2018年4月上旬、イーロン・マスク氏が「テスラが破産する」というエイプリルフールのジョークをツイートしたことで、同社の時価総額が25億ドル(約2700億円)も減少していました。

そして、同社が手がける「モデル3」の生産台数が目標に達していないというニュースも流れていました。さすがのマスク氏でも、いささかストレスを感じている可能性がふたつのニュースからは思い浮かびます。

私たち凡人なら、ストレスを感じると、ソファに腰を据えてテレビで再放送番組を観ながら、ギネスビールを6本ほど空けるところでしょう。しかし、マスク氏の場合は違います。彼のストレスは、そんな対処法で乗り切れるものではありません。彼のストレスへの対処法は、「崖っぷちに立たされた天才」にしか感じることのできないものだったのです。

TV番組「CBS This Morning」とのインタビューの中で、マスク氏は仕事が忙しすぎて、家に帰る時間もシャワーを浴びる時間もない状況であることを認めていました。

「ストレスを感じているのは間違いない。つまり……ここ数カ月間、われわれは信じられないほど困難で苦しい状況におかれている」と、マスク氏はコメントしていました。

「苦しいですか?」と番組司会者が切り返すと、マスク氏は「もちろん、間違いない。私は、このところずっと工場の床の上で寝ているが、それは床で寝るのが楽しいからではない。(工場の床で寝るのは)まったくひどいものだ」と答えました。

さらに、「工場の床で寝ているとは。なんで、あなたはそんなことをしているのですか」と司会者が尋ねると、マスク氏は「家に帰る時間も、シャワーを浴びる時間もないからだ」と答えました。

マスク氏のために記すと、彼はこの答えに続けて、自分は部下に責任を委譲するというやり方が正しいとは思わないと説明していました。これは私たちの誰もが理解でき、評価できる考えです。

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「従業員が困難な状況に置かれていても、CEOは休暇をとって構わないという考えを私は正しいとは思わない」とマスク氏は言いました。

「私自身、『モデル3』の製造現場に張りついて、いろんな問題をできるだけ自分の手で解決しようとしている。われわれは休日返上で働き、問題を解決しようとしている。そして私自身、午前2時にゾーン2にあるモジュール製造ラインに立って、ロボットの微調整に関する問題の原因を見つけ出す手伝いをしている」と、マスク氏はコメントしています。

われわれにはまったく理解できない話ですが、マスク氏にとって当たり前の話なのかもしれません。

Source / ESQUIRE UK
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。