6月20日(火)から開催されていたパリ・メンズ・ファッション・ウィークの4日目、ディオールはパリ7区にある旧陸軍士官学校「エコール・ミリテール(École militaire)」にて2024年春夏メンズ コレクションを披露しました。

会場には、日本から俳優の竹内涼真とファッションモデル・俳優の大平修蔵、サッカー選手の田中 碧も。そして韓国からはASTROのチャ・ウヌと俳優 ロモン、タイから俳優・モデルのマイル(パークプーム・ロムサイトーン)とアポー(ナタウィン・ワッタナキティパット)らアジア勢も多く参加しています。さらにオーストラリアからは俳優 フェリックス・マラード、コロンビアからはシンガーソングライターのマルーマ、スコットランドからは俳優 トーマス・ドハティ、スペインからの俳優アーロン・パイパー、自国フランスはラッパーであり俳優や映画監督もこなすオレールサン、アメリカからは俳優ケイレブ・マクラフリン、そしてファレル・ウィリアムスも、またデミ・ムーア、アンバー・ヴァレッタなどなど、「ディオール」メンズのアーティスティック ディレクター就任5周年となるキム・ジョーンズ氏を祝福するように、世界中から多くのセレブリティたちが参加していました。

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ショーのフロントロウに座る竹内涼真(中央)。ちなみに竹内の向かって左がケイレブ・マクラフリン、その左がチャ・ウヌです。

そして、そのショーの演出も圧巻でした。

スクエアな金属性グレーのピースが敷き詰められた、まるで滑走路のようなステージを観客たちが両サイドから見守ります。未来的かつ幻想的なBGMが流れはじめると会場は暗転し、次に宇宙音のように変化していくと徐々にステージは明るくなっていきます。そこで多くの観客が「モデルたちがどこから登場するんだ?」と目を左右に向け始めるのですが、彼らはその期待を裏切られます。なぜなら、ステージ上のグレーのピースは規則的な配列でトラップドアとなってオープンし、次にその穴からプラットホームに乗ったモデルたちが会場の床から次々とせり出してくるのです。

そうして「ポップアップ」なプレゼンテーションのスタートとなります。連続してモデルたちがウオーキングし始めると、いつの間にかBGMは故アンドリュー・ウェザオールがミキシングしたプライマル・スクリームの楽曲、『Higher Than the Sun』へと変わります。

(プライマル・スクリームの )ボビー・ギレスピーいわく、この曲を「スペース・エイジ・レゲエ」と称していますが、まさにその雰囲気のまま…浮遊感と高揚感のあるダブサウンドによって、ファッションが時代の最先端でアートかつカルチャーの重要な一部を担っていることを再認識させてくれるのです。

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The Dior Men’s Summer 2024 Show
The Dior Men’s Summer 2024 Show thumnail
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昨2023年春夏メンズ コレクションのショーでジョーンズは、ムッシュ クリスチャン・ディオールの象徴のひとつである花に注目。観客たちを花のラビンリンスへと誘ってくれました。まさにファッションとアートの間にある架け橋を、さらに強調して見せてくれたのです。

そうして迎えた2024年春夏でジョーンズは、このフランスのメゾンで5周年という記念すべき節目を迎えるにあたって、そのアーカイブをさらに深堀りしたであろうことが認識できます。ショーに先立つビデオでは、俳優 フェリックス・マラードがディオールの広大な歴史をたどり、ジュエリーとテキスタイルの数々を探求してもいました。

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Countdown to Dior Men's Summer 2024
Countdown to Dior Men's Summer 2024 thumnail
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そうしてジョーンズは、この新たなコレクションでこれまでの歴代クリエイティブ ディレクターの中でも正統派と言われる3名…イヴ・サン=ローラン、ジャンフランコ・フェレ、そしてマルク・ボアンが生み出したシルエットを再解釈し、彼らが生み出したそれぞれの時代のアイコンにオマージュをささげるとともに、自身のアイデアを盛り込んでいるのが見て取れます。1947年、ディオール初のショーでゲストが座った籐(とう)で編まれた椅子をモチーフに、メゾンの創始者がデザインした「カナージュ」柄も登場。愛おしいほどの懐かしさを感じながらもフレッシュなビートも体感できる、実にワクワクするルックの数々でした。

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別のティーザー動画でジョーンズは、この2024年春夏メンズ コレクションを「New Look to New Wave(ニュールック・トゥ・ニューウェイブ)」と表現しています。1947年春夏 コレクションで、クリスチャン・ディオールが独立後初めて発表したコレクションで表現した新たなシルエット――世界的なセンセーションを巻き起こした「ニュールック」をここでジョーンズはツイストさせ、「ニューウェイブ」と表現したのでしょう。

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そして晴れて、キム・ジョーンズと対面した竹内涼真。

その真意は正直、現段階ではわかりません。今後、エスクァイアではこれを解き明かせればと願っています。今わかっていることはご覧のとおり、いい意味で浮遊感と高揚感が入りまじった…「正統派のカッティングエッジなスタイル」とでも言いましょうか、新たな波を感じます…。

そして、このショーを目の当たりにした竹内涼真はどう感じたのか ? それも気になるところ。そこでエスクァイア編集部は現地に取材班を送りこみ、竹内涼真を追跡取材。ファッションシューティングもあれば、ディオール本社での取材も敢行しています。そんな竹内涼真の生の声と反応をもとに、ジョーンズがこのコレクションにどんな想いをこめたのかを確認していきましょう。

まずはその触りとして、このショーを見終えたばかりの竹内涼真の生声をお聞きください。

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竹内涼真の生声とともに、ディオール 2024年春夏 メンズ コレクションをレポート|Dior| Esquire Japan
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その全容は、雑誌『エスクァイア・ザ・ビッグ・ブラック・ブック』Fall/Winter 2023号およびウェブ「エスクァイア デジタル」で2023年10月14日(土)に発売そして公開する予定です。お楽しみにお待ちください。

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