藤木直人さん
Makoto Nakagawa(CUBISM)
腕時計(ACT Line「CC4055-65E」)30万8000円(アテッサ/シチズン時計 TEL 0120-78-4807)、カーディガン3万6300円/J.プレス(J.プレス & サンズ 青山 TEL 03-6805-0315)、シャツ4万8400円/MANAVE/マナベ、パンツ3万800円/KHONOROGICA/コノロジカ(すべてHEMT PR TEL 03-6721-0882)、メガネ4万4000円/金子眼鏡(オプティシアン ロイド TEL 03-3423-0505)

人気俳優としてテレビドラマや映画を軸に活躍しながら、舞台にも立てば、ラジオパーソナリティもこなし、ときにはバラエティ番組のMCや声優も務めるマルチな才能の持ち主、藤木直人さん。さらにミュージシャンとしては、来年で音楽活動25周年を迎えます。

そんな多彩な顔を持ち合わせる藤木さんですが、これまで1人の人として、あるいは1人の表現者としてどのように時を重ねてきたのでしょうか。シチズン アテッサのフラッグシップモデル『アテッサ ACT Line(アクトライン)/「CC4055-65E」』を手に、藤木さんが言葉をひとつひとつ丁寧に選びながら語ってくれました。

どの作品も
偉大なる挑戦だった

「やっぱり一番は『運』ですね」

1995年、早稲田大学在学中に映画『花より男子』で俳優デビュー。それから四半世紀以上もの間、第一線で活躍し続けてこられた理由を尋ねると、藤木さんは即座にこう答えてくれました。

「自分に才能があるとは思っていません。ただ運だけはあるのかなと。作品だったり、共演者だったり、スタッフだったり。そういったすてきな巡り合わせを手繰り寄せる運だけは、間違いなく持っていたなと感じています」

芸能界に入るきっかけは、ファッション誌のモデルに自ら応募したこと。それでも、「何かを表現したいとか、クリエイトしたいといった本来的な欲求はあまりなかった」と、あくまで控えめに答えます。

藤木直人さん
Makoto Nakagawa(CUBISM)
腕時計(ACT Line「CC4055-65E」)30万8000円(アテッサ/シチズン時計 TEL 0120-78-4807)、スーツ55万円/FUMIYA HIRANO BESPOKE(FUMIYA HIRANO BESPOKE TEL 03-6712 6625)、シャツ、ネクタイ、シューズはスタイリスト私物

「ボクには双子の兄がいて、幼い頃は社交的で運動神経抜群の兄の陰に隠れているような存在でした。でも、どこかに『自分も兄のように目立ちたい。みんなに認めてもらいたい』という漠然とした思いはあったのかもしれません。ただ、目立ちたいというだけでその先に何かを表現したいとか、そういう欲求はなかった。いざ、この世界に飛び込んでから『とんでもなく大変なところに来ちゃったな…』と(笑)。もともと、何かを表現することが得意な人間ではないので」

軽やかで自然体。常にスマートで、何事も器用にこなすイメージの強い藤木さんですが、早稲田大学理工学部を卒業したことからもお分かりの通り、思考はロジカルでバリバリの理系人間なんだとか。

「なのに、なんでこんな文章の行間を読むことを必要とする俳優の仕事を続けているのか、ボク自身も不思議です。昔、バラエティ番組で『このまま時が止まればいいのに』みたいなロマンチックな意見に対し、ボクは『時は決して止まらないよ』と反論してしまって。『時は止まらないものだからこそ、一緒にいることに価値がある』と理屈っぽい考え方をするんです。要は、女性の心が分かっていないんです(笑)」

デビュー当時は、演技経験ゼロという手探り状態。おまけに本来は、人前に出て表現することが苦手なタイプ…。「毎回毎回、答えのないテストを受けているような気分でした」と呟(つぶや)きます。若き日の藤木さんにとって、作品ひとつひとつが大き過ぎる挑戦であり、全てがターニングポイントと言えるでしょう。慌ただしくも刺激的な毎日を過ごす中、当時の藤木さんにとって時計は自らを祝福する存在でもあったようです。

act line cc4055 65e
CITIZEN
今回、藤木さんが着用した腕時計(ACT Line「CC4055-65E」30万8000円(アテッサ/シチズン時計 TEL 0120-78-4807)

