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「アカデミー賞受賞」というキーワードは、実に偉大なパワーを持っています。これを受賞することは、まさしく偉業…大きな業績となります。俳優や監督にとってはギャランティが大幅に増えることを意味し(ハル・ベリーの『キャットウーマン』の出演料が1400万ドルだったことがその証拠です)、受賞した映画はチケットやレンタルによる売り上げが大幅にアップするのですから。
ですが、このように金銭的なメリットやその場で得られる賞賛は得られるものの、この受賞はクリエイターたちにとって肥やしとなる、本当に役立つものなのでしょうか? そして「その栄光は本物なのか?」「忖度が優先されていないか?」とも考えてしまいます。
2021年4月25日(現地時間)に行われた第93回アカデミー賞では、クロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』が作品賞・監督賞を受賞しました。2020年の作品賞・監督賞を受賞した『パラサイト』のポン・ジュノ監督に続き、2年連続してアジア国籍の監督が複数の栄冠を手にしています。そして監督賞においては、女性監督として史上2人目ということになります。ちなみに最初に受賞したのは、2009年の第82回アカデミー賞で『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督が同じく監督賞と作品賞を含む6部門でオスカーを手にしています。つまり、アジア系女性としては初の監督賞になるわけです。
しかし実は、史上最も画期的で美しく、時代を超越した映画を生み出した偉大な監督たちの中には、一度もあの金の像を手にしたことがない監督たちが存在します。そこでここでは、驚くべき未受賞の監督たちに注目してみました。そしてぜひ、読み終わったあとに前述の疑問に関して再考してみてください。