週末の旅は北陸・富山のノスタルジックな港町、射水(いみず)市の内川(うちかわ)エリアへ。急遽オープンしたヴィーガンカフェ「8ablish TOYAMA(エイタブリッシュ富山)」を訪ねてみると…。

[目次]

▼ 目印はライムグリーンの外壁の古民家

▼ 富山を「エイタブリッシュ ヴィーガンアイスクリーム」の製造拠点に

▼ 急ピッチで進められたオープン準備

▼ クリエイティヴな感性を刺激される場所に

▼「8ablish TOYAMA」移転オープン記念、プレゼント!


目印はライムグリーンの外壁の古民家

日本海に面した富山県新湊地(現:射水市)は、江戸時代から明治にかけて海上交通の大動脈として活躍した北前船(きたまえぶね)の中継地として栄えてきた港町。その面影を色濃く残すのが東西約3.5kmにわたって流れる内川で、川岸の小径を歩くと港町ならではの、係留された小型漁船が連なっている光景を見ることができます。

ヴィーガンカフェの新店「8ablish toyama(エイタブリッシュ富山)」の魅力
8ablish
背景に立山連峰を望む内川は、映画『人生の約束』(石橋冠監督:2016年)、『真白の恋』(坂本欣弘監督:2017年)などのロケ地として利用されるほど風光明媚な場所。

そんな、内川の景色に溶け込んだ小型漁船や屋形船からインスパイアされたというライムグリーンの外観とともに、3月9日(土)にオープンしたヴィーガンカフェ「8ablish TOYAMA(エイタブリッシュ富山)」。古民家の瓦屋根をそのまま生かした建物と相まって、心和ませる穏やかなオーラを放っています。

ヴィーガンカフェの新店「8ablish toyama(エイタブリッシュ富山)」の魅力
8ablish
港町の風景によく似合う、モダンさの中にノスタルジックな優しい温もりを持つライムグリーンの外観に癒されます。

「8ablish」の前身は、日本のヴィーガンカフェの先駆けとして2000年に南青山にオープンした「カフェエイト」。デザイナー&クリエイティヴ・ディレクターの川村明子さんが代表を務めるデザイン会社が、「Eat Your Vegetables!(野菜をもっと食べなさい)」をコンセプトに立ち上げた、それまでにないスタイルのカフェでした。

「私たちが提供する料理、お菓子は全てヴィーガン。卵、バター、ミルクなどの動物性食材。 精製された白砂糖は一切使用していません」

「お菓子の約8割は、小麦や大麦、ライ麦やオーツ麦などを使用しないグルテンフリーです」

「できる限り農薬や化学肥料を使わずに栽培された野菜や季節のフルーツ、米穀物を選び、ひとつひとつ丁寧につくっています」

「生産者やオーガニック食材を使うメーカーとのネットワークによりトレーサビリティが明確なものを幅広く採用しています」

創業時から掲げるこうした宣言の多くは、本店を南青山から港区虎ノ門の麻布台ヒルズに移した現在も変わっていません。

富山を「エイタブリッシュ ヴィーガンアイスクリーム」の製造拠点に

一方で進化をし続けてもいる「8ablish」。2020年にヴィーガンをより身近に感じてもらえるようにと、手軽に食べられるスイーツ事業に力を入れるべく業態を転換。オンラインショップでもスイーツの商品展開の充実が図られました。

翌2021年8月には、アイスクリーム工房を兼ねたカフェとして「8ablish TOYAMA」を富山県射水市にオープン。場所は県内有数の漁港、新湊で獲れた海の幸を提供する観光市場の「新湊きっときと市場」内でした。同時に、有機豆乳ベースの「エイタブリッシュ ヴィーガンアイスクリーム」が誕生し、工房での製造が始まりました。

エイタブリッシュのオンラインストアからでも買えることから、乳製品アレルギーの人や子供に安全なものを食べさせたいという人からも注目を集め、一気に全国的な人気スイーツに。以来「8ablish TOYAMA」は、「エイタブリッシュ ヴィーガンアイスクリーム」の製造拠点としても重要な役割を担ってきました。

ヴィーガンカフェの新店「8ablish toyama(エイタブリッシュ富山)」の魅力
8ablish
オンラインストアからでも買える「エイタブリッシュ ヴィーガンアイスクリーム」は、富山の「8ablish TOYAMA」が製造拠点。

「8ablish TOYAMA」が富山県射水市にオープンした理由は、同市を拠点に三代にわたり事業を営んできている「北陸ポートサービス」(代表は加治幸大さん)と「8ablish」との提携事業であるため。その背景には、「両社が共通してもつ「農」と「食」に対する強みを生かして射水市の活性化を図る」という目的がありました。

