15分程度から慎重に取り入れていくべき」、というのがシャルマ氏からのアドバイスです。

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7

うつ症状の軽減

アイスバス(氷風呂)
Michele Ursi//Getty Images

脳を守ることは、私たちにとって最重要課題の一つです。

そのためには、寒冷暴露(※編集注:氷に直接触れるなど、低温に身体をさらすこと)が役立つと言われています。「脳のシナプスの再生に寄与する低温ショックタンパク質が増加することが、研究によって明らかになっているのです」と、シャルマ氏は言います。

寒冷暴露は交感神経系を刺激し、アドレナリン*⁵の大量分泌を促すとも言われており、セロトニン*⁶やドーパミン*⁷といった快楽ホルモンも増加することから、ストレス対策にも効果的でしょう。

8

[脚注]

アイスバス
Ivan Rodriguez Alba

*1:Wim Hof(1959年生~)「アイスマン」の異名を持つオランダ人男性。彼は、極限の寒さに耐えることができる驚異的な能力を持ち、その能力を活かして様々な記録を樹立するなか、普通の人々よりも寒冷に耐えることができるようになるという「ヴィム・ホフ・メソッド (Wim Hof Method)」を開発。裸足で北極点の氷上を歩いたり、氷塊に2時間浸かったり、エベレストの標高7200メートルの地点でショーツと裸足でマラソンを行いなどしている

*2:Calum Sharma ロンドンのケンジントンにあるプライベートなジム環境と専門家の知識、最先端技術を組み合わせ、健康とフィットネスの最適化を図る「The Body Lab」 の運動科学責任者。

*3:Satellite cells 骨格筋の再生や修復に不可欠で、筋肉の成長や回復過程で新しい筋細胞をつくり出す能力をもつ筋幹細胞の一種。これらの細胞は筋繊維の表面に位置し、非活性状態で存在しているが、筋肉が損傷を受けたときに活性化され、分裂して新しい筋繊維を形成したり、損傷した筋繊維を修復したりすることができる。大阪大学の研究資料を参照

*4:一例としては、2015年に『Sports Medicine』で発表された、9つの研究を横断するメタ分析で、即効性と遅発効果という点で、冷水浸漬療法(CWI)の方がパッシブリカバリー(完全休養)より筋肉痛への効果が高いという結論が出ている。NIKE公式サイト内の記事を参照

*5:Adrenaline アドレナリンとは、腎臓の上にある副腎というところの中の髄質から分泌されるホルモン。主にストレスや危険が迫っている際に放出され、心拍数の増加やエネルギーの急速な放出を促す。日本成人病予防学会サイト内の当該ページを参照

*6:Serotonin 主に神経伝達物質として知られているが、体内の他の部分でホルモンとしての機能も果たす。特に消化器系で、腸の動きを調節する役割を担う。この二重の役割により、セロトニンは心理的な側面だけでなく、身体的な側面にも影響を及ぼす重要な化学物質と認識されている。厚生労働省が運営する「e-ヘルスネット」の当該ページを参照

*7:Dopamine 脳内で主に報酬や快楽、動機付けに関連する神経伝達物質として機能。また、運動や認知プロセスの調整にも重要な役割を果たしている。厚生労働省が運営する「e-ヘルスネット」の当該ページを参照

From: Men's Health UK
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