「俳優の仕事を始めた頃は、大きな仕事が終わったあとには自分へのご褒美として、ちょっと背伸びをしながら、その当時自分にとっては高価な時計を買ったことも何度かありましたね」

釣り竿もギターも腕時計も
気に入った1本さえあれば
それで満足

表現者としてマルチに活躍する藤木さんですが、釣りに始まり、料理やギター、スポーツ観戦にルービックキューブと、趣味が多彩なことでも知られています。

「釣りは好きです。基本的に船釣りが多いんですけど、船の予約が取れたら、それを励みに仕事をしているようなところはあります(笑)。釣った魚は自分で締めて料理します。せっかくいただく命なので、『できるだけおいしくいただきたい』と思って締め方も研究を重ねました。釣りって、締めて、料理をして、おいしくいただく。こんなに楽しみが詰まった趣味はなかなかないよな、と」

藤木直人さん
Makoto Nakagawa(CUBISM)
腕時計(ACT Line「CC4055-65E」)30万8000円(アテッサ/シチズン時計 TEL 0120-78-4807)、ジャケット8万2500円/tieorNOT/タイオアノット(HEMT PR TEL 03-6721-0882)シャツ4万6200円/CINOH/チノ(MOULD TEL 03-6805-1449)

となると、さぞ道具にもこだわり、いろいろなタイプの竿(さお)や仕掛けをお持ちと思ってしまうもの。ですが実際は、それとは正反対のタイプだと苦笑します。

「本来なら、釣る魚のパワーやその日の海のコンディション、仕掛けによって、ベストな竿も変わってくる。いろいろとそろえる必要があるのは分かっているけど、どうしても『この竿1本あればいいか』と思ってしまうタイプなんです。

実はギターも一緒です。『1本あれば、それでいい』みたいに考えてしまうんですよね。ギターによって音色が違うのはわかっているけど、自分の根本の心理としては『音色より大事なのは弾くフレーズだし、1本あればいいか』という感覚です」

実は今回の撮影では、藤木さんに愛用のギターをお持ちいただきました。撮影の空き時間、そのほんのわずかな時間でもギターを爪弾く姿が印象的でしたが、そのギターには深い思い入れがありました。

「これは自分がアーティストデビューする際に、『きちんとしたギターを1本買おう』と思って購入した、ギブソンの『レスポール』です。それまでは高校生の頃に買ったストラトタイプのギターを長いこと使っていました。もちろんライブではいろんなギターを弾かせてもらいますが、いまだに愛着があるのは、デビューからずっと一緒にいるこの『レスポール』1本なんですよね」

そう語ったうえでご自身の性格を改めて分析した結果、ひとつの結論めいたものにたどりついたと言います。

「結局ボクは、釣り竿にせよギターにせよ、道具よりも魚を釣ることだったり、ギターを弾くという行為自体に惹(ひ)かれているんだと思います。そういった意味からも、竿もギターもコレクターにはなれない。どちらかと言うと、ひとつのモノに愛情を注いで長く使い続けるタイプ、だから…時計も同じですね。気に入った1本とは、とことん長くつき合います。保守的な人間なんで(笑)」

藤木さんはそう話しながら撮影で使用した『アテッサ ACT Line/「CC4055-65E」』を手に取り、その感想を語ってくれました。

「着けてみてまず驚いたのが、この軽さ。でも、それでいて異なるいくつかのブラックが絶妙に重なり合って重厚感ある時計に仕上げられていて。そして、ずっしりとした着け心地を想像しながら装着してみたら、いい意味で予想を大きく裏切られました。とにかく軽くて。個人的にボリューム感がある時計が好きなのですが、長い間着けていると時計の重さで疲れてしまうこともある。でもこの時計は、その存在感や重厚感はありつつも、軽さも両立している。アクセサリー感覚と実用性が共存しているんですね」

