俳優だけでなくプロデューサーとしての活躍が高く評価されてきたマイケル・ダグラスが、2023年5月16日から開催される第76回カンヌ国際映画祭で名誉賞パルム・ドール・ドヌールを授与されることが公式に発表されました。

michael douglas in 'wall street'
Sunset Boulevard//Getty Images
『ウォール街』より。

偉大なハリウッドスター、カーク・ダグラスの息子として生まれ、俳優デビュー前に映画製作の現場に入ったマイケル・ダグラス。俳優業はテレビ出演からスタートしつつ、アカデミー賞史上に燦然(さんぜん)と輝く作品『カッコーの巣の上で』(1975)をプロデュースしたことで一気に注目を浴びました。しかし、ようやく俳優業でオスカーを獲得できたのはそれから10年以上経てから。主演男優賞を獲得した『ウォール街』(1987)で、彼が演じた投資家ゴードン・ゲッコーは今や「強欲(greed)」の代名詞となっています。 

michael douglas and sharon stone in 'basic instinct'
Columbia TriStar//Getty Images
『氷の微笑』より、シャロン・ストーンと。

プロデュース作品は冒険活劇『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』(1984)から、核開発の危機を訴えた『チャイナ・シンドローム』(1979)まで多岐にわたり、出演作品は『危険な情事』(1987)『氷の微笑』(1992)『ディスクロージャー』(1994)『恋するリベラーチェ』(2013)、そしてマーベル・シネマティック・ユニバースの『アントマン』シリーズなどなど世界的ヒット作が並びます。

同時に反原発活動、キャサリン・ゼタ=ジョーンズとの25歳差婚、セックス依存症や性感染症に関する発言など、話題にも事欠かないまさにハリウッドスター然とした経歴の持ち主。そんな彼は、受賞にあたりこうコメントを残しています。

'behind the candelabra' photocall the 66th annual cannes film festival
Dave J Hogan//Getty Images
2013年、第66回カンヌ映画祭にて。

「勇敢なクリエイターや、大胆な芸術性、物語る素晴らしさ表現する優れたプラットフォームを提供してきたカンヌ。そのフレッシュな空気感はいつだって最高の舞台です。私が最初に訪れたのは1979年、『チャイナ・シンドローム』のとき。直近は『恋するリベラーチェ』上映時の2013年でしたが、この映画祭はいつも思い出させてくれます。映画の魔法はスクリーン上で観るものだけではなく、世界中の人たちが与え合うその力にあるのだということを。この業界に携わり50年余りになりますが、クロワゼット大通り(カンヌの目抜き通り)に戻り、映画という世界共通言語を皆と共有することを光栄に感じています」 

特別ドキュメンタリー作品を公式サイトが限定配信

この授賞を記念して、彼を追ったアミン・マスタリ監督のドキュメンタリー映画『MICHAEL DOUGLAS, THE PRODIGAL SON』が公式サイト上で現地時間5月14日午後6時から48時間限定で配信されると発表されています。そこでは製作者・出演者としてどうキャリアを積んできたか? また、父カークとの関係も語られるとのこと。

名誉賞は5月16日(火)の開幕式で授与される予定です。