この映画は、ルルーシュ監督が1976年に発表した短編映画『C’était Un Rendez-Vous(ランデヴー)』から着想を得ている作品になります。
この『ランデヴー』ではフェラーリ「275 GTB」がエンジン音を轟かせて早朝のパリを疾走しましたが、今回の新たな映画『Le Grand Rendez-Vous(ル・グラン・ランデヴー)』では、フェラーリ初の量産ハイブリッドモデルであるフェラーリ「SF90ストラダーレ」が主役として登場しています。
そして、半分電気仕掛けのフェラーリを駆る男はモナコ出身のレーシングドライバー、2019年のキミ・ライコネンと入れ替わるカタチでスクーデリア・フェラーリに加入したシャルル・ルクレール。この22歳のモナコ人初フェラーリ正ドライバーがステアリングを握り、自国であるモナコの市街地コースで熱い走りを披露したのでした…。
道路を封鎖し、パワー全開
撮影時には道路を封鎖したので、「SF90ストラダーレ」は総出力1000 CV 、0-100 km/h加速2.5秒を誇るフルパワーを見せつけてくれるでしょう。映画のタイトルである「偉大なるデート」とは何なのか? その回答を目指す途中で、「SF90ストラダーレ」は最高240km/hもの速度に達しています。
映画には、モナコ公国のアルベール2世公殿下もカメオ出演。さらにフェラーリ会長ジョン・エルカン氏、さらにモナコ公室のアンドレア・カシラギ氏と弟のピエール・カシラギ氏夫妻が撮影現場を訪れました。また、フランスとモナコではロックダウンが徐々に緩和されており、地元当局の慎重な監督のもと、熱狂的なファンがバルコニーや道路脇から撮影を見守ってもいました。
この短編映画『ル・グラン・ランデヴー』は、2020年6月13日Canal +で放送される予定となっています。 ちなみに日本での公開は未定です。
新しい日常、再出発へのメッセージ
今回の撮影について、フェラーリは以下のようにコメントしています。
「何より重要なのは、各々の責任ある行動、献身、連帯によってパンデミックを乗り越える努力が続く中、総出力1,000CVを誇るハイブリッドV8の咆哮にのせて、モータースポーツや映画、社会生活の再開に向けた最初の一歩を知らせる明るいメッセージが響きわたったことだ」
これは、パンデミック後の「New Normal」そして「新しい生活様式」に向けた歩みが、これから徐々に進展していくことを示すものとなるでしょう。また、このコロナ禍において、さまざまな制限によって大きな打撃を受けた映画産業にとっても「グレート・リセット」からの再出発を象徴する、素晴らしいメッセージになることでしょう。
フェラーリはこれまでの数カ月間、医療施設への医療機器の提供やマラネッロ工場においての人工呼吸器用バルブの生産、さらに資金集めなどなど、物理的にもさまざまな支援策を通して新型コロナウイルスとの闘いに取り組んでいました。最近では、新しい肺換気装置「FI5」を設計するにあたり、その技術移転も表明。世界中で利用できるよう、この技術をオープンソースとして提供しています。
そんなフェラーリは物理的な面ばかりでなく、このような映画によって精神的なサポートも行っているのでした…。