「8ablish TOYAMA」の工房で製造され丁寧にカップに詰められている「エイタブリッシュ ヴィーガンアイスクリーム」は、素材そのものの良さを引き出したシンプルな味わいが特徴。用いられている野菜やハーブの一部は、エイタブリッシュの自社農園で収穫されていますが、その栽培には、北陸ポートサービスのESGの取り組みとして製造されている「木皮や剪定枝、刈草から再生した土や肥料」が用いられているのです。

急ピッチで進められたオープン準備

ヴィーガンカフェ「8ablish TOYAMA」には、北陸・富山を旅する観光客だけでなく、幅広い年齢層の地元の人たちもアイスクリーム目当てに訪れるようになりました。「新湊きっときと市場」にオープンしてから2年半の間に、地域全体でヴィーガンを身近に感じてもらえるようにもなったとのこと。そこでカフェスペースをさらに充実させようと、内川エリアに店舗移転を計画。今年2024年4月上旬に“移転”オープンを予定して着々と準備が進められていました。

ところが、その矢先に起きた能登半島地震。「新湊きっときと市場」は建物損壊により営業停止。近隣の道路や駐車場にも亀裂が入り通行止めになるなど、大きな被害を受けました。「8ablish TOYAMA」も再開の目処が立たなかったことから、急遽、内川の店舗オープンを3月9日に前倒し。その発表を2月16日付けのプレスリリースで発信。カフェオープンに向けての準備が急ピッチで進められました。

クリエイティヴな感性を刺激される場所に

3月9日、どこか懐かしい港町の暮らしの息づかいを感じる内川エリアに、外装のライムグリーンが目を引くヴィーガンカフェ「8ablish TOYAMA」が無事“移転”オープン。店内に入れば、その魅力はさらに広がります。

内装は古民家の個性を引き立てるウッドの壁。テーブルと椅子はスイスの家具メーカーVitra社製、照明にはカール・ハンセン&サンを採用。壁や柱には写真やアート作品が数多く展示されていてギャラリーのような雰囲気。アーティストでもある「8ablish」代表・川村さん自身の作品も展示されています。

ヴィーガンカフェの新店「8ablish toyama(エイタブリッシュ富山)」の魅力
8ablish
ショップのリノベーションデザインは、川村さん自らが手がけています。前倒しで急遽オープンとなったため、アート作品もぎりぎりの日程での搬入となったが無事に展示も完了し、オープンの日を迎えた。

「8ablish TOYAMAを、『国内外で活躍するアーティストや表現者の方々の作品の発表の場として活用していただくことで、射水で育つ若者や子供たちがクリエイティブな感性を刺激される場所にしていかれたら』と考えています」と川村さん。これからどんなアーティストとの出会いが生まれるのか? それも、このカフェの楽しみのひとつです。

ヴィーガンカフェの新店「8ablish toyama(エイタブリッシュ富山)」の魅力
8ablish
オープン期間は、フォトグラファーの川上輝明さん、嶋本丈士さんの作品を展示。店内の照明はカール・ハンセン&サン。

カフェメニューにはヴィーガンアイスクリームはもちろん、麻布の本店で一番人気のグルテンマフィンも登場。手土産やギフトに人気のオリジナルクッキー缶のヴァリエーションも充実しています。

■メニュー例

グルテンフリーマフィン 495円
アイスマフィン 1100円
ヴィーガンアイスクリーム シングル 660円 / ダブル880円
オーガニックコーヒー 550円
オーガニックりんごジュース 660円

ヴィーガンカフェの新店「8ablish toyama(エイタブリッシュ富山)」の魅力
8ablish
写真のグルテンフリーマフィンとヴィーガンアイスクリームのセットはイメージです。

「8ablish TOYAMA」
移転オープン記念プレゼント

もともと散歩道として地元住民や観光客から人気のある射水市内川エリアですが、海外から移住した方がBARをオープンしたり、古民家を改築したホテルがオープンするなど徐々に活気が出てきています。週末の旅の行き先におすすめです。

また、この記事を読んで「8ablish TOYAMA」を訪ねた先着5名さまに、オープン記念のクッキー(非売品)をプレゼントということ。締め切りは3月末日。

ぜひ、「エスクァイアを読んで来ました!」とスタッフにお声がけください。

ヴィーガンカフェの新店「8ablish toyama(エイタブリッシュ富山)」の魅力
8ablish

8ablish TOYAMA

住所/富山県射水市立町14-2
Google Map
TEL/0766-82-3001
営業/9:00~16:00
定休/不定休
8ablish公式サイト

8ablish TOYAMA公式インスタグラム

これはThird partyの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

※なお、震災の被害により営業を停止していた「新湊きっときと市場」ですが、3月に入り、おみやげ店、レストランなど一部店舗の営業が再開されています。北陸の旅のスケジュールに加えてみてはいかがでしょう。
公式サイトでチェックを。