2021年1月6日(現地時間)、首都ワシントンD.C.のアメリカ合衆国議会議事堂(連邦議会議事堂)で起きた暴動から2時間後、ドナルド・トランプ大統領は、「(支持者の)皆さんの憤りは理解できるが、平和に、家へ帰りなさい」と、各SNSで声明を出しました。しかし、この内容が暴動を容認しているとして、各SNSはトランプ大統領のアカウントが停止されました。

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 しかしながら翌7日(現地時間)には、アカウントの停止が解除されます。すると、またもトランプ大統領は動画を投稿。次は打って変わって、支持者たちに「法律を破った人々は、代償を支払わなければならない」と語りかけています。そして、敗北宣言とも言える、選挙結果を承認したことを認め、ジョー・バイデン氏の大統領就任を「スムーズで秩序あるものにする」と約束しています。

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 米大統領選から2カ月弱が経過し、ようやくジョー・バイデン氏の勝利が確定。もうすぐ、正式に大統領となる就任式が行われようとしています。しかしこのコロナ禍でのイベントは、通常通りとはいかないようです。

 そこで、就任式に関しての予備知識を確認しておきましょう。

大統領就任式は、2021年1月20日を予定

 就任式でジョー・バイデン氏とカマラ・ハリス氏は、大統領就任合同委員会(JCCIC=The Joint Congressional Committee on Inaugural Ceremonies)の6人のメンバーと共に、連邦議会議事堂の西正面で宣誓します。就任式の主題は、「民主主義へのわれわれの堅い決意:完全なる結束に向けて(Our Determined Democracy: Forging a More Perfect Union)」です。

president elect biden announces pete buttigieg as transportation secretary nominee
Pool//Getty Images

コロナ禍の大統領就任式

 2021年に行われる就任式は、1901年にJCCICが結成されてから59回目の就任式となります。しかし、前例のない就任式となることは間違いありません。2020年12月にアメリカ合衆国下院院内総務のジム・クライバーン氏は目下のパンデミックを鑑み、従来の式典情事の多くをオンラインへと移行することを承認しました。

 「この就任式で、(イベントの)模範を示すことができるはずです」と、クライバーン氏は、MSNBCの「モーニングジョー」のインタビューで話しています。

 「それは、ハイブリッドと言えるかもしれません。バイデン氏は伝統的手法で宣誓しますが、この行事が始まって以来初となる、80%がバーチャルで行われる予定です」とも付け加えています。そしてクライバーン氏は、2020年8月に行われた野党・民主党の史上初となる「バーチャル党大会」が、モデルとなっていることも付け加えて話しています。

 そして2021年1月初旬に公表されたプレスリリースにでは、バイデン氏とハリス氏は「バーチャルパレード」によって参加するとのこと。

 「パレードはアメリカの英雄たちを祝し、さまざまな州や地域のあらゆる分野で活躍するアメリカ人を讃えながら、新しいアメリカの時代の幕開けにあたって国の多様性、さまざまな遺産、そして社会的回復力を反映します」とリリースにはつづられていました。パレードの具体的な参加者に関しては、まだ発表されていません。ですが、JCCICは「パンデミックの最前線にいるアメリカの英雄に敬意を表して、ミュージカル、地元のバンド、詩人、ダンスグループなどにスポットライト当てる…」ということです。

 就任式では次期大統領と次期副大統領による、恒例の連邦議会議事堂西正面での宣誓が行われます。ですが今回は、「厳重な安全衛生な儀式の実施」のために非常に縮小されたものとなる予定です。

  政権交代を象徴する伝統の、閲兵(えっぺい)「パス・イン・レビュー(Pass in Review)」では東側に配列した軍隊の前を次期大統領が見回ります。そして、バイデン次期大統領に対して、最も期待しているのが“アメリカ国民に対しての演説”だと、「New York Times」紙はつづっています。

 さらに、15番ストリートからホワイトハウスへの道のりは大統領の護衛を受け取り、「大勢の人や集まりを引き付けることなく、ホワイトハウスに進む大統領エレクトの歴史的なイメージをアメリカの人々と世界に提供します」。

 そうしてバイデン次期大統領は、護衛を受けながら15番街からホワイトハウスへと移動する姿を世界へと発信。そこで大勢の観衆の目をひきつけることもなく、ホワイトハウスへと向かう新たな就任式のイメージを、アメリカの人々、さらには世界へと発信することでしょう。

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2回目の祝賀会があるかもしれません

 パンデミックの脅威がそれほど顕著ではないかもしれない夏、おそらく2021年7月4日(アメリカ独立記念日)付近でクライバーン氏は、米CNNに対して「盛大な祝賀会が計画される可能性がある」と話していましたが…。

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 いずれにせよ世界の人々はこの日、歴史の新たな1ページとなる圧巻の就任式を目にすることでしょう。そして、「もう邪魔は入らないだろう」と願うばかりです。

Source / TOWN&COUNTRY US