ついに正式に結ばれた、メーガン・マークルとハリー王子。元女優でアメリカ人のメーガンが、2018年5月19日に、ウィンザー城のセント・ジョージ礼拝堂で、英国王室王位継承順位第6位となるハリー王子と無事ゴールインしました。
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―盛大なロイヤルイベントだったことは同じですが、2011年にウィリアム王子がキャサリン・ミドルトンと結婚したときと比べると、いくつか大きな違いが…。
1. ウエディングドレス
ケイト・ミドルトンがまとったのは、アレキサンダー・マックイーンのサラ・バートンのデザインによるビスポークのドレス。お値段は推定43万4000ドル(約4800万円)。王立刺繍学校による、手縫いの約3メートルのトレーンがついていました。
対するメーガンが、ジバンシィのクレア・ワイト=ケラーによるスリーク&モダンなウエディングドレスを選択したことには、誰もが驚いたのです…。両者ともにドレスは長袖でしたが、メーガンのものにはビーズやレースは施されておらず、キャサリンのVネックに対してボートネックだったのです。
2. ヴェール
キャサリン妃のヴェールには、王立刺繍学校による花の縁取りが施されており、短めのヴェールに長いトレーンでした。
一方、メーガンはその逆で、約5メートルのヴェールを着用。クレア・ワイト=ケラーは、ヴェールの縁に英連邦53カ国すべての国花の刺繍を施していました。
3. 指輪
ウィリアム王子がキャサリンにプロポーズした際は、母ダイアナ元妃のサファイアの婚約指輪を贈り、結婚式の日には、キャサリンはウェルシュ・ゴールド(ウェールズ産の金)の結婚指輪を受け取りました。
一方ハリー王子は、メーガンと恋に落ちたとされるボツワナで採れたダイヤモンドを中央に、その両脇に母ダイアナの個人コレクションのダイヤモンドを2つ配した、カスタムメイドのゴールドリングでプロポーズ。メーガンの結婚指輪も、ウェルシュ・ゴールドで作られているのです。ウィリアム王子とは異なり、ハリー王子は自身も結婚指輪をつけることを選んだのです。
4. ティアラ
“人から借りた物”(花嫁が身につけると幸せになれるとされる)として、キャサリン妃は、エリザベス女王が18歳の誕生日にプレゼントされたというカルティエのティアラをオン。もともとは、女王の母が夫であるジョージ6世から贈られたものだったそうです。イヤリングはロビンソン・ペラムのもので、両親キャロル&マイケル・ミドルトンからの贈り物。
メーガンも、エリザベス女王が貸してくれたというティアラをつけました。メアリー王妃のバンドー・ティアラ(ヘアバンド型のティアラ)で、女王が祖母メアリー王妃から受け継いだもの。イヤリングとブレスレットはカルティエ。
5. ブーケ
キャサリン妃は、ヴィクトリア女王の結婚式まで王室の伝統を遡り、スズラン、スイート・ウィリアム(ナデシコ)、ヒヤシンス、アイビー、マートルの小枝など、すべて白から成る小さなブーケを持っていました。
ケンジントン宮殿によれば、フィリッパ・クラドックがデザインしたブーケに使う花を、ハリー王子がいくつか自ら手摘みしたのだそうです。小さなブーケには、ダイアナ妃が愛したワスレナグサやスイートピー、スズラン、アスチルべ、ジャスミン、アストランティア、マートルの小枝などが使われていました。
6. 花婿のベストマン(付添人)
2011年の結婚式では、ハリー王子が兄のベストマンを務めました。この時兄弟はどちらも軍服を着用。
そして、ウィリアム王子も弟ハリー王子のベストマンに。2人とも、ブルーズ・アンド・ロイヤルズ(近衛騎兵隊連隊)の制服のフロックコートを着ていました。
7. メイド・オブ・オナー(花嫁付添人)
キャサリンの妹ピッパ・ミドルトンが2011年の結婚式でメイド・オブ・オナーを務め、子どもたちの世話をしたり、長いトレーンを持って教会に入場したりしました。彼女もアレキサンダー・マックイーンのカスタムドレスを着用。
メーガンはメイド・オブ・オナーを選ばなかったため、礼拝堂に入場する際は、年長のページボーイ2人がヴェールを持っていました。
8. ブライズメイド&ページボーイ
レディー・マルガリータ・アームストロング=ジョーンズ、グレース・ヴァン・カッツェム、レディー・ルイーズ・ウィンザー、エライザ・ロペス、トム・ペティファー、ウィリアム・ロウザー=ピンカートンという、4人のブライズメイド&2人のページボーイ。
メーガン&ハリーの結婚式には、それより多い10人のブライズメイドとページボーイが。シャーロット王女とジョージ王子、ザリー・ウォーレン、フローレンス・ヴァン・カッツェム、ジャスパー・ダイヤー、レミ&ライラン・リット、アイビー・マルローニーと、その双子の兄ブライアン&ジョン・マルローニーでした。