藤木直人さん
Makoto Nakagawa(CUBISM)
腕時計(ACT Line「CC4055-65E」)30万8000円(アテッサ/シチズン時計 TEL 0120-78-4807)

『アテッサ ACT Line/「CC4055-65E」』に使用されている素材は、シチズン独自のチタニウム加工技術と表面硬化技術(デュラテクト)を施した「スーパーチタニウム™️」という先端素材。ステンレスに比べて約40%軽く、それと同時に5倍以上の表面硬度を実現しています。おまけに10気圧防水。つまり軽くてキズに強く、錆(さ)びにくいということ。

しかも、もともとはビジネスウオッチとしてスーツスタイルに似合うように開発が続けられてきたアテッサですが、ビジネスカジュアルが一般化していくなかで、ブランド自体もカジュアルシーンにも寄り添う時計として進化を遂げてきました。

例えばこの『アテッサ ACT Line/「CC4055-65E」』であれば、文字板を構成する各パーツに質感や色味が異なるいくつものブラックを重ねて使用することで、凛々(りり)しさやたくましさが付与されています。

それだけに、フォーマル度の高いスーツスタイルにも、Tシャツ1枚のカジュアルスタイルにもシームレスで持ち主の個性を引き立ててくれるはず。つまり、オン・オフを超えて活躍する1本なのです。そう、「釣り竿やギターも1本あればいい」と話す藤木さんのような、ひとつのモノを大切に長く愛用し続けるこだわり派にはうってつけの1本となるに違いありません。


cc4055 65e
act line「cc4055 65e」
CITIZEN

遊びも仕事も謳歌する男性のための腕時計

ACT Line(アクトライン)は、スーツスタイルとカジュアルの両方で使える、男らしくタフでシャープなデザインが魅力です。1987年のブランド誕生から35年を迎えた昨年に登場したモデルが、『アテッサ ACT Line/「CC4055-65E」』です。ベゼルからダイヤルに至るまで、素材や仕上げの異なる幅広い黒を用いたことで、力強く洗練された印象に仕上げられています。特にサファイアベゼルを採用したことで、エレガントさがより一層際立ちます。

シチズン独自の「スーパーチタニウム™️」を採用したケースは対傷性に優れ、軽く錆びにくいうえに、ステンレスの5倍以上の表面硬度を誇ります。「サテライト ウエーブ GPS」を搭載し、上空約2万kmの宇宙空間を周回するGPS衛星から位置・時刻情報を取得し、世界中どこにいても時刻・カレンダーを自動修正。世界を股にかけるジェットセッターにもうってつけの1本となっています。

CITIZEN ATTESAブランドサイト


時を重ねたことで、
現場を楽しめるようになった

俳優デビュー当時はその抜群のルックスを生かして二枚目の好青年を演じることが多かった藤木さんですが、年を経るにつれ、時に間の抜けたコミカルな役を演じたり、時にシリアスなダークヒーローに挑戦したりと、役者としての幅を広げてきました。

2008年に初舞台を踏むと、2015年には故 蜷川幸雄氏による海外公演に参加。翌2016年には蜷川氏の遺作となった『尺には尺を』で主演も務めています。2018年にはディズニー・ピクサーのアニメ映画『リメンバー・ミー』で日本語吹き替え版の主人公の相棒・ヘクターを担当しました。

「ブルース・リーが『Don‘t Think Feel!』と言っていたように、本来は無心で何かを表現するほうがいいのかもしれません。ですがボクは、いただいた脚本を読み込んで論理立てて考えていくタイプ。ただ、ひとつの作品にはいろいろな登場人物が出てきます…だから、1人くらいボクみたいな理系脳の役者がいても、逆に作品としては厚みが出ていいんじゃないかと思っています」

そう思えるようになったのも、「場数を踏み、経験を重ねたことで、ある種の手ごたえと、いい意味での諦めを感じられるようになったから」と笑います。「年を取ることがいいことか悪いことかはわかりません。ですが、いつの間にか現場を楽しめるようになってきました。年を取ったおかげかな」

