新型コロナウイルスと
夏風邪はどこが違う?

夏風邪の症状として咽頭痛(のどの痛み)や発熱が挙げられます。そもそも「夏風邪」とは、梅雨から夏季にかけて流行するウイルス感染症の総称。発熱、のどの痛み、鼻汁、せきなどが主な夏風邪の症状で、下痢や腹痛を伴うこともあります。

厚生労働省作成の新型コロナウイルス感染症診療の手引きによると、初期症状は多くの症例で、発熱、呼吸器症状(鼻づまり、鼻水、咽頭痛、せき)、頭痛、倦怠感などとなっており、医師であっても夏風邪と新型コロナウイルス感染症を症状のみで見分けることは非常に難しいと言われています。もし風邪のような症状があった場合には、自分で判断せず医療機関に相談しましょう。

夏風邪を予防するには


新型コロナウイルスと同じく、夏風邪の原因もウイルスです。ウイルス感染の多くは、せきやくしゃみによって飛んだしぶきに含まれたウイルスを吸い込むことなどによる飛沫感染です。マスクの着用、手洗いうがいをこまめに行うことを徹底することで予防へとつながります。マスクはウイルスを通さないものを選び、サイズの合ったものを使用しましょう。

風邪,コロナ
metamorworks//Getty Images
新型コロナウイルスと夏風邪の違いはどこにある?また、夏風邪を予防するためにはどのような食事を心掛けるとよいのでしょうか?

特に夏は暑さで寝苦しく、睡眠不足になったり、食欲が落ちて栄養不足になったりすると免疫機能が低下しやすくなります。また、冷房が効いた室内と暑い室外で気温差や湿度差が大きいと、自律神経が乱れて体温調節ができなくなります。

風邪のウイルスが体内に入ると、鼻水やせき、のどの痛み、発熱などの症状が出ます。これらの症状は、体内の免疫システムが正常に作動している証拠でもあります。回復が早ければいいのですが、免疫機能が低下していると、逆に症状をこじらせたり長引いたりしてしまいます。

免疫機能を低下させない食事


新型コロナウイルスも夏風邪も、ウイルス感染で起こる病気。健康的な食習慣を普段から心掛けることは、ウイルスに負けない体づくりにもつながります。免疫機能を低下させないためにはどんなものを食べたらよいのでしょうか?

【タンパク質】

多く含まれる食品:
肉、魚介類、卵、大豆製品など

タンパク質,プロテイン
Artemidovna//Getty Images

体づくりのベースとなる栄養素です。不足すると体力が落ちやすくなります。食欲がないときは、食べやすいそうめんやそばにトッピングして食べる、卵雑炊や納豆汁など、のど越しのよい料理にして食べるのもおすすめです。

【ビタミンC】

多く含まれる食品:
緑黄色野菜、果物など

ビタミンc
yulka3ice//Getty Images

抗酸化作用があり、免疫機能に働きかける栄養素です。水溶性のビタミンなので、熱に弱く、生で食べるのがおすすめです。キウイフルーツやオレンジ、小松菜などをミキサーにかけてジュースにすると、食欲がないときでも取り入れやすくなります。

【ビタミンA】

多く含まれる食品:
レバー、ウナギ、緑黄色野菜など

ビタミンa
LumenSt//Getty Images

のどや鼻の粘膜を保護、強化してくれる栄養素です。脂溶性のビタミンなので、油と合わせて調理することで吸収率が高まります。レバニラ炒めや野菜炒めなど、油で炒めて調理しましょう。また、食欲がないときは、ウナギを細かく刻み、ご飯に盛り付けだしをかけて食べる、うなぎ茶漬けもおすすめです。抗菌作用のあるネギやショウガを薬味にして取り入れるのもよいでしょう。

【ビタミンB2】

多く含まれる食品:
レバー、ウナギ、ブリ、卵、モロヘイヤなど

細胞の再生を助け、粘膜を保護する栄養素です。卵は、タンパク質も含み消化もよいため、ご飯や麺類に合わせたり、汁物に入れたりと調理アレンジもしやすい食材です。

【ビタミンB6】

多く含まれる食品:
マグロ、カツオ、鮭など

vitamin b6
photka//Getty Images

免疫細胞や皮膚、粘膜の細胞を構成するタンパク質を合成するのに必要な栄養素です。魚に多く含まれています。煮魚や鮭雑炊など、やわらかく煮込むことで消化がよくなり、取り入れやすくなります。

【発酵食品、食物繊維】

多く含まれる食品:
キムチ、みそ、ヨーグルト、納豆、野菜、キノコ類など

腸内環境を整えたり、腸の働きを活発にしたりする食品を取ることも、風邪を引きにくくなることにつながります。食欲がないときは、タンパク質を含むヨーグルトはのど越しもよくおすすめです。みそ汁に納豆や野菜、キノコを小さく切って入れ、よく煮込むことでも食べやすくなります。

もし風邪をひいてしまったら


風邪が悪化しているときは、体力を消耗する一方で消化吸収力が低下しています。消化のいい食事を基本にして、エネルギー源となるご飯、パン、麺類などの糖質の多い主食をしっかり取るようにしましょう。

のどが痛いときは、食材を小さく切って飲み込みやすいようにやわらかく調理します。熱すぎるものや辛いものは、のどへの刺激が強いので避けましょう。

熱があるときは、脱水症状にならないようにこまめに水分補給をすることが大事。食事も、スープや雑炊、おかゆなど、汁気が多いものを積極的に取り入れていきましょう。

chinese rice porridge
yipengge//Getty Images

下痢のときは、普段よりも多量に体から水分が排出されるため、水分不足になりやすく、ミネラルバランスも崩れがちです。イオン飲料や海藻や野菜のスープなどを取り入れて、水分とミネラルを補いましょう。腸の働きが鈍り、栄養素が吸収されにくい状態のため、消化のいいものをやわらかく調理することがポイントです。ご飯と白身魚、卵などを煮込んで雑炊にしてもいいですし、人参やカブ、大根、キャベツなどの野菜は、じっくり煮込めばやわらかくなります。

「風邪かな?」と思ったら、体を温め、温かい食事を取り、安静にして十分に睡眠を取り入れながら長引かせないようにしましょう。

ダイヤモンドオンラインのロゴ
DIAMOND online