スニーカーマニアでなくても、スニーカーはもはや履くだけのためのものではないことは、多くの方がご存知かと思います。セレブや著名人がデザインしたり、復刻版がリリースされたり、二次流通にも出回ったり…。そしてオークションにも出品されるのです。
このたび、有名オークションハウス「サザビーズ」がスニーカーのリセールストア「スタジアムグッズ」と提携し、オンライン限定で計100足のレアスニーカーを出品しました。
2019年7月23日まで入札を受け付けている今回のオークションは、世界中のスニーカーブームの転機ではないでしょうか。
ただの娯楽やファッションではなく、靴、デザイン、スポーツ、そしてアートの融合と言えるのです。あのサザビーズが主催していることからも、これは文化として認められている証なのです。
ただ転売されているのではなく、芸術性と歴史的価値が認められたということ…つまり、博物館に展示されるような意味を持っていると考えます。また、リセラーの市場を出て、世界中の人たちが貴重なスニーカーを手にすることができるチャンスなのです。そして、スニーカー文化に触れたことがない人でさえ、そのインパクトを目の当たりにするときが来たというわけです。
出品されている数々のスニーカーは、靴というより芸術品と言ってもいいでしょう。
例えばナイキの「ムーン シュー」は、1972年のオリンピック選考会に参加するランナーのために製作されたもので、トラックをしっかりとグリップするワッフルソールが導入されました。他にもマーティ・マクフライの靴をモデルにした「ナイキ マグ」や、「ジョーダン ブランド」がトラヴィス・スコットの家族と知人のためだけにつくったという「Travis Scott x AIR JORDAN 4」、アディダスがファレル・ウィリアムスとシャネルとコラボした「Hu NMD」、ナイキがダイアモンド サプライとコラボした「ダンク SB ティファニー」なども出品されています。
スニーカーの世界では、毎日のように新しいモデルが発表されています。ですが、そんな中でもオークションに並んだ品々は、特別なものばかりであることをスニーカー通でない方もご覧になれば察することでしょう。
そこには、限定コラボレーションから誕生したものであったり、革新的な機能が施されていたり、また社会現象になっていたり…と、マーティ・マクフライのスニーカーにいたってはSFの世界に浮遊していた偶像が現実となったわけですので…。
もはやスニーカーは、スニーカー文化やストリートウエア、ファッションに影響を与えたものというよりも、時代時代に発生してきたポップカルチャーを支える「楔(クサビ)」…いやいや「核」とも言えるほど重要な役割を担っていると言えるでしょう。
これらの出品アイテムはオンラインで見ることができますし、ニューヨークのアッパー・イースト・サイドにあるサザビーズのギャラリーでは、2019年7月23日まで出品アイテムを一般公開しています。アート収集は趣味ではないという人も、スニーカー収集なら興味があるのではないでしょうか?
そしてこれらは、「これからもずっと価値の下がらないスニーカーたち」であることは間違いありませんので…。
From ESQUIRE US
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です。