9. エリザベス女王
ウィリアム&キャサリンの式で女王は、アンジェラ・ケリーのデザインによる鮮やかなイエローの帽子にドレスコートを着て、ダイヤモンドのブローチとパールのネックレスをつけていました。
ハリーとメーガンの結婚式では、スチュワート・パーヴィンのデザインによる、鮮やかなライムグリーンのコートを着用。グリーンとパープルの帽子は、前回と同じくアンジェラ・ケリーのデザイン。
10. チャールズ皇太子&カミラ夫人
長男ウィリアム王子の結婚式で、チャールズ皇太子は軍服を身につけ、カミラ夫人はフィリップ・トレーシーの帽子に、アナ・ヴァレンタインによるライトブルーとシャンパンカラーのドレスコートを着用。自身の結婚式(2005年)のウエディングドレスをデザインしたのもアナです。
メーガンの結婚式では、カミラ夫人は再びフィリップ・トレーシーの帽子にアナ・ヴァレンタインのコートドレスを選択。今回はどちらもピンク。チャールズ皇太子は軍服ではなく、グレーのモーニングスーツで登場しました。
11. ベアトリス王女&ユージェニー王女
2011年の結婚式での彼女たち姉妹のファッションは語り草に。ユージェニー王女はヴィヴィアン・ウエストウッドの鮮やかなブルーのドレスに、同じカラーのフィリップ・トレーシーの帽子をコーディネイト。
一方ベアトリス王女は、ヴァレンティノのくすんだピンクのドレスとコートに、フィリップ・トレーシーの超アイコニックな帽子を合わせています。
今回、姉妹は2011年のときよりずっと控えめに。ユージェニー王女はゲンズブール(Gainsbourg)による60年代風ドレスに、フィオナ・グラハムによるピルボックス帽。そしてベアトリス王女は、ロクサンダ・イリンチックによる緑がかった青のドレスに、スティーブン・ジョーンズによるヘッドバンドで登場しました。
12. 花嫁の母
キャロル・ミドルトンは、キャサリン・ウォーカーによる淡いブルーの装い。メーガンの結婚式でも、同じくキャサリン・ウォーカーの似た色合いのアンサンブルを選択していました。
メーガンの母ドリア・ラグランドは、オスカー・デ・ラ・レンタによるライトグリーンのドレスとコートをチョイス。ふたりとも薄いパステルなのが印象的。
13. デヴィッド&ヴィクトリア・ベッカム夫妻
2011年の結婚式のとき、ヴィクトリアは自身のブランドのネイビーのドレス(当時妊娠中)をチョイスし、フィリップ・トレーシーの帽子をマッチさせ、デヴィッドはラルフ ローレン パープル レーベルのスーツを着用。だが、左襟ではなく右襟にOBE(大英帝国勲章)のメダルをつけるという痛恨のミスを犯してしまったのです。
今回、2人はさらにクールな装いで登場。ヴィクトリアは前回と似たようなネイビーのドレスに赤のヒール、デヴィッドは帽子と勲章はつけず、ディオール オムのスリーピースのスーツというスタイル。デヴィッドの今回の装いは、ネットでも大好評。
14. エルトン・ジョン
2011年は、伝統的なモーニングスーツにイエローのベスト&紫のタイで、独自のセンスをチラリ。2014年に結婚した長年のパートナー、デヴィッド・ファーニッシュも、グレーでまとめた同じようなスーツを着ていました。
メーガンの結婚式では、モーニングスーツにブルーのネクタイという伝統的な装いに、花柄のポケットチーフとピンクのメガネでアクセントを添えていました。その後、ウィンザー城で催された披露宴で、『Tiny Dancer 』と『Your Song』を歌ったそうです。
15. 式場入り
キャサリンの式の当日は、父マイケル・ミドルトンが、娘と黒塗りの車に同乗して登場。
メーガンは、母ドリア・ラグランドとともに、クリーヴデン・ハウス・ホテルからヴィンテージのロールスロイスでウィンザー城に到着しました。
16. 式会場
ロンドンのウェストミンスター寺院に、1900人の招待客が参列。
ハリー&メーガンの際は、ウィンザー城にあるセント・ジョージ礼拝堂が会場。最大800人収容のため、自動的に式は小規模になりました。
17. 花嫁の父
父マイケル・ミドルトンが娘の手を取りヴァージンロードをともに歩きました。
一方、父が健康問題のため式に出席できなかったメーガンは、チャペルの中央部(身廊)をひとりで歩いた後、義理の父となるチャールズ皇太子が連れ添って歩きました。
18. 式の最中のウエディングドレス
キャサリンもメーガンも、式の最中は、長いヴェールとトレーンを通路に伸ばし、そっくりなポーズで着席していました。
19. 退場
めでたくケンブリッジ公爵夫妻となった2人は、ウェストミンスター寺院の入口まで歩き、その後ろにブライズメイドやページボーイ、家族が続きました。
