まだ知らない、もしくはまだ試していない方のために、(はたまた苦手という方にも)このボディビルダーとフィットネス愛好家たちに欠かせない食べ物「ブロッコリー」について少し解説しておきましょう。

 「いまさらブロッコリーについて、何を言おうっていうんだ?」と、思っている方も少なくないでしょう。が、栄養価が高く、毎日摂取しやすい…身近な存在の食べ物でありながら、「これほど貴重なものはない」と言えるのです。では改めて、その魅力について再確認していきましょう。

 ブロッコリーの歴史は、遡(さかのぼ)ること5000年以上前に栽培され始めました。この食べ物は筋肉を構築するのに、信じられないほど有効な成分を含んでいるという研結果もいまや多数。そして、それは鶏肉、卵、米やサツマイモとともに摂取すれば、より効果を発揮するというのです。

 栄養価の話をしましょう。

 ブロッコリーは100グラムあたり、炭水化物量はおよそ5.2グラム(茹でるとおよそ4.3グラム)。さらに脂肪はおよそ0.5グラム(茹でるとおよそ0.4グラム)、タンパク質はおよそ4.3グラム(茹でるとおよそ3.5グラム)となり、33キロカロリー(茹でるとおよそ27キロカロリー)となります(日本食品標準成分表より)。

 それだけでなく、ビタミン、ミネラル、食物繊維も豊富で、身体に必要な栄養素を簡単に摂取できるというすぐれた才能の持ち主なのです。ポイントとしては、牛乳よりもカルシウムが多く含まれているのですから…。

 しかし、素朴な疑問となりますが、なぜ、ブロッコリーが筋肉づくりにそこまで有効なのでしょうか?

 これは、筋量を抑制する遺伝子である「ミオスタチン」を減少させる化合物、「スルフォラファン」が含まれているためという研究結果があります。この「スルフォラファン」の効果については、芽キャベツによる研究で証明されています。それは私たちの筋肉を保護し、筋肉の変性を弱めることを示唆しているのです。

 では、ブロッコリーの栄養を最大限に摂取するには、どう調理したらいいでしょう。ブロッコリーの中で「スルフォラファン」が形成されるには、「ミロシナーゼ」という酵素が必要となります。つまり、この「ミロシナーゼ」が破壊されてしまうと、「スルフォラファン」も形成されなくなるわけです。

 「茹でる」「レンジで温める」「蒸す」という方法の比較実験があります。その結果、「ミロシナーゼ」を守るには「蒸す」⇒「レンジで温める」⇒「茹でる」という順でおすすめということ。ベストは「蒸す」で、その蒸し時間は5分以内に抑えるべきとも…。「茹でる」調理法の場合、その茹で時間が1分以下であっても、ほとんどの「ミロシナーゼ」が破壊されていた…という研究結果もあるので、これは認識しておいたほうがいいでしょう。

 ではここに、ブロッコリーを使用したレシピを1つご紹介しますので、ブロッコリーに魅力を感じた方はぜひ試してみてください。また、冷凍ブロッコリーなども販売されていますが、ここで紹介しているのは、生で販売されているブロッコリーを指しています。

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。


 

ニンニクと蒸したブロッコリー(二人前)

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【 用意するもの】

  • ブロッコリー1房
  • エクストラバージンオリーブオイル
  • にんにく

【レシピ】

  1. ブロッコリーをしっかりと水洗います。ビニール袋に房が浸かる程度の水と塩を入れ、その中で房を振ったのちに5~10分程度置きます。そうすることで、房の間に入り込んだ汚れを取り除くことができます。
  2. その後、ブロッコリーを蒸し器で4~8分ほど蒸します(栄養価を下げたくない方は、なるべく時間を減らして半生の味わいも楽しんでください。その間にニンニクを細かく刻み、オリーブオイルで茶色くなるまで炒めます。
  3. ブロッコリーが蒸し上がったら、食べやすい大きさにカットし、上に2で炒めたニンニクとオリーブオイルをかけます。

 電子レンジの場合は、より洗い物を少なく調理することができます。簡単に食欲そそるサラダがつくれるので、普段あまり料理をしない方でも簡単につくれることでしょう。ただし、蒸したものより酵素を逃していることは忘れずに…。

 また、サイドメニューとしてもぴったりなので、ぜひ試してみてください。

Source / MEN'S HEALTH ES