2018.03.29

老舗銃器メーカーが倒産...

米国最古の銃器メーカーは、なぜ経営破綻に追い込まれたのか?

今週アメリカでは、銃暴力への議論が重要な局面を迎えていました。そんななか、ある老舗銃器メーカー倒産のニュースが全米を驚かせたのです。

米国最古の銃器メーカーは、なぜ経営破綻に追い込まれたのか?
Getty Images

 
Why Did One of America's Oldest Gun Manufacturers File for Bankruptcy? 
 

 米国では、この1週間が「銃規制に関する議論や米国の過激な銃文化に対抗する取り組みにとってターニングポイントとなった」とする声がすでに上がっています。子どもたちは、大人の指導者たちが銃規制に失敗したことに気づき、自ら立ち上がり、そして行動を起こし始めたのです。  
 
 このような動きは、リック・サントラム氏のような銃過激派の中でも「知性派」からも、短絡的な発言を引き出しましたのでした。 
 
 サントラム氏は全国放送で、「代数の授業中に銃乱射に巻き込まれて死にたくない子どもたちは、心肺蘇生術を習得すべきだ」と発言。
 
 悪意と冷淡さに満ちたこの態度は、銃乱射事件があったパークランドの高校の生徒たちを公然と嘲った「NRA TV(全米ライフル協会が運営するテレビ番組)」の司会者に続くもので、彼らの人間性を物語っています。そして、そんな転換点となった1週間の最後に届いたのが、米国で最も古い銃器メーカーの倒産のニュースだったのです。 
  
 1816年にニューヨーク州北部で創業されたレミントン・アウトドアは、2018年3月25日にデラウェア州の破産裁判所に連邦破産法11条の適用を申請。悲しいほどタイミングの良いことに、この申請は2月14日にパークランドのマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で発生した銃乱射事件を受けて、1カ月以上遅れていました。「ウォール・ストリート・ジャーナル(以下、WSJ)」紙によれば、レミントンの倒産は長年の経営不振によるもので、同社は破産手続の間も事業を継続する予定であるといいます。
 

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Photograph / Getty Images 
 
 
 レミントンが低迷に陥った理由の1つには、サンディフック小学校での銃乱射事件(2012年12月14日9時35分)があります。
 
 この事件では、ブッシュマスター(レミントンの子会社)製の自動小銃「AR-15」を持った男が、児童20人と教員6人を射殺。この事件により、一部の投資家がレミントンから資金を引き揚げ、数年後には犠牲者の遺族9組が同社を訴えていました。
 
 この訴訟については、まもなくコネチカット州最高裁で争われる予定となっており、WSJによれば「レミントンが民間向けの使用に、不適切な武器を製造・販売した責任があるか」について、この裁判で判決が下される見込みだといいます。銃火器業界は、この訴訟を注意深く見守っています。 
 
 しかし、レミントンにとって決定的な一撃となったのは、ドナルド・トランプ大統領の当選による売上の低迷だったようです。
 
 銃社会の米国では、銃乱射事件や大統領選における民主党候補の勝利の後に、銃火器の販売数が急増する異様な現象があります。銃規制を強化する政策への懸念から、多くの人々が駆け込みで銃を購入するためです。WSJによれば、多くの銃メーカーは大統領選でのヒラリー・クリントンの勝利を予想し、大量の在庫を用意していたということなのです。(次ページへつづく)

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By Jack Holmes on March 26, 2018
Photos by Getty Images
ESQUIRE US 原文(English)
 
TRANSLATION BY Wataru Nakamura 
※この翻訳は抄訳です。
編集者:山野井 俊

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