これまでのところ「バーチャル窓」は受け入れられていますが、普通の窓が“まったくない飛行機”とはいったいどんなものなのでしょうか? 一般の乗客は受け入れらるのでしょうか…。
Getty Images / STAN HONDA / AFP
Emirates Is Pushing Toward a Future of Windowless Planes
「窓がまったくない飛行機」と聞くと、あまり快適な空の旅を提供してくれるようには思えないかもしれません。
ですが、エミレーツ航空のティム・クラーク会長は、将来的にそんな飛行機を開発すると決めているようです。この飛行機では、乗客は光ファイバーカメラの映像で外の様子を見ることができるといい、クラーク会長はこの映像について「窓の外を目で見るよりも綺麗に、そしてはっきりと見えます」と語っています。
クラーク会長によれば、「窓なし飛行機」には様々なメリットがあるそうです。
「“外から見ると窓がないのに中に入ると窓がある飛行機”を想像してみてください。窓がないことで、胴体部分の構造的な弱点がなくなります。飛行機はより軽くなり、速度も上がります。燃費も良くなり、高いところを飛べるんです」と、クラーク会長は説明します。
ドバイ政府の投資会社が全面的に所有するエミレーツ航空は、航空技術において長年最先端を走ってきました。同社は2017年、ファーストクラスに複数の新設備を導入。このなかには、真ん中の座席から外の映像が見られる「バーチャル窓」も含まれていました。
エミレーツ航空がツイートした写真は、ブリュッセル行きのEK183のバーチャル窓の景色です。
当然ながらこのような切り替えには、バーチャル窓への絶対の自信が必要となるでしょう。これらの窓が一瞬でも正常に動作しなければ、乗客は不快感を覚え、外の様子が見えないことで閉所恐怖症になることさえあるかもしれません。外が見えないこと自体は、必ずしも危険ではなくとも「ゾッ」とすることでしょうから。
そして、飛行機が緊急事態に陥った場合には、乗客には外の状況を確認する権利もあるでしょう。
この「窓なし飛行機」については、専門家もあまり前向きに捉えてはいないようです。
『BBC』が話を聞いた航空専門家のジョン・ストリックランド氏は、「窓をなくすことが機体を軽くし、構造的にも丈夫にすることで燃費を向上させる可能性がある」としつつも、実際にこういった飛行機に乗ることには、「気がすすみませんね」としています。
「私は、どちらかというと窓側が好きです。私にとって人工の窓は、その代わりにはならないと思うのですが…」と、ストリックランド氏はインタビューを締めくくっています。
実際に想像してみて、皆さんはどう思われたでしょうか?
世界屈指のおもてなしを提供するエミレーツ航空の知られざる素顔とは!?「PART 1:機内・ラウンジ編」
世界屈指のおもてなしを提供するエミレーツ航空の知られざる素顔とは!?「PART 2:ワイン・シャンパン編」