ブラッド・ピットが
撮影でF1イギリスGPに登場
私（筆者ブレディ・ラングマン）は30年近い人生の中で、野球界のスーパースターになりたかったときもありました。また、ジミー・バフェットが自身の名曲と同名のレストラン＆バー「マルガリータビル」にいるような、名ミクソロジスト（野菜、果物、ハーブなどを使って新鮮なカクテルをつくる人）になりたかったときも…。そして現在は、雑誌の編集者になることですが…その夢も捨て、ついに心の底からなりたいものが見つかりました。それは、ソニー・ヘイズです。
“ソニー・ヘイズ”とは、最新映画の中に登場する架空のF1チーム「APXGP」のベテランドライバーです。その映画とはアップル・オリジナル・フィルムズによって、『トップガン マーヴェリック』も手掛けたジョセフ・コシンスキー監督の次回作として製作中のF1アクション映画（タイトルは未定）に登場する人物。そしてその役は、ブラッド・ピットが演じています。
そんなヘイズは7月9日（日）、シルバーストンで行なわれたF1イギリスGP決勝フォーメーションラップに既存の10チームに加えて、「APXGP」も参加。同僚のドライバーであるジョシュア・ピアース（ダムソン・イドリス）とともに撮影を行い、シルバーストンに集まったファンを魅了しました。ちなみにピットの映画製作会社「プランBエンターテインメント」はもちろんですが、エンターテインメント情報中心のニュースサイト「DEADLINE」によれば、F1ドライバーであるルイス・ハミルトンもこの製作に携わっているとのこと。
撮影はこのF1イギリスGP期間中行われ、シルバーストンのパドックにはAPXGPのガレージがスクーデリア・フェラーリとメルセデスAMG F1の間に登場。あいにくの雨となったグランプリ2日目も含めて、APXGPのマシンが複数回シルバーストンを走りました。アメリカのスポーツ専門チャンネル「ESPN」によれば、そのマシンは一見現行のF1マシンにも見えるのですが実は、メルセデスの協力を得てF1マシンの形状に模して改造したF2マシンだそうです。
決勝に先立って行なわれたセレモニーでは、写真のようにピットとダムソン・イドリスはAPXGPのレーシングスーツに身を包んで登場し、イギリス国歌斉唱の際にはレッドブルのマックス・フェルスタッペンの隣にふたりが並んでいました。
ピットはイギリスのスポーツ専門チャンネル「Sky Sports」に次のように語っています。
「ここにいられて最高。笑いが絶えない、人生最高の時間です」
この映画の公開日は未定ですが、ピットはその内容について少し詳細を明かしてもいました。
「サニー・ヘイズはひどい事故を経験したのち、挫折して表舞台から姿を消しました。でも、他の種目でレースを続けているんです。そこでハビエル・バルデム演じるヘイズの友人でもあるチームのオーナーがいるのですが…彼はグリッド（レース開始前の隊列順位。一般には、予選のレースでのタイムが早かった順になる）で言うなら21、22番目…つまり、最下位のオーナーで一度もポイントを取ったことがありません。そんな彼が、ダムソン・イドリス演じる若き天才ドライバーがいるチームに、最後の希望のつもりで私を連れてきて騒動が起こるという話です」
ピットはまた、前作『トップガン マーヴェリック』のように、コシンスキー監督お得意のカメラトリックが見られることもほのめかしました。
「何がすごいかって言うと、車内のあちこちにカメラが取りつけられているんです。こんなスピードも、こんなGフォース（重力加速度）がかかった映像も見たことがありません」
でも、今はそんなことは考えてほしくありません。この瞬間に私はただ、ピットのF1姿のかっこよさ、そしてリアリティさに注目してほしいのです。
下の写真を観てください。広告だらけの白いレーシングスーツを着て芝生を闊歩する彼は、詮索好きなジャーナリストや新聞記者も気にしません。レーシングスーツのジッパーを開けていて、小さなレーシング・ブーティまで履いているのはソニー・ヘイズならではのスタイルです。
とにかく、ソニー・ヘイズがもしこれを読んでいるなら、「僕のヒーローだ」と伝えたいです。ですが現在は、全米映画俳優組合のストライキの影響で撮影が中断しているようなので、撮影再開の情報を待つとしましょう。
source / ESQUIRE US
※この翻訳は抄訳です
