ポルシェ「911」の販売戦略は、まさに順風満帆といったところでしょう。次から次へとパワフルな新型車を人々の期待通りに投下し続けています。もし、これまでの流れの通りであれば、次に登場するのは自然吸気エンジンの992世代「991 GT3」の新型「RS」になると見込まれます。

サーキット感覚な走りのシンボル「RS」

「RS」という2文字は、あらゆる意味で最高峰に君臨する「911」にのみ冠することを許されてきた伝統のシンボル。ドイツ語で「Rennsport(レン・シュポルト)」、英語では「Racing Sports」という名は、サーキット用に特別設計されたレーシングカーに限りなく近い存在としてのシンボルであり証なのです。

コレクターの間では、今なお数百万ドルの値が付くほどに人気の1973年型「911カレラRS」に始まり、およそ50年に及ぶ歴史を誇るまでになりました。近年では「GT2」、「GT3」、「GT4」の中でも特に競争力の高いモデルに「RS」のブランドが授けられています。

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KGP PHOTOGRAPHY//Car and Driver

気になるエンジン、その他仕様は…?

ポルシェ「911 GT3 RS」の仕様に関して、既存の「GT3」の自然吸気4.0リッター並列6気筒エンジンが搭載されることが判明しています。503馬力という「GT3」のパワーを上回る能力となることに疑いを挟む余地などないでしょう。

レース仕様の「911」は全輪駆動なので重量があり、メカニズムは複雑にならざるを得ません。ですが、最新モデル「911 GT3 RS」は後輪駆動のみということなので、その心配はないでしょう。もちろん、マニュアル車仕様の「RS」は魅力的ですが、新型「RS」はデュアルクラッチオートマチックのみとなる可能性が極めて高いと思われます。

レース仕様の「RSR」よりひと回り大きいと思われる、スワンネック型ダブルプレーン・リアウイングを装備した初期段階のプロトタイプの姿も密かに撮影されています。そのことからも、巨大なダウンフォースによって従来型の「GT3」に備わる驚異的なサーキット走行性能をさらに向上させた「RS」であることが推察できます。

これにより、前世代の「GT2 RS」がニュルブルクリンク・ノルドシュライフェで叩き出した6分43秒3という最速タイムの更新も大いに期待されます。気になるのが価格です。詳細は明らかになっていませんが、「GT3」の16万3750ドル(約2100万円)より高額となることは確実でしょう。

Source / Road & Track
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です