藤木直人さん
Makoto Nakagawa(CUBISM)
腕時計(ACT Line「CC4055-65E」)30万8000円(アテッサ/シチズン時計 TEL 0120-78-4807)

時間とそれがもたらす経験は人を成長させる。静かに時を刻みながら、腕元から主(あるじ)の成長の過程をじっと見守る時計は、人生の相棒であり証人といった存在でしょう。そして行動こそが人生を切り開きます。その「行動」や「演じること」、さらには「Actor」などのワードにインスパイアされたネーミングを持つシチズン アテッサACT Line。そこには人生を演劇に見立てた際、「舞台上で躍動する表現者のように輝いてもらいたい」という願いが込められています。

藤木さんは現在、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に主人公のハリー・ポッター役として、2人の俳優が公演ごとに主役を務めるダブルキャストで主演(もう1名は大貫勇輔さん)を務めています。「演じることの責任を強く感じます」と語ったうえで、「心地よい挑戦を楽しんでいる」とも話します。

「映像の場合は寄り引きなどのカメラワークやカット割りなど、結局は編集という作業があります。でも、舞台は違います。板の上の役者たちが世界観をつくらなければならない。もちろん、セットだったり照明などの演出は入りますが、最終的には生身の人間の勝負。そこが難しいところであり、大きな魅力でもありますね。自問自答は続きますが、それも恵まれている証拠ですよね。いただいた役をひとつひとつ丁寧に、自分らしく、しっかりと考えながらやっていくだけ。いくつになっても挑戦の連続です」

そう話す藤木さんの手元には、この日の撮影で使用した『アテッサ ACT Line/「CC4055-65E」』に使用されているスーパーチタニウム™️は、デュラテクトDLCを施したブラックチタン™シリーズの一本。美しく繊細な黒がひと際輝いて見えます。

◇ ◇ ◇ ◇

PROFILE
ふじき なおひと/1972年7月19日生まれ。千葉県出身。早稲田大学理工学部情報学科卒。大学在学中にファッション誌のモデルに応募したことをきっかけに芸能界へ。1995年、映画『花より男子』でデビュー。大学卒業後は、連続テレビ小説「あすか」を始め、ドラマ「ナースのお仕事」シリーズ、「ホタルノヒカリ」シリーズ、「ラスト・シンデレラ」、「グッド・ドクター」、「なつぞら」、「恋なんて、本気でやってどうするの?」、「フィクサー season 1」など、多くの話題作に出演。2005年~2021年までトーク番組「おしゃれイズム」のパーソナリティを務め、2008年には舞台『冬の絵空』で初舞台も踏むなど、その活躍の幅を広げる。2018年にはディズニー・ピクサーのアニメ映画『リメンバー・ミー』の日本語吹き替え版で主人公の相棒・ヘクターを担当した。また役者活動と並行して音楽活動もスタートさせ、1999年に『世界の果て~the end of the world~』でCDデビュー。その後も精力的に活動を続け、2024年には音楽活動25周年を迎える。2023年12月30日まで、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に主人公のハリー・ポッター役として出演中。

【CITIZEN ATTESA ACT Line CC4055-65E

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・キャリバーF950
・ケースサイズ/径44.6mm × 厚さ15.4mm
・ケース素材/スーパーチタニウム™️
・ケース表面処理/デュラテクトDLC(ブラック色)
・ガラス/デュアル球面サファイアガラス(クラリティ・コーティング)
・動力/光発電エコ・ドライブ
電波受信/GPS衛星電波受信
持続時間/光発電5年(パワーセーブ作動時)
・防水/10気圧防水
・価格/30万8000円

●問い合わせ先
シチズン時計
TEL 0120-78-4807
ATTESAブランドサイト

ATTESA CC4055-65E


Model / Naohito Fujiki
Photo / Makoto Nakagawa(CUBISM)
Styling / Hirohiko Furuta
Hair & Make-up / Yachiyo Ohwatari
Text / Takehisa Mashimo
Edit / Ryutaro Hayashi(Hearst Digital Japan)