ビーチで過ごすときには、「定番」と言えるファッションがあります。思い浮かべるなら水着であり、シェード(ビーチテント)などの日よけ、それから日焼け防止に羽織るアイテムなど…。基本的に、そこにデニムを思い浮かべる人はいないかもしれません。ですが、それはこれまでのことです。

今シーズン、カナーリ(Canali)は、デニムを使用した最新コレクションを発表。それはイタリアのリゾート地であるリグリア海・リヴィエラ海岸(Ligurian Riviera)へと旅立ちを想起させてくれます。

80年以上にわたって、テーラーメイドのイタリアンラグジュアリーとメンズエレガンスを提案し続けてきたこのブランドは今回、デニム発祥の地(*1)にインスピレーションを得て23年春夏コレクションを完成させました。なぜなら、デニムの代名詞的存在のリーバイス® 501® が誕生した年が1873年ということで、2023年は「デニム生地誕生150周年」と言えるから…よって、それを祝してのものです。

とは言え、それは決して、デニム・オン・デニムのスタイルである「カナディアン・タキシード」(歌手で俳優のビング・クロスビーが、1951年に全身デニムでカナダのホテルを訪れた際に、セレブとしてのステータスがあるにも関わらず、ドレスコードを満たしていないことを理由に入館を拒否されるという事態をきっかけに誕生した言葉)の良さを知ってもらうための口実などではありません。

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*1 デニム生地は、南仏ニーム(Nîmes)地域の綾織りの布地(サージ)「serge de Nîmes(セルジュ・ドゥ・ニーム/ニーム産のサージ生地という意)」が、デニム生地の発祥と一般的には言われています。そして、「ジーンズ(Jeans)」に関しては、ジェノヴァ(Genova、フランス語ではGenes)が語源であるというイタリア発祥説があり、北イタリアの画家による17世紀半ばの絵画にブルージーンズ(デニムを身につけた人々)が描かれている数点の作品発見されており、イタリア発祥説に説得力をもたせています。(参考:'Master of blue jeans' holds key to fashion riddle

カナリ(canali)の2023春夏最新コレクション
CANALI

イタリア・リグーリア州と言えば、「テラ ディ ジェノバ(Tela di Genova=現在では伝統的なブルーウォッシュ素材として認識されているもの)」が初めて使用された場所であり、その海岸沿いで見られる陽気でリラックスしたライフスタイルがこのコレクションから感じられます。

カナーリのエレガントなデザインコードを踏襲したこのカプセルコレクションには、映画『リプリー(The Talented Mr. Ripley)』でジュード・ロウ演じる(造船業の大富豪)グリーンリーフ一家の1人のように見える、控えめなセンスが十分に備わっています。

ウォッシュ加工を施したストレートカットジーンズに加え、アイコニックなサファリジャケットの復活を期待しましょう。足元を濡らさずに海岸の魅力を味わえる、今ではそんなドレスコードがより魅力的になっていますので…。

Source / Esquire UK
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。