今回は30年ぶりに司会が不在なことや豪華プレゼンターが多数登場することが話題ですが、やはり見逃せないのは受賞結果とそのスピーチではないでしょうか。
そこで、今回はYouTubeでもっとも視聴されている受賞の瞬間と受賞者たちの名場面を、このタイミングで振り返ってみました…間違いなく、歴史に残る名シーンばかりです。
それがこちら。映画『しあわせの隠れ場所』で念願のオスカー像を手にすると、メリル・ストリープに対して、「あなたって本当にキスが上手」と話しかけたり、「数年前にジョージ・クルーニーが私をプールに投げ込んだことを、今でも根に持っている」と言ったりと…彼女らしいユーモラスな話術で、会場を大いに沸かしてくれました。
「僕は本当にラッキーな男だ」と喜びを隠しきれない様子を見せつつも、「この賞は、ALSと闘っている世界中の人々のものです」と、声を震わせながらスピーチを披露したのでした。
『ゴッドファーザー』のマーロン(左)と、プレゼンターのロジャー・ムーアからオスカー像を渡されるも拒否するサシーン(右)。
マーロンの狙いは、サシーンに代理でスピーチをさせ、映画業界におけるネイティブアメリカンの不当な描かれ方を訴えることでした。ですが、プロデューサーからの圧力や時間の関係上、サシーンは彼のスピーチを壇上で読むことができず、結局、アドリブで話すに終わってしまったのでした…。
ロベルト・ベニーニの椅子渡りは印象的
監督・脚本・主演を務めたイタリアを代表する俳優ロベルト・ベニーニは、同じくイタリア出身の大女優ソフィア・ローレンに名前を呼ばれると、椅子の上に立ち上がったり、ぴょんぴょん飛び跳ねたり、全身で喜びを表現。イタリア語訛りの英語で、やや大げさなほどエモーショナルなスピーチを披露してくれました。ロベルトは今作で、主演男優賞も受賞しています。
ジョークを忘れないジェニファーに拍手!
照れながらも、「今みんなが立ち上がって拍手をしてくれてるのは、私が転んじゃってかわいそうだからでしょ? でも、ありがとう」と、開口一番ジョークを飛ばしてみせたジェニファー。ちなみに、ここで後ろから助けようと駆け寄っているのはヒュー・ジャックマンです。
念願の授賞に多くの人の目にも涙と笑いが…
2009年、第81回アカデミー賞にて、映画『愛を読むひと』は作品賞を含む5部門にノミネートされ、ケイト・ウィンスレットが念願の主演女優賞を受賞しました。壇上でハートフルなスピーチを披露すると、自然とオーディエンスも笑顔に…。ケイトの呼びかけに、口笛で応じたケイトパパが実におちゃめでかわいいです!
73歳の現役宣言!
「ハリウッドでは一定の年齢に達すると、プロデューサーたちが『彼にやらせて大丈夫か? 若い役者に老けメイクをして演じさせたほうがいいのでは?』とか言い始める。だから、こんなことをやってみせるよ」と言ったかと思うと、突然、片手で腕立て伏せを始め「こんなの大したことないよ。両手なら一晩中やってられる」と、しっかり現役アピールしていました。すると、会場からは爆笑&拍手喝采が…。後ろで大爆笑しているプレゼンターのウーピー・ゴールドバーグにも注目してください。
「今夜、あなたがここにいなくて残念だけれど…」
キムはまず、今まで息子ヒースを支えてくれたすべての人に謝辞を述べ、サリーは彼の功績を称えました。そしてケイトが、ヒースである「愛娘マチルダに賞を捧げたい」と伝えると、会場からは大きな拍手が…。その様子は、涙なしには観ることはできないでしょう…。
すべて「Alright, alright, alright」
そして、主演男優賞に輝いたマシュー。彼はステージで自分が尊敬する人(神様)、会うのが楽しみな人(家族)、そして目標にしている人(10年後の自分)に感謝の気持ちを伝え、そして最後に自身のデビュー作『バッド・チューニング』(1993年)の名ゼリフ「Alright, alright, alright」をスピーチに織り交ぜたのです。その見事なスピーチ構成と言葉のセンス、見習いたいところですね。
「レヴェナントの制作は、人間と自然界との関係について…でした」
「喜びもひとしお!」かと思いきや、意外と冷静な様子でスピーチを行い、最後に「気候変動は実際に起きている。全人類が直面している最も緊急かつ危険な脅威なのです」とのメッセージを発信。それを祈るように見守る、戦友ケイト・ウィンスレットの姿も印象的です。