いずれあの世で会いましょう
「亀仙人」となってはわれわれを鍛え、そしてその後は「悟飯」となってわれわれに努力・忍耐・勇気・優しさそして純粋さのもと生きること、その大切さを再確認させてくれた…だから今でも、「かめはめ波をそのうち放てる日が来るかも」とたまにやってみたりする筆者は、こう言わせていただきます。
「Thank you for everything...!
（鳥山さん、今までありがとう……！）」
そして、「Goodbye, Akira（バイバイあきら‼）」
『DRAGON BALL』や（筆者にとっては特に）『Dr.スランプ』など魅力的なキャラクターで国境や人種を超え、世界的な人気を得た作品を次々に世に送り出した漫画家、鳥山明氏が亡くなりました。享年68歳とのこと。
週刊『少年ジャンプ』の公式ホームによると、「鳥山明氏は3月1日に急性硬膜下血腫*¹による死亡」。葬儀に関しては、近親者のみですでに執り行われたということ。 3月8日（金）、ドラゴンボールオフィシャルサイト【日本語版】【English edition】【Version française】【Deutsche Version】【Versión en español】でも声明が発表されました（However, the text of the notice is only in Japanese and English.ただし、お知らせの文面は日本語と英語のみです）。
「熱心に取り掛かっていた仕事もたくさんあり、まだまだ成し遂げたいこともあったはずで、残念でなりません」
❝It's our deep regret that he still had several works in the middle of creation. He would have many more things to achieve. ❞
「ただ、故人は漫画家としていくつもの作品を世に残して参りました」
❝However, he has left many manga titles and works of art to this world,❞
「多くの世界中の方々に支持をいただき、45年以上にわたる創作活動を続けることができました。これからも鳥山明唯一無二の作品世界が、末長く皆様に愛され続けることを切に願いします」
❝Thanks to the support of so many people around the world, he has been able to continue his creative activities for over 45 years. We hope that Akira Toriyama's unique world of creation continues to be loved by everyone for a long time to come.❞
「生前のご厚誼（こうぎ）に深く感謝し、ここに謹んでお知らせいたします」
❝We inform you this sad news, with gratefulness for your kindness during his lifetime.❞
と、プロダクションである株式会社バード・スタジオとカプセルコーポレーション・トーキョーによる共同コメントは続きます。
私（筆者）が中2の頃だったと思います、高校受験前だったことは確か…。うちの祖母は「漫画なんて読んでたら、〇〇になるよ」派でしたので、私は漫画デビュー…つまり、友だちの話に着いていけるようにと『週刊少年ジャンプ』を購入したのがこのときだったのです。まさに自分にとって、“情念ジャンプ”でした。
田舎町特有のメリットでもある日曜日の夜間、街に一軒しかない書店の前の自動販売機で購入していたことを思い出します。その他、田舎の中学生に刺激的すぎるディスプレにも目もくれながら…（笑）。
そこで最初に自ら購入した週刊『少年ジャンプ』は、『Dr.スランプ』の連載スタートということで1話2話が同時掲載されていた号だったのです。それはもう最高でした。祖母の影響で半ば、「漫画なんて読んでるわ」と友人たちを蔑んでいたときもありました。しかしながら青春期に差し掛かると、なぜか気になってくる…。おそらく「友情」「努力」「勝利」に飢えていたのかも、それと同レべルで友人たちの会話についていきたい思いもあったのでしょう。
『Dr.スランプ』の凄さ
それはギャグ漫画でした。「友情」「努力」「勝利」という金魚を掬（すく）おうと思っていたら、あひるの人形を掬ってしまった感じでもあります（そして私は、救られるのです…）。おそらく高校2の頃まで、読んでいたと思います。主人公の則巻千兵衛がつくった女の子型ロボット「アラレちゃん」の振る舞いに夢中でした、
「んちゃ！」「ほよよ？」「キーーン」から「ツンツン」まで。
それに全体も、がっちゃん（ガジラ）にピースケ、木緑あかねにニコチャン大王、スッパマンにオボッチャマン…個性豊かなキャラクターたちが繰り広げるドタバタ劇はとても気持ちを晴れやかにしてくれたのです。ちなみに「かめはめ波」は身体に沁みついていましたが、「キーン」と言いながら（マッハ1.5<時速1800kmほどを目指し）走ることも、アレをツンツンして持ち歩いたりすることもさすがにすることはなくなっていましたが…。
天真爛漫なアラレちゃんを代表に、お人好しの千兵衛、ツンデレなスッパマン、お調子者のターボなど、魅力的なキャラクターたちの連続。そこにシュールなギャグ、ブラックユーモアやナンセンスなギャグを乗せ、軽快にニヤリとさせてくれました。ストーリーも決して型にはまらず、飽きることもなかった…。
そこのあるメッセージ
でもそれは、単なるギャグ漫画としてだけではなく、家族愛や友情、人生の教訓など、さまざまなテーマが扱われていました…いまとなって思い返せば、そんな心の中に痕跡がいくつか残っているのを感じ得ます。また、未来の科学技術や社会問題など、現代社会に通じる内容も描かれていました。
そしてその痕跡は、私の生き方に影響していたことも再確認できたのです…この悲しいお知らせによって。さまざまな角度からユーモアの大切さを教えてくれ、そして感動を与えてくれた鳥山明氏に感謝の意とともに、今までありがとうございました。
「人生は短い。だから、後悔のないように生きろ。」
"Life is short. So live it without regrets."
バイちゃ
[脚注]
*1：急性硬膜下血腫 頭部外傷によって脳の表面にある静脈が破綻し、硬膜と脳の間に出血が起こることで発生。短時間で大量に出血し、脳を圧迫するため、重症化するケースが多いのが特徴とのこと。主な症状としては頭痛、嘔吐、意識障害、半身麻痺などが挙げられ、これらの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診する必要がある。
急性硬膜下血腫の原因は主に2つ、①転倒や交通事故または暴行などによる 頭部外傷、② 脳動脈瘤破裂、脳静脈瘤破裂、脳出血などの脳血管障害。頭部外傷のほうが圧倒的に多く、高齢者や抗凝固薬を服用している人は発症リスクが高くなる。慶應義塾大学医学部外科 脳神経外科学教室サイト内の当該ページを参照
Referred to Digital Spy