ハリー王子とメーガン夫妻は、フィリッパ・クラドックがデザインした見事な花のアーチを通って外へ。同じくブライズメイドやページボーイ、家族が続きました。
20. 式場からの退出
キャサリン妃とウィリアム王子が式場を出ると、数多くのロイヤルファンがお出迎え。
ハリー王子とメーガンの場合は、それより小規模ではありましたが、同じようにたくさんの人々の祝福を受けました。
21. 馬車
式後、バッキンガム宮殿に戻る際、ウィリアム王子とキャサリン妃はエドワード7世のために作られたインペリアル・ステート・ランドーという馬車に乗車。これは、ダイアナ妃とチャールズ皇太子が乗ったのと同じものなのだそうです。
ハリー王子とメーガンが乗ってウィンザー市内を回ったのは、アスコット・ランドーという馬車で、1999年にエドワード王子とソフィー・リース=ジョーンズが結婚した際に乗ったものと同じスタイル。見通しがよく、また大きな馬車はウィンザーではなくロンドンに保管されているという理由から、これを選んだ模様。
22. 挨拶
ウィリアム王子とキャサリン妃は、バッキンガム宮殿のバルコニーから、宮殿の外に集まった群衆に手を振って挨拶。
一方、ハリー王子とメーガンは、結婚式が行われたのがロンドンではなかったため、バッキンガム宮殿からファンに手を振ることはありませんでした。その代わり、ウィンザー市内を約30分間馬車で周り、駆けつけた沿道のファンたちに手を振ったのです。
23. キス
バッキンガム宮殿のバルコニーからファンに挨拶する途中、ロマンティックなキスを交わしたウィリアム&キャサリン。ですが、群衆の大歓声で不機嫌になったブライズメイドのグレース・ヴァン・カッツェムちゃんが、主役以上に注目を集めてしまいました(可愛かったですね)。
ハリー&メーガンのときは幸い、幼いブライズメイドに話題をさらわれることはなく、寺院を出たところで2人は結婚後初のキスを交わしたのです。
24. ウエディングケーキ
ウィリアム王子とキャサリン妃は、フィオナ・ケアンズに、伝統的なフルーツケーキからなる8段のウエディングケーキを依頼。
一方、ハリー王子とメーガンは、ロンドンにバイオレット・ベーカリーを構えるクレア・プタックに、スイスメレンゲのフロスティングと生花をあしらった、レモン&エルダーフラワーのケーキを注文。伝統的なものではなく、3パーツに分かれた斬新なケーキを選んだのです。
25. 招待状
伝統的な白、ゴールド、黒を用いた招待状が女王を通じて送られ、“the Marriage of His Royal Highness Prince William of Wales, K.G. with Miss Catherine Middleton”と書いてありました。
ハリー王子&メーガンに代わりチャールズ皇太子が発送した招待状も、色使いは同じでしたが、メーガンが一度結婚していることから、“Ms. Meghan Markle”と記されていました。
26. 門出のクルマ
ウィリアム王子は、父チャールズ皇太子の愛車であるネイビーのアストンマーチン「DB6」を運転し、ウェディングセレモニーとしてキャサリン妃をバッキンガム宮殿からクラレンス・ハウスまで送りました。そのクルマには、ハリー王子と友人たちがリボンやバルーンをあしらい、後部のナンバープレートには“JU5T WED(=JUST WED)”と書かれていました。
一方、ハリー王子がメーガン妃を乗せて運転したクルマは、1968年のE-Type(シリーズ1.5)をベースに ジャガー・ランドローバーのクラシックカーのレストア部門「ジャガー・ランドローバー・クラシック」が仕上げたコンセプトカーのジャガー「Eタイプ コンセプト・ゼロ」です。そしてウィリアム王子とは対照的に、なんの飾りも施されていませんでした。
ただし、ハリー王子らしいこだわりが…。「伝統」のスポーツカーでありながら、その内側にはモーターを搭載。電気自動車という「革新」が融合された、実に英国のマインドを具現化したクルマなのです。カラーも英国を象徴するブルー。極めつけはナンバープレートです。ご覧ください、「E190518」ではないですか。これはつまり、お2人の結婚記念日が刻まれたナンバープレートだったのです。
27. 披露宴のドレス
キャサリン妃は、チャールズ皇太子が主催する夜の披露宴用に、再びアレキサンダー・マックイーンのドレスにお色直し。ボレロ付きの白いサテンのエレガントなドレスで登場しました。
一方メーガンは、同じくチャールズ皇太子がフロッグモア・ハウスで主催する夜の披露宴用に、ステラ・マッカートニーがデザインしたドレスで、美しい肩を見せて登場したのです。
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Translation / Mitsuko